5月19日(金)
信州佐久の道の駅ホットパーク浅科で車中泊したあと、内山峠を越えて群馬へ。
そして、下仁田町と富岡市にまたがるこの山へ来た。
▲ 妙義山(みょうぎさん)1104m。
妙義山は、九州の耶馬渓、四国の寒霞渓とともに日本三大奇勝に数えられるとか。
ご覧のとおりノコギリ状の稜線と山腹に林立する岩峰群が見せる異様な山容、もとい自然の造形美が特長だ。
上信越道で佐久ICから帰るとき、軽井沢ICを過ぎるとこの異形の稜線が正面に迫ってくる。
写真は、妙義山公園の第一駐車場で、ボクのHarmonyが、向こうに小さく見える。
▲ 石門群登山道から登る。
ギザギザの稜線を歩くのは、超上級編。
我々は、その稜線下の中間道を歩く初級者向けコースをとる。
それなら、ということでド初級のdecoさんが今日は加わった。
中間道ではことし2月に落石があり、中途で閉鎖されていることは前日知った。
行けるところまで行って、引き返そう。
~ ~ ~ ~
歩き始めると、2mほどのシマヘビがニョロニョロと横切り、すぐに、岩を乗り越えるため鎖が垂れ下がっているところに出会うに至って、彼女は目を吊り上げた。
「こんな難しいところ、行けない!」
しかしなんとかなだめて、しばらく岩道を上って第一石門へ来た。
▲ うむむー・・大きいなあ・・
左側に見えるのは巨木ではなく、岩だ。
ここをくぐって、逆側からこの岩の洞を眺めると、
▲ こんな風に大きな石門状になっているのだ。
「どう、すごいねー」と、ボクは気持ちを盛りたてようとしたが、
彼女はこれからの山道の険しさに恐怖したのか、無言で・・・
実際、そうなってしまった!!
▲ 岩道をもう少し上がって行く手に立ち現れたのは、ク、ク、鎖場だ!
左手の岩盤には「足元に注意」「かにの横ばい」の注意看板もある!
ここを鎖を使って上がって、更に横ばって行けというのか?
これはおかしい。ここが初級者用コースであるはずがない。
「decoさん、ここでちょっと待ってて、見てくるから」
と、探究心の強いボクはdecoをそこに置いて、自分で登り始めた。
▲ 片手ないし両手で鎖を持って、足場が下にずり落ちないように慎重に歩を進める。
なるほど「かにの横ばい」スポットだ。
ズリ落ちたら?!
こんなとこ、初級であるわけがないッ!?
▲ 横ばいが終わったら、今度は鎖が上からぶら下がっていて、それを伝って上方の岩の割れ目までよじ登っていくのか!
左横の看板には、「たてばり」と書いてある。
しょうがないから、割れ目までクライミングして、そこから恐る恐る下方を覗いてみると・・
▲ 割れ目から、鎖は下まで垂れ下がっていて、しかもかなり深いところまで降りていくようで、着地点は見えない!
こ、こ、こんなところは絶対、初級レベルのところではない!!
明らかに、上級者ルートだ。
(この箇所はあとで知ったが、「つるべさがり」と名づけられていた・笑)
戻ろう!
▲ 戻ると、トボトボとdeco さんは自分で下り始めていた。
「ゴメン、ゴメン、これはおかしい。コースを間違えた」
最初の第一石門への分岐点まで戻って、標識を見直した。
左手方向:「第一第二石門を経て大砲岩」へ
右手方向:「大砲岩近道」へ
ボクは、左手を選択していた。石門を当然通るものだという思っていたからだ。
右手の大砲岩近道を行くべきだったのかな? 「近道」というのはたいてい急坂なんだが・・
その下のマップを見ると、
▲ 「現在地」の分岐から、黄色線でボクが塗ったルートを通ろうとしていたわけだ。
ガイドブックを読むと、「石門めぐりは急峻なクサリ場の連続、今回の中間道ハイキングでは、右の巻き道を上ろう」と書いてあるではないか!
