細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

プラスする指導

2017-06-12 14:17:38 | 教育のこと

6月10日の土曜日は、都市科学部の開設を祝う記念シンポジウムでした。

このイベントは、開催が決まったときから、私も企画・運営に携わり、何度かミーティングを重ねて内容を練り上げていきました。

私自身も「都市科学部をどう育てるか」という、シンポジウムの後半のパネルディスカッションのパネラーとしても登壇しましたが、私の役割で一番効果が大きかったのは、都市基盤学科からの特別講演を前川宏一先生にお願いしたことと、その講演内容を前川先生が作られる際にアドバイスを求められて、アドバイス差し上げたこと、です。

まあとにかく前川先生の20分の講演は圧巻でした。そのような声ばかり聞こえました。建築の妹島和世先生の講演も魅力的でしたが、比べる必要も全くありませんが、とにかく前川先生の講演は圧巻でした。

私の「アドバイス」通り、全員出席の学部1年生たちに、都市基盤ってすごいなという感激が伝わること、一方で各学科の教員やOBOG、旧教員や来賓もおられるので、分かりやすいだけでなく土木の研究のすごさも伝わること、を圧巻のプレゼンでやってのけられました。

私も多少ではありますが、パネルディスカッションでポイントを突いた発言をいくつかし、藤野先生からも「良い発言だった」と言っていただきました。

土木、都市基盤の威力を見せ付けたシンポジウムになったのではないでしょうか。都市科学部が活気ある、魅力的な学部になるよう、私たちの学科の役割、責任はとても大きいと思いますので、この調子で頑張っていきたいと思います。

さて、懇親会でも多くの方々とお話ししました。

土木の名誉教授たちも来ておられました。

名誉教授の池田先生は、「前川先生が来られたこと、また都市科学部がスタートしたこと、素晴らしいじゃないですか」とおっしゃっていましたが、続けて、「前川先生がおられる間に、細田さんもコアがしっかりできるといいですね。」と言われました。

池田先生のような大先生から見ると私もコアが無いように見えるようです。大先生から見ると、また特に普段一緒にいるわけではない少し離れた大先生から見ると、私に足りない点がたくさんあるのも当然です。

しかし、私も今さらコアをつくり上げるステージには無く、これまでの自分なりの基盤をもとに、上なり周囲に向かっていくつかの柱を立てていくイメージは持っています。

また、私自身も指導者であるわけですが、押し付ける指導(能力が足りないと考え、足りない能力をプラスしていく指導)では、下が大きく伸びることは難しいように思います。

私を育てていただいたのは、やはり岡村甫先生に出会ったことが大きく、私の基本的な哲学は岡村先生の教育によるところが多いです。

5月22日に岡村先生にお越しいただいたときも、「短所は長所に変えることができる」というメッセージを一同にいただきました。

足りない能力をプラスしていく考え方とはかなり異なります。

私も、自分自身が活躍することはどちらかというと手段として捉えており、本当の目的のために必要とは思っていますが、それよりも多くの方々が育つような教育者、指導者であること、そのようになることが心からの望みであるように思います。

不惑から4年経過していますので、私の信ずるように進みたいと思います。


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