東大阪でそろばん教室を運営しているの先生のブログ 関西珠算瓢箪山教場・石切教場

子供たちから教えられたこと、感じたことを想いのままに綴ります。

あれから20年が経ちました。命を守るためにぜひ勉強してください。

2015-01-17 00:28:58 | 日記
 平成7年1月17日。兵庫県南部地震(いわゆる阪神大震災)が発生しました。約7千名が帰らぬ人となったあの日から、今日で丸20年が経過しました。私は震災当時、地震の原因となる活断層の活動が概ねでも予測できないかと言う研究をしていました。
 その自分にとって、自分自身がいかに無力でなにもできない存在であるかを痛感しました。良く知る後輩が一人犠牲となってしまいました。その後研究に没頭しましたが、結論としては「予測は不可能」というものでした。

 そして平成平成23年3月11日、東北地方太平洋沖地震(いわゆる東日本大震災)が発生しました。阪神大震災以降、毎年1月17日には追悼行事が行われ、この震災をきっかけに震度の階級が改正され、防災士という資格も生まれました。

 海に囲まれ、火山国である日本は、諸外国に比べて人一倍自然災害には関心があるはずなのに、そして東北地方の方々は、三陸沖地震やチリ沖地震による津波をたくさん経験していたにも関わらず、津波に対して備えなかったことによって多数の犠牲者が出てしまいました。

 それを象徴する判決が最近ありました。自動車学校の生徒さんで犠牲となった遺族の方々が、慰謝料を訴えた裁判です。結果は原告勝訴、自動車学校側は19億円余りの支払いを命じられました。

 この時の自動車学校側の主張は「大津波は予期できなかった」。

 ちょっと待ってください。大阪にいた私ですら、船の揺れに似た長周期振動を感じました。実際に東北地方でこの地震に遭遇した方は、人生で経験のない揺れだったはずです。少なくとも津波が来ることは予見できたはずです。なのに、この主張。通じるわけがありません。

 今の日本の教育、特に高校では残念ながら「地学」分野の授業が大幅に軽視されています。大阪府の高校では「地学」の授業そのものが開講されていない場合も多くなっています。

 その弊害は、自然災害発生時に、多数の無知による被災者・犠牲者の発生という、とてつもない人的被害となって返ってきます。ではどうすればいいのか。簡単です「勉強」してください。自分の生活を、そして命を守るために。

 昨日も私は子供たちに地震の心構えを、災害発生時にどうするかをお話しました。と同時に勉強の大切さも改めてお話しました。ちょっとお話はそれますが、勉強の意味を合わせて教えました。それは、将来いい仕事をするためでも、学歴を高くするためでもありません。

 「自分が勉強できるかできない(苦手)かを知るために勉強をするんだ」ということです。

 勉強をすることで、本当に自分に必要な勉強が見えてきます。それは自分のしたいことを見つけたときに、何を勉強していかなければならないのかが分かるという意味合いを含んでいます。

 そして勉強することで、自分自身が見ることのできる世界が広がり、自分に必要な知識を吸収できる人間になるのです。そして自分が学んだ知識を骨肉として身に付けることで、無知による損害を防ぐことができます。それはわが命を含みます。

 スマホやラインをいじったって、知識の浅い子供同士、何も得るものはありません。悩みごとの相談はお互いの顔を見ながら話せばいいんです。ゲームをするひまがあれば、本を読み、大人と話をすればいいんです。運動で汗を流すのもいいでしょう。

 自分にないものを持つ対象から、自分にない知識をひきだして糧にしてください。そして、言い訳しないで自分で物事が判断でき、自分の身を自分で守る音の出来る・判断できる大人になってください。そのために今、必要な勉強はもちろん、自分に必要のないと想える勉強も、そう思わずに進んでできる人間になってください。

 兵庫県南部地震の犠牲にあってしまわれたすべての方に哀悼の意を表します。そして地震予知はできなかったけれども、これからも一人でも次の犠牲者をださないために、頑張って子供たちにあの日の経験を伝えていくことを誓います。
 
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