赤く塗ったルートを初めから行けば良かったのだ。第一石門をちょっと覗いて戻れば、それで良かったのだ。
「ごめん、ごめん、やっぱり間違えた」
▲ で、右側の初級ルート中間道を、改めて登り始めた。
このルートは、このように↑岩段がずっと整備されていて、このあと登りやすかった。
当初「わたし、もう帰るっ」 と言っていた彼女も、ちょっと気を取り直して歩き始めた。
やれ、やれ・・
▲ 周りは、ブナを中心とした新緑のミドリであふれかえっている。
ちょっとこんな山はみたことがないな・・
ミドリが多いときは、木々も鬱蒼と空を覆っていて暗い空間になりやすいのだが。
ここは、木漏れ日がここかしこに漏れてきて、明るいミドリの空間だ ♪
そうこうしてうちに、ツレが「まだなの!?」とまた音を上げ始めて、
「もう少しだよ」と、なだめるのに忙しいボク(笑)。
それでも先ほどの間違えた分岐点から登ってきて30分ほどたったころ、到着した。
▲ 第四石門。
ワオーッ、これはスゴイ。
大きいわねー。
▲ 石門の下から、アーチを眺める。
う~ん・・ これはほんとに岩だな・・
地震で崩れないのかしら。
知らんよ、そんなこと。
う~ん、自然は偉大だ・・
▲ 第四石門の手前は東屋もある広場になっていて。
deco は、もうベンチで休んでいた。
▲ 足を投げ出して、ずいぶん御くつろぎモードだ。
なんかを食べだしている・・
やれやれ、疲れたのだろう。
▲ ボクもオニギリを食べよう。
今日の朝、道の駅浅科で買ってきたオニギリ2個。梅と昆布。
deco が言うには、この梅干しを細かくしてまぶすのは実家の母のやり方だと。懐かしいと。
なんでウチのはこんなみっともないことをするのかと小さい時に訝(いぶか)しがっていたらしい。
これはどうも、少なくとも佐久地方の梅オニギリの昔からのやりかたのようだ。
食べるものにとっては、まぶしてあるほうが梅塩味が均等になって食べやすい。
作るのに手間は少しかかるが、実用的な食しかたができる。
ウムー、おにぎりにも地方によって文化的差異があるということか・・・(笑)
美味しかった。
ランチ後、石門アーチの谷側の方を探索しに行く。
▲ 岩上で下を見下ろす。
彼女は、高所は全く怖くないのだ。
素晴らしい眺めだわ・・・
▲ どれどれと、若干及び腰でボクも岩ぷちに立って写真を撮った。
新緑の中で石柱が林立している。
これはワイドで撮らねば。
PC用;
スマホ、タブレット用;
だいぶ機嫌を取り戻してくれたdeco サマ。
しかし深追いは禁物だ(笑)。
「じゃあ(予定はもっと先までだったが)、そろそろ下りようか」
▲ ボクのストックを貸すと、すぐトットと下り始めた。
▲ 慎重に足元を見ながら、黙々と。
周りを見る余裕はないようだったが、20分ほどで登山口に戻った。
膝が若干痛くなったようだ。
太極拳をやると痛む同じ箇所だそうだが。
▲ 下の方で見た、唯一の花。
日影だからだろうか、色が薄くはかなげで小さい。
追記:クワガタソウです (コアジサイさんより)
駐車場には、午後1時少し前に戻った。
▲ 駐車場の地図看板。
この看板マップで振り返ると、
左の公園駐車場からスタートして赤線を往復した。
総山行時間はそれでも2時間半ほど(笑)。
初級中間道の全コースは赤線プラスのオレンジ線だ。コースタイム4時間。
ただし、第一見晴と第二見晴の間で落石による閉鎖箇所がある。
問い合わせたら、閉鎖が解除されるのは来年になるらしい。
そしたら、来年もう一度リベンジしようかな。
(今度は一人で・笑)
▲ クルマの中で、コーヒーを飲んでしばし休憩。
よく、やりましたね、deco ちゃん。
(こういう岩を登る山は、絶対、もう行かないと言ってましたが)
