荒川三歩

東京下町を自転車で散策しています。

山谷労働者の周辺

2018年01月22日 | 散文
「日本キリスト教団日本堤伝導所センター」に山谷の再開発反対の垂れ幕が出されて久しいです。


建物脇では時々炊きだしが行われています。


伝導所センターの玄関には貼り紙が日焼けして色褪せています。
貼り紙には馴染みが無い言葉が並んでいます。

白手帳とは、
正式には「日雇い雇用保険手帳」ですが、表紙の色が白いのでこう呼ばれているようです。
引き続き貼り紙に記載の文言に触れます。
印紙を所定数貼れば失業手当(アブレ手当)を一定期間受給できるという、日雇い労働者の為の手帳です。
80年代にこの白手帳の支給認定が厳しくなり所有者が激減しました。原因は、認定に際して住民票の提出を義務付けた為です。日雇い労働者の多くが生活の中心としていた「ドヤ」は、宿泊施設としかみなされない為、たとえ生活実態の場がドヤであっても住民票を置くことを行政は認めません。
こういった事情がある為、ドヤ住まいの日雇い労働者やドヤへの支払いが厳しくて野宿になった人は、NPOや各種支援施設に住民票をひとまず置いて白手帳を確保した経緯があるそうです。
以上を知れば、貼り紙の内容が理解できます。


今の日本は企業収が好調です。
東京オリンピックを迎える経済活動も活発です。
でも昭和30年以降の高度成長時代の様な日本中で行われていた大規模な土木工事は無く、日雇い労働者を取り巻く環境に明るいものはありません。
昔からの労働者がそのまま高齢者となっています。
彼らはこの街以外に行く所はありません。
今日も山谷に救急車が来ています。


山谷の街で篤志家の支援が続いています。
ここは、「第二種社会福祉事業無料低額宿泊所」です。


「ナカヨシハイツ」や


「なかよしハウス」があります。


高齢と栄養不良で病気になりやすく、病気になっても貧困で医者に掛かれません。
「きぼうのいえ」があります。

医師や看護師の中には無給で治療を続けている人や、最期の看取りを続けている人が居ます。

前出の日本キリスト教団を初め、キリスト教関係の救済活動も続いています。
ここは聖フランシスコ教会です。


一般民家と同じ建物にあります。


「神の愛の宣教者会 山谷の家」です。


時々賛美歌が聞こえます。


「日本キリスト教団 山谷伝導所」です。




彼らの活動に敬意を払っています。


と同時に、この伝導所の色合いが気に入っている私です。



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