今朝は昨日と打って変わった春らしい陽気で、道路沿いの家々に咲く花を愛でながら駅まで歩いた。
医学部では何一つ経営のことは習わなかったし、内科の教室では開業すると聞いて先輩たちが患者が来るのと心配?してくれたのだが、何とか足掛け三十年つつがなく院長をやってきた。
診療はさておき、院長には経営手腕も少しは必要である。正直自信はなく大した才能はないようだが、物品を購入する時は複数社を競合させることが重要と学んだ。最低二社できれば三社の三つ巴で良い結果が得られる。勿論、価格だけでなく価格以外のサービス、担当者の人柄、院長や職員との相性などを勘案して購入先を決めると良い結果が得られる。
確かにそうではあるが、細かい物品をいちいち比べるのは面倒になりがちで、いつの間にか感じの良いT君の会社に殆どの物品を注文するようなことになりがちだ。潤滑に行っていてもできれば年一回少なくも二年に一回位は別口にも注文して時々価格を確かめないといつの間にか割高になっていることがある。
注射器、カテーテル、検査セットいった物品は月に数十万購入しているので、うっかりしていると数万の差が出てしまう。大体十万以上のものは見積もりを出させて競争させるようにしているが、微妙に差が出るものだ。車椅子を二台購入することにしたのだがB社は96000円、A社は88000円と出た。全く同じ車椅子ではないので単純に比較はできないが、定価からの値引き率はA社の方がかなり大きい。しかし次の対応でB社にした。つまり今までの古い車椅子を引き取ってくれるからだ。A社はうちはそういうことはしませんときた。廃車ならぬ廃車椅子に何ほどの費用が掛かるものか知らないが、買う方としてはそこまで面倒見て欲しい。
もう一つ書いておかねばならないことは、おじさんには厳しいことだが、医院は女性社会で彼女らに嫌われては勝ち目はない。ずいぶん昔だがコピー機を購入した。ファックス兼用の大きなものでお値段も安くない。値段性能にはさほどの差はなかったのだが、C社は汗掻きのニコチン臭ぷんぷんのおじさんで、受付の女の子に横柄?だったらしい。三人揃ってやってきてあの人が来るのは耐えられませんときた。勿論、C社は落選した。