シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

都電の走る町

2006-05-26 09:54:00 | 旅・町歩き
東京・荒川区に行った。

東京といっても、多摩地区に住んでいる私。
荒川区というのは、ほとんど縁がない。
この日は、田端(北区)に用があったのだが、
時間があったので、荒川区まで足を伸ばしてみた。

典型的な、下町の風景。
しかし、浅草や墨田区の下町とは違って、中小工場が多い。
世界に冠たる、最先端の電子部品。
その心臓部が、この荒川区の小さな工場で作られたりしている。

「○○工業」「△△産業」といった名の会社が多い。
その、工場を覆うように、マンションが建つ。
空き地も目立ち、コインパーキングになっている。
少なくとも、昔と比べると、
ここも様変わりしているに違いない。

そんな荒川区の中心部を貫くように走る、都電荒川線。
最後まで残った、東京都電。
名のごとく、荒川区の風景に溶け込んでいる。
都電の踏切を、工場の中で行き来している、
小さな作業車がのろのろ渡って行った。

子供同士が、狭い路地で遊ぶ。
若いママ達が、井戸端会議をしている。
コロッケの匂い。
自転車のブレーキ音。
そして、カタンコトンと短く走り去る、緑の都電。

すべてを「下町情緒」とくくるには、安易かもしれない。
こんな光景は、私の町でも見られることだ。
でも、見知らぬ町に身を置いた時、
自分の五感に伝わるものは、やはり違う。

荒川区。
ここはやっぱり、街ではなく、町だ。