前回の続きです。学生時代に住んでいたアパートを訪ねました。
タバコ屋を右折したら新装開店の釣具屋でした。卒業する先輩に誘われて、「新装開店バーゲン」の竿を買いました。学生のくせに変なモノを買ったものです。新幹線で持って帰って、帰省したときに使っていました。釣具屋はアパートになっています。まだ新しそうです。そうそう、此処は海から遠いです。商売になってたのでしょうか?
その向いの路地の奥に住んで居ました。全く景色が変わっています!路地も広くなっています。一帯を地上げして、マイカー用に道路を拡張したのでしょう。突き当りを左折してすぐの場所です。4年間住んで居ました。
ああやっぱり!釣具屋から路地を見た瞬間に覚悟していました。案の定、新しそうな住宅が建っています。
若岩荘は、木造モルタル造りの2階建てアパートでした。30部屋くらい在ったと記憶しています。4畳半一間に小さな流しが有って、ガス水道完備、共同洗濯場と共同トイレ、風呂無しでした。入居当初の家賃は月3000円で、2年目から5000円になりました。奨学金を月5000円貰っていたので、丁度住居代になっていた訳です。学食のサービス定食が100円の時代です。
当時の写真なんか有りません。もう数年早く来ていたら再会できていただろうこの家の新しさが寂しいです。
暫く佇んで駅に引き返します。タバコ屋の門を曲がります。
思い出しました!ここが本屋でした。4年間で100冊の現代小説本を読もうと通いました。
店構えが随分変わりましたが、今も本屋です。嬉しい!
この道を4年間往来しました。
この辺りに市場が在りました。
多分ここです!
今は自転車置き場ですが、奥に長い土地です。この左右に、小さな店が並んでいました。米屋が在って、田舎から出てきた時に米穀通帳を提示して、お米の購買先を確保しました。でも既にこの米の確保制度は形骸化していて、他の店でも米を買うことができました。それよりなにより、母親が米や日用品を送ってくれていたのと同時に、殆ど外食に頼っていたので、この地で米を買った経験は僅かです。
ここだったでしょうか?アパートの管理人の小父さんが亡くなって、小母さんが田舎に帰る時、私にカレーライスをご馳走してくれました。社会人ばかりの住人の中で、私だけが学生でした。何かと気にかけてくれていました。・・・もう故人ですね。
駅に戻りました。
次の思い出の場所を訪れます。