駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

始めと終わりには神経を使う

2019年04月17日 | 診療

      

 

 私の医院は診察開始一時間前から受付を開けている。早く診て欲しい患者さんは本人や家族が順番を取りに来る。このコンピュータネットの時代にと言われるかもしれないが、患者さんには高齢者が多くネットで予約何それと言われてしまう。

 そのため来た順番に受け付けている。そのせいか日によって患者数が随分違う。天候の影響もあるが、同じような雨や快晴でも、50%くらい違うことはざらだ。患者さんは勝手だから混んでいれば待ち時間が長いと怒るし、空いていれば今日は休みかと思ったと感じの悪いことを平気で言われる。

 予約制を導入しようにも高齢者が多いので、予約を忘れた俺の私の予約はいつだっけと問い合わせが殺到しそうだし、予約を間違えて受診し後回しになったのを怒る人も居そうだしで、諦めている。

 余程混んでいても待たせる時間は一時間くらいで、総合病院の二時間三時間に比べれば可愛いものだと思うのだが、患者さんは医院で三十分以上待たされるとご不満のようだ。逆に待ち時間がなく着たらすぐ診察だと、来たばかりで一息ついてないと文句を言われる方も居る。医院はサービス業だから接遇が大切と言われるが、公平を原則としているので、無理な要求は笑顔でお断りしている。

 おそらくどこの医院も似たようなものと思うが、最初の三人くらい終わりがけの三人くらいは大体決まった患者さんだ。早い順番の人は前期高齢者の男性が多い。中には一番札病とでもいう患者さんも居て、今日は一番でなかったと機嫌が悪かったりする。最後の方は中年の女性が多い。早い方の患者さんは少々せっかち?くらいで気持ちよく診察出来ることが多いのだが、終わりがけの方は要注意だ。わざわざ終わりがけに来るのは、後ろに待っている患者さんが居ないので、時間を掛けて色々訴えようという魂胆があるからだ。訴えたいというのはとりもなおさず聞いて欲しいわけで、なかなか簡単に切り上げさせてくれない。

 こうした患者さんの他に最初と最後は重症患者さんが混じっていることも多く、飛行機と同じ離陸と着陸は要注意なのだ。

コメント
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