シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

あなたは青春そのもの

2009-02-26 17:51:30 | 恋&愛

卒業式の季節である。

私の知り合いの高校生も、明日が卒業式。

まだ冬の寒さだというのに、 別れの春は、早くもやって来る。

 

どうしても、思い出話を書きたくなる。

いや、彼女が「書いてほしい」と、 27年前に私を連れ戻している。

高校の卒業式。 「彼女」は、クラスメート。

昨年10/6の日記、 『27年前の合唱コンクール』で触れた、 伴奏者の子だ。

コンクールは2位に終わったが、 その後、彼女への想いはより一層強くなった。

しかし、お互いに受験があった。

あまり会話もすることなく、 残り少ない高校生活は、ただ過ぎていくだけだった。

 

やがて二人とも、志望校に合格した。

しかし、それはもう、 これ以上近づけないことを意味する。

 

卒業式は、3月13日だった。

暖かく、やわらかな陽差しの中、 私達は卒業証書を受け取った。

教室に戻る。 担任の先生は、男の音楽の先生だった。

3年間で、一度も怒ったことのなかった先生は、

この最後のお別れの日も、 穏やかな表情で語りかけた。

「社会に負けないでほしい。自分を見失わないように。 君達らしく、明るく頑張ってほしい」

すすり泣きの声。 そして、卒業証書と花束を手に全員教室を出る。

 

私は、そこで彼女をつかまえる。 「話がある。ちょっとの時間いい?」

そのまま屋上に行く。 そして、私は打ち明ける。

「好きだったんだよ、ずっと・・」

彼女が答える。 『うん、わかってたよ・・。ありがとうね』

そして続ける。 『その優しさと情熱を、ずっと忘れないでね』

私も返す。 「ピアノを続けてほしい。 コンクールの思い出のためにも。

そして俺のためにも・・」

 

私の中で、 卒業と聞いて一番に思い浮かぶ曲は、ユーミンの「卒業写真」だ。

私達の頃は、写メもデジカメもない。 簡単に、写真は撮れなかった。

二人の卒業写真は一枚もない。

 

この歌詞にある、「あなたは 私の青春そのもの・・」

私が今、 どんなにつらくても優しい人でありたいと思い、

弾けないピアノに今も情熱を傾けているのは、

この日の、あなたとの約束があったからです。

 

あなたは、 今もピアノを続けているでしょうか・・。

あなたは、青春そのものでした。

こうして今も、 ピアノと共にある思い出を綴れるのですから・・。 

 

 

ありがとう。

あなたが今でも大好きです。

 

 


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