レインボー文庫の「童話ってホントは残酷」三浦佑之著を読む。
かつて「本当は恐ろしいグリム童話」が売れたが、この本もその路線だ。
けれども、載っている話数が多いのと、日本の昔話とグリム童話やペローが両方載っているので
この本を買ってみた。
たとえば、白雪姫をこの世から消そうとするのは、初版では継母ではなく、実母だった。実母に命令された猟師は白雪姫のいのちを奪いに行くが、余りに可憐で可哀そうなので、命を救い、代わりに熊の内臓と肉を持ち帰ると、実母はその美しさを横取りするために、娘の肉だと思っている肉を、食べてしまった。
だが、鏡の予言で森に白雪姫が隠れているのを知ると、リンゴ売りに化けて、半分リンゴを齧って見せて安心させて、白雪姫を毒リンゴで倒す。森の小人たちは、美しい遺体を保存して、透明な箱に収めておいた。ある国の王子が偶々、その美しい姫を見て譲り渡してくれるよう頼んだ。白雪姫を起こすと、喉につかえていた毒リンゴが取れて白雪姫は生き返った、という話が載っている。
シンデレラ(灰かぶり)では、継母と二人の娘に邪険にされていたシンデレラは、灰のなかの豆をえり分ける仕事をさせられていたが、小鳥たちが代わりにやってくれた。小鳥たちの助言で、亡くなった実母の残した植木に願うと、銀のドレスと装飾品が出てきて、シンデレラは、継母の娘たちも参加している王子様の舞踏会にその服で出かけ、王子を虜にする。銀の靴を片方残して舞踏会を去る。
王子はこの小さな靴のサイズの足の娘が居たら、妃にすると言う。継母の娘たちは親の助言で、かかとや指先を切り落として靴を履くが、血が滴っているので偽物だとばれる。灰かぶりに遭遇し、靴を履かせてみるとピッタリなのでシンデレラは王妃となる。
その他食べられて終わりの赤ずきんとか、子どもにしいたげられていたのではない亀を網から放してやり、「遊郭のような竜宮城」に行く浦島太郎とか、原話がわかり面白かった。
余分な著者の憶測に根拠がないという点は差し引いても、もとの民話の素朴な残酷さがわかる本だった。民話を版を重ねるごとに道徳的に修正して行ったグリムは、相当な脚色家である。
民話から子どもの娯楽へ変えるため童話作家は毒抜きをする
かつて「本当は恐ろしいグリム童話」が売れたが、この本もその路線だ。
けれども、載っている話数が多いのと、日本の昔話とグリム童話やペローが両方載っているので
この本を買ってみた。
たとえば、白雪姫をこの世から消そうとするのは、初版では継母ではなく、実母だった。実母に命令された猟師は白雪姫のいのちを奪いに行くが、余りに可憐で可哀そうなので、命を救い、代わりに熊の内臓と肉を持ち帰ると、実母はその美しさを横取りするために、娘の肉だと思っている肉を、食べてしまった。
だが、鏡の予言で森に白雪姫が隠れているのを知ると、リンゴ売りに化けて、半分リンゴを齧って見せて安心させて、白雪姫を毒リンゴで倒す。森の小人たちは、美しい遺体を保存して、透明な箱に収めておいた。ある国の王子が偶々、その美しい姫を見て譲り渡してくれるよう頼んだ。白雪姫を起こすと、喉につかえていた毒リンゴが取れて白雪姫は生き返った、という話が載っている。
シンデレラ(灰かぶり)では、継母と二人の娘に邪険にされていたシンデレラは、灰のなかの豆をえり分ける仕事をさせられていたが、小鳥たちが代わりにやってくれた。小鳥たちの助言で、亡くなった実母の残した植木に願うと、銀のドレスと装飾品が出てきて、シンデレラは、継母の娘たちも参加している王子様の舞踏会にその服で出かけ、王子を虜にする。銀の靴を片方残して舞踏会を去る。
王子はこの小さな靴のサイズの足の娘が居たら、妃にすると言う。継母の娘たちは親の助言で、かかとや指先を切り落として靴を履くが、血が滴っているので偽物だとばれる。灰かぶりに遭遇し、靴を履かせてみるとピッタリなのでシンデレラは王妃となる。
その他食べられて終わりの赤ずきんとか、子どもにしいたげられていたのではない亀を網から放してやり、「遊郭のような竜宮城」に行く浦島太郎とか、原話がわかり面白かった。
余分な著者の憶測に根拠がないという点は差し引いても、もとの民話の素朴な残酷さがわかる本だった。民話を版を重ねるごとに道徳的に修正して行ったグリムは、相当な脚色家である。
民話から子どもの娯楽へ変えるため童話作家は毒抜きをする