このブログをしつこく継続していることからも、私は書くことが嫌いではないのだと思いますが、「書く」ということの意義や重要性については、年々理解が深まってきているように感じます。
9/2にJCIのランドマーク委員会(通称)の報告会が開催され、報告書も発刊されました。委員のメンバーが惚れ込む学者や技術者の業績を、ご本人へのインタビューの結果も踏まえて取りまとめたものです。私は委員会では幹事も務めましたが、報告書の内容は非常に秀逸であると思います。私が執筆に直接かかわったのは、岡村甫先生、池田尚治先生、角田与史雄先生でした。
それらの先生方についても、何となく聞いて知っていたこと、や、記憶があやふやなことなどがかなりありましたが、今回の報告書で正確な記述(先生方に直接確認や添削もしていただいた)の文章で残ったことはとても大きなことでした。すでに何度も何度も読み返している文章もありますが、読むたびに自分の知識として脳に定着し、いずれ完全に血肉になるのだと思います。書く、ということの大きな効果です。そして、文章に残ることで、委員会のメンバーだけでなく、多くの興味のある方々が、それを読んで勉強することができます。フィロソフィーが伝播していくことになります。
近年の、藤井聡先生や、三橋貴明さんらの言論活動にも多大な敬意を抱いています。似て非なるいいかげんな言論人は多くいますが、彼らは確かなデータに基づいて、現状でベストと思われる方向性を適切に示し、その方向へと皆を導く流れを創り出していきます。そう簡単にそんな流れなどできるわけではないので、やはり堅固なフィロソフィーに基づいた言論の継続こそが重要なのだと思います。私も、大変に勉強させていただいています。
最近は、稚拙な研究者である私も、自分の書く文章(学会誌や技術誌、論文等)において、私の哲学をなるべく記述するように心がけています。論文では難しいこともあるのですが、論文にこそ本来は哲学が盛り込まれるべきだろうな、と思っています。土木学会論文集の建設マネジメント分野で査読で落ちた、「施工状況把握チェックシートによるコンクリート構造物の品質確保と協働関係の構築」は、社会技術論文集へ投稿する最終準備を行っています。私は建設マネジメント分野に適した論文だと思っていましたが、客観的なデータが足りない、具体的な記述が無さ過ぎるなどの理由が主で落とされましたので、社会技術論文集に再チャレンジです。社会技術、というくくりの方が私たちのやろうとしていることはフィットするのかな、と思い始めています。また落とされるかもしれませんが。
哲学が込められた文章であれば、少ないかもしれないけれど必ず共鳴してくれる人が出てきます。または、文章を参考にして、ご自身の活動にフィードバックしてくださる方が出てきます。そうやって生じる変化は、地味に見えるかもしれないけれど、実は一番本質的な変化です。幸いに、私の関与する活動を、文章で表現する場は多く与えていただいていますので、それらの場でその時点でのベストを尽くしていこうと思っていますし、その積重ねがないと自分たちの夢は実現できないと改めて思っています。
帰国する日には、私が仏滞在中に書いてきたブログを読み返そうと思っています。その時々で、必死に考えてきたことの蓄積であり、それらを反芻して、仏滞在を総括したいと思います。
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