駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

用心棒が越権の観測気球?

2019年04月19日 | 小考

                

 

 萩生田幹事長代行が消費税増税延期の可能性を披歴した。何じゃこれはと奇妙に感じた。荻生田氏は安倍首相を支える鼎の一人で仁王さながら睨みを効かす強面の役回りのはず、こうした謀は鼎のもう一人、目端の利いた西村康利福官房長官の役回りと見ていたのだが、どうしたことか?。まさか面従腹背と言うことはないはず、鼎の要だが小回り機転の利かない菅官房長官を飛び越え勇み足で、観測気球を上げたのだろうか。独断とは思えない、機密度最高の跡を残さない忖度通信があったのだろう。

 荻生田氏は強面の重量級だが実は総身に知恵がよく回っていて、単なる力業の用心棒以上の才能があると診ている。どのような思惑があるのか解読が難しいが、波紋は確実に広がり、冷静を保ち挑発乗らないように努めている福山幹事長や孤軍奮闘血気盛んな玉木代表は揺れているようだ。

 いづれにしても加速度的に軽くなっているのは政治家の言葉だ。安倍首相が今回の消費税率アップに何と言っていたか、耳に胼胝ができるほど国民は聞いているはずだ。その言葉に照らせば転進の荻生田発言にはお咎めがあるはずで、そうでなければ以心伝心の観測気球となる。綸言汗の如しなど昭和の遺物と令和では三か月過ぎれば国民は忘れていると開き直って済ます用意があるのだろう。

 口では何とでも言える、言葉巧みの令言に幾多の善男善女が騙されてきたことだろう。神ならぬ人間の政治家には中々先のことは分からないのです、ここにきて不透明な米中対立、不安定な極東情勢、これはリーマン級の不安材料なのですと言う首相の声が聞こえてきそうだ。嘘つきと非難すれば鳩山管はもっと嘘つきだったと泥仕合嗜好の走狗が手ぐすねを引いて待っている。

コメント (2)
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