このあと下道を走って、いくつかのスポットに寄って、機嫌をなおしてもらって、
自宅には夜7時ごろ無事着。
やれやれ。
了
信州佐久の道の駅ホットパーク浅科で車中泊したあと、内山峠を越えて群馬へ。
そして、下仁田町と富岡市にまたがるこの山へ来た。
▲ 妙義山(みょうぎさん)1104m。
妙義山は、九州の耶馬渓、四国の寒霞渓とともに日本三大奇勝に数えられるとか。
ご覧のとおりノコギリ状の稜線と山腹に林立する岩峰群が見せる異様な山容、もとい自然の造形美が特長だ。
上信越道で佐久ICから帰るとき、軽井沢ICを過ぎるとこの異形の稜線が正面に迫ってくる。
写真は、妙義山公園の第一駐車場で、ボクのHarmonyが、向こうに小さく見える。
▲ 石門群登山道から登る。
ギザギザの稜線を歩くのは、超上級編。
我々は、その稜線下の中間道を歩く初級者向けコースをとる。
それなら、ということでド初級のdecoさんが今日は加わった。
中間道ではことし2月に落石があり、中途で閉鎖されていることは前日知った。
行けるところまで行って、引き返そう。
~ ~ ~ ~
歩き始めると、2mほどのシマヘビがニョロニョロと横切り、すぐに、岩を乗り越えるため鎖が垂れ下がっているところに出会うに至って、彼女は目を吊り上げた。
「こんな難しいところ、行けない!」
しかしなんとかなだめて、しばらく岩道を上って第一石門へ来た。
▲ うむむー・・大きいなあ・・
左側に見えるのは巨木ではなく、岩だ。
ここをくぐって、逆側からこの岩の洞を眺めると、
▲ こんな風に大きな石門状になっているのだ。
「どう、すごいねー」と、ボクは気持ちを盛りたてようとしたが、
彼女はこれからの山道の険しさに恐怖したのか、無言で・・・
実際、そうなってしまった!!
▲ 岩道をもう少し上がって行く手に立ち現れたのは、ク、ク、鎖場だ!
左手の岩盤には「足元に注意」「かにの横ばい」の注意看板もある!
ここを鎖を使って上がって、更に横ばって行けというのか?
これはおかしい。ここが初級者用コースであるはずがない。
「decoさん、ここでちょっと待ってて、見てくるから」
と、探究心の強いボクはdecoをそこに置いて、自分で登り始めた。
▲ 片手ないし両手で鎖を持って、足場が下にずり落ちないように慎重に歩を進める。
なるほど「かにの横ばい」スポットだ。
ズリ落ちたら?!
こんなとこ、初級であるわけがないッ!?
▲ 横ばいが終わったら、今度は鎖が上からぶら下がっていて、それを伝って上方の岩の割れ目までよじ登っていくのか!
左横の看板には、「たてばり」と書いてある。
しょうがないから、割れ目までクライミングして、そこから恐る恐る下方を覗いてみると・・
▲ 割れ目から、鎖は下まで垂れ下がっていて、しかもかなり深いところまで降りていくようで、着地点は見えない!
こ、こ、こんなところは絶対、初級レベルのところではない!!
明らかに、上級者ルートだ。
(この箇所はあとで知ったが、「つるべさがり」と名づけられていた・笑)
戻ろう!
▲ 戻ると、トボトボとdeco さんは自分で下り始めていた。
「ゴメン、ゴメン、これはおかしい。コースを間違えた」
最初の第一石門への分岐点まで戻って、標識を見直した。
左手方向:「第一第二石門を経て大砲岩」へ
右手方向:「大砲岩近道」へ
ボクは、左手を選択していた。石門を当然通るものだという思っていたからだ。
右手の大砲岩近道を行くべきだったのかな? 「近道」というのはたいてい急坂なんだが・・
その下のマップを見ると、
▲ 「現在地」の分岐から、黄色線でボクが塗ったルートを通ろうとしていたわけだ。
ガイドブックを読むと、「石門めぐりは急峻なクサリ場の連続、今回の中間道ハイキングでは、右の巻き道を上ろう」と書いてあるではないか!
