荒川三歩

東京下町を自転車で散策しています。

ふる里で突然思い出した事-1

2016年01月04日 | 散文
<タクシーで>
旧国道沿いにあるタクシー会社の営業所を見て、突然思い出した事があります。

数年前の事です。
タクシーに乗った時、運転手がルームミラーでチラチラと後ろの席の私を見ています。
やがて思い切った様子で彼が声を掛けて来ました。
「○○(私の名まえ)君じゃないん?」
その瞬間私にもピンと来ました。
「○○(彼の名まえ)君じゃない!」
小・中学校の同級生です。

目的地の今治駅に着くまで彼は、名物先生の話や、遠足の話や、懐かしい思い出を語ってくれます。
私が忘れていた事を思い出させてくれます。
彼の会社の社長が、かつて私と仲の良かった同級生だという事も教えてくれます。
目的地が近づいて来ました。
そろそろ話を締めるタイミングです。

私が言いました。
「小学校・中学校と9年間一緒の学校だったけど、結局一緒のクラスにならなかったね」
彼が答えました。
「何言うとん、3年・4年と一緒のクラスじゃったやろ!家にも遊びに行ったよ!」

・・・人がそれぞれ記憶している思い出の対象とその量は違うんですね。
彼の中の私と、私の中の彼との想い出の量が違っていました・・・。
○○君その節は、話が盛り上がった最後の最後に、がっかりさせてすみません。改めてお詫びするしかありません。
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