江東区に「小名木川駅前」の交差点が在ります。
こんな上り坂の交差点です。ここには鉄道も駅も在りません。
駅が在った場所は大きな商業施設になっています。数年前迄は操車場でしたが、その時にも駅は在りませんでした。それでも「小名木川駅」の名前を残しています。地域の人には特別な思いがある駅なのでしょう。
先ほどの交差点から坂を上がると、川の土手に句碑が立っています。
「砂町を愛した俳人 石田波郷生誕百年記念碑」の文字が見えます。
「石田波郷(はきょう)は大正二年(1913)松山市に生まれ戦後の昭和二十一年から十二年間、砂町にある妻あきの実家に住んで、『江東歳時記』や『惜命』に下町の風情や闘病中の句を詠みました。平成二十五年(2013)三月十八日建立」
小名木川は徳川家康が造った運河ですが、石田波郷が愛した川でもあります。
界隈は戦前戦後を通じての工場地帯で、地下水を大量に汲み上げた為このように周囲が地盤沈下し、小名木川が高くなりました。「小名木川駅前交差点」方面です。
「雪敷ける町より高し小名木川」
工場廃水で汚れた小名木川は、現在はしゅんせつされ護岸が整備されて、随分綺麗な川に変わっています。江東区はカヌーが盛んです。因みに、この川の水はしょっぱい汽水です。
小名木川の土手を行くと、ここにも石田波郷の句碑が有ります。「小名木川駅春の上潮曇るなり」
そして、隣に彼の活動とその当時の小名木川駅の写真が有ります。再び石田波郷と小名木川駅が繋がりました。
近くに、「稲荷通り商店街」が在ります。
「治兵衛稲荷」が在る商店街です。
その向かいに、「石田波郷記念館」の案内が有ります。
行ってみます。