赤く塗ったルートを初めから行けば良かったのだ。第一石門をちょっと覗いて戻れば、それで良かったのだ。
「ごめん、ごめん、やっぱり間違えた」
▲ で、右側の初級ルート中間道を、改めて登り始めた。
このルートは、このように↑岩段がずっと整備されていて、このあと登りやすかった。
当初「わたし、もう帰るっ」 と言っていた彼女も、ちょっと気を取り直して歩き始めた。
やれ、やれ・・
▲ 周りは、ブナを中心とした新緑のミドリであふれかえっている。
ちょっとこんな山はみたことがないな・・
ミドリが多いときは、木々も鬱蒼と空を覆っていて暗い空間になりやすいのだが。
ここは、木漏れ日がここかしこに漏れてきて、明るいミドリの空間だ ♪
そうこうしてうちに、ツレが「まだなの!?」とまた音を上げ始めて、
「もう少しだよ」と、なだめるのに忙しいボク(笑)。
それでも先ほどの間違えた分岐点から登ってきて30分ほどたったころ、到着した。
▲ 第四石門。
ワオーッ、これはスゴイ。
大きいわねー。
▲ 石門の下から、アーチを眺める。
う~ん・・ これはほんとに岩だな・・
地震で崩れないのかしら。
知らんよ、そんなこと。
う~ん、自然は偉大だ・・
▲ 第四石門の手前は東屋もある広場になっていて。
deco は、もうベンチで休んでいた。
▲ 足を投げ出して、ずいぶん御くつろぎモードだ。
なんかを食べだしている・・
やれやれ、疲れたのだろう。
▲ ボクもオニギリを食べよう。
今日の朝、道の駅浅科で買ってきたオニギリ2個。梅と昆布。
deco が言うには、この梅干しを細かくしてまぶすのは実家の母のやり方だと。懐かしいと。
なんでウチのはこんなみっともないことをするのかと小さい時に訝(いぶか)しがっていたらしい。
これはどうも、少なくとも佐久地方の梅オニギリの昔からのやりかたのようだ。
食べるものにとっては、まぶしてあるほうが梅塩味が均等になって食べやすい。
作るのに手間は少しかかるが、実用的な食しかたができる。
ウムー、おにぎりにも地方によって文化的差異があるということか・・・(笑)
美味しかった。
ランチ後、石門アーチの谷側の方を探索しに行く。
▲ 岩上で下を見下ろす。
彼女は、高所は全く怖くないのだ。
素晴らしい眺めだわ・・・
▲ どれどれと、若干及び腰でボクも岩ぷちに立って写真を撮った。
新緑の中で石柱が林立している。
これはワイドで撮らねば。
PC用;
スマホ、タブレット用;
だいぶ機嫌を取り戻してくれたdeco サマ。
しかし深追いは禁物だ(笑)。
「じゃあ(予定はもっと先までだったが)、そろそろ下りようか」
▲ ボクのストックを貸すと、すぐトットと下り始めた。
▲ 慎重に足元を見ながら、黙々と。
周りを見る余裕はないようだったが、20分ほどで登山口に戻った。
膝が若干痛くなったようだ。
太極拳をやると痛む同じ箇所だそうだが。
▲ 下の方で見た、唯一の花。
日影だからだろうか、色が薄くはかなげで小さい。
追記:クワガタソウです (コアジサイさんより)
駐車場には、午後1時少し前に戻った。
▲ 駐車場の地図看板。
この看板マップで振り返ると、
左の公園駐車場からスタートして赤線を往復した。
総山行時間はそれでも2時間半ほど(笑)。
初級中間道の全コースは赤線プラスのオレンジ線だ。コースタイム4時間。
ただし、第一見晴と第二見晴の間で落石による閉鎖箇所がある。
問い合わせたら、閉鎖が解除されるのは来年になるらしい。
そしたら、来年もう一度リベンジしようかな。
(今度は一人で・笑)
▲ クルマの中で、コーヒーを飲んでしばし休憩。
よく、やりましたね、deco ちゃん。
(こういう岩を登る山は、絶対、もう行かないと言ってましたが)
このあと下道を走って、いくつかのスポットに寄って、機嫌をなおしてもらって、
自宅には夜7時ごろ無事着。
やれやれ。
了