駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

街に八割の人出が戻ったが

2020年06月01日 | 医療

           

 

 昨日、久しぶりに街へ出かけた。大体いつもの八割の人出で、日常が戻りつつある