荒川三歩

東京下町を自転車で散策しています。

芸予要塞再訪―1

2015年11月02日 | 散文
もう一度見たい、との思いで小島を再訪しました。

ここは要塞の中心部、中部砲台跡です。

中心部へ進んで行きます。

石積みにヒビひとつありません。
これが明治24年の建造物です。
最新技術で造ったマンションより長持ちしています。

日本人の愚直さで堅牢に造っています。

造ったものの、一度も戦争に使わなかった施設です。

島の頂上にある指令室跡です。


この島の最高地ですので、四方が見渡せます。










ここからは太平記の舞台、世田山・笠松山までもが見えます。


当然、船舶の航行が良く分かります。


司令室跡には円形テーブルのようなものがあります。

テーブル状の周りの窪みに座ってみました。
座るのに丁度いい高さで、手を伸ばすとテーブル状に丁度手が届きます。
やっぱりこれは石のテーブルを再現したもので、ここで作戦会議をしていたのでしょう。

司令室下には兵舎跡があります。

何処を見ても、欠損もヒビもありません。
実に堅牢に造っています。

指令室の下だけに、将校用兵舎もあります。
見たところ、施設に将校特権のような差はありません。

ところで、どうして此処に莫大な資金と労力を費やして要塞を造ったのか不思議です。
私がロシアの艦隊だったらここを避けて攻めます。
東京のお台場と違って、海峡はいっぱいあるので、ここを避けて通行できます。
日本人の愚直さが造り上げた、ちょっと滑稽にも思う建造物の凄さです。


コメント
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