3週間強に渡るオランダ、日本、ノルウェーの出張がいよいよ今日で終わり、パリへ戻ります。今回の長期出張でも、非常に多くのことを学び、アウトプットもし、感慨深い気持ちで帰路につきそうです。
私が大学のコンクリート研究室に入門してから学んできたのは、哲学であったと今でも思います。大学では、岡村甫先生、前川宏一先生、小澤一雅先生、岸利治先生らから哲学を学びました。直接の先生ではありませんでしたが、國島正彦先生にも目をかけていただき、多くのことを学びました。博士課程になるころからは、國分正胤先生とも何度かお会いし、二人だけで長い間お話しさせていただいたこともあります。間接的ではありますが、吉田徳次郎先生の哲学にも触れさせていただきました。
博士課程修了後、JR東日本の構造技術センターに籍を置きましたが、ここも哲学に溢れた場所でした。石橋忠良所長を初め、小林薫さん、松田芳範さんらから、まさに技術者の哲学を叩きこまれたように思っています。それは私の現在の活動の根幹を支えています。
その後、横浜国立大学に着任し、多くの素晴らしい方々と出会いました。この記事は、私の専門的な領域の方々に限らせていただいておりますが、専門外の素晴らしい先生方との出会いも私の視野を広げる大きな原動力になりました。
池田尚治先生にも目をかけていただき、まさに哲学を叩きこまれ、今回のオスロでの国際会議では、これまでで最もゆったりと先生とお話をすることができたと思います。この分野で最高レベルの哲学者である池田先生から、贅沢な個人指導を賜りました。宿題も数えきれないほどいただきましたが、以前の私よりは受け止める力量も付いていると思いますので、ベストを尽くしたいと思います。
デイ・シイの鯉渕清さん、東工大の坂井悦郎教授、電気化学工業の盛岡実さんら、セメント化学の分野の一級の方々にも哲学を注入していただきました。
そして、 2009年3月に、私は山口県のひび割れ抑制システムと出会います。田村隆弘先生、山口県の二宮純さんらと、何度哲学を語り合ったか分かりませんが、まさにマネジメントを勉強させていただき、私も大きく育てていただきました。いつも温かく迎え入れてくださり、何度も何度も山口県に通いました。
2011年3月の東日本大震災は、日本にとっての大きな転換点になると思いますが、私にとってもあまりにも大きなことでした。土木学会の調査団として3月から被災地に入り、あまりのできごとに胸が苦しくなるとともに、Civil Engineeringの真の重要性を心の底から理解する契機になりました。そして、私自身のやるべきこと、やり方も転換していくことになりました。調査団では、阪田憲次土木学会会長、家田仁先生を始め、多くの有識者と昼夜をともにし、多くの考え方、見方を学ばせていただきました。
山口県で学んできたことを、今は東北の復興道路の品質確保に応用しています。これ以上ない舞台であり、岩城一郎先生や石田哲也先生、その他の同志と連携して、私自身は全力を尽くしているつもりです。
東北地方整備局の前道路工事課長である佐藤和徳さんとも出会い、今は佐藤さんから非常に多くのことを哲学も含めて学んでいます。国土交通省の仕事のやり方など全く分かっていなかった私にとって、これ以上ないレクチャーであり、赤子のように吸収している最中です。
とてもとても、この記事にすべての出会いを書くことはできませんが、多くの素晴らしい方々との出会いがあり、真剣に語り合うことで、私自身の哲学が醸成されてきたのだな、と感じます。
これからも出会いは続くでしょうし、私自身も我が国の将来を支える後輩、若手たちを育てる大きな義務があることも肝に銘じて、日々を重ねていきたいと思います。
愛する家族の待つパリへ向けて、そろそろオスロのホテルを出発します。
最新の画像[もっと見る]
- YNU dialogue 「福島の今を知り、100年後の豊穣な社会を考える」のご案内 9ヶ月前
- 元気なインフラ研究所 第2回セミナー(3月22日(金)15:30~、オンライン) 10ヶ月前
- 都市基盤学科の卒論生たち5名の発表会 11ヶ月前
- 元気なインフラ研究所 第1回セミナーと、能登被災地の調査 12ヶ月前
- 元気なインフラ研究所 第1回セミナーと、能登被災地の調査 12ヶ月前
- 元気なインフラ研究所 第1回セミナーと、能登被災地の調査 12ヶ月前
- 元気なインフラ研究所 第1回セミナーと、能登被災地の調査 12ヶ月前
- 元気なインフラ研究所 第1回セミナーと、能登被災地の調査 12ヶ月前
- 元気なインフラ研究所 第1回セミナーと、能登被災地の調査 12ヶ月前
- 元気なインフラ研究所 第1回セミナーと、能登被災地の調査 12ヶ月前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます