シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

クリスマスエクスプレスのCM

2015-12-23 11:28:18 | 恋&愛
今から20数年前、
JR東海の、TVのCMがこの時期流れていた。

『クリスマス・エクスプレス』

クリスマスイブに、
新幹線でやって来る彼を、彼女が駅で待つという内容だ。

1988年から92年までの5年間、
その年の若い人気女優が演じてきた。
深津絵里さん、牧瀬里穂さんなど演じる「彼女」が、
駅で、「彼」の到着をじっと待っている 。
そして、人混みの中から彼が現れるというものだ。

山下達郎さんの名曲『クリスマス・イブ』のメロディに乗り、
二人が逢う映像は、見ていて感動する。

このCMがジンとくるのは、 待ち合わせている二人が、
お互い相手を見つけたときに、
心から安堵して喜ぶからである。

そう。携帯などなかったこの当時、
約束通りの時間と場所で「逢う」ということは、
とても不安と心配もつきまとったのだ。

今なら、「着いたよ」『どこにいればいい?』
という会話で、 二人はスンナリ逢えるのだ。
しかし20数年前は、
人混みの中で、相手を探して待つしかなかった。
だからこそ、逢えた時の嬉しさは大きかったのである。



このCMでは、改札口に立つ駅員の姿も見える。
今は、そういう姿さえない。
自動改札は、来る者と待つ者との境も、
どこか、あっさりとさせてしまった感がある。

このCMは、you tubeで見ることができる。
5年分を続けて見ると、
最後の1992年・吉本多香美さんのCMが印象的だ。

吉本さんのは、それまでと違い、
彼女が新幹線に乗り、彼氏に逢いに行くという、
逆のバージョンだ。

彼氏に逢った時、
泣かずに笑顔を見せようと決める彼女。
新幹線の中でも、笑顔の練習をする。

彼女を乗せた新幹線は、
一路、夜の線路を疾走する。


そして彼の待つ駅に着く。
笑顔を見せようとした彼女だったが、
結局は、彼に抱きついて泣いてしまう。

こちらも泣けてくる、いいCMだ。


しかし今は、新幹線自体が夜行バスに押され、
若者の利用が減っている。
携帯とともに、このようなCMは、
もう作れないのかもしれない。

でも、 クリスマスに、
愛する人と逢うということ。
そこに辿りつくまでの純粋な想いが、
20数年経った今も、
人々の中に変わらずにあることを願う。


メリークリスマス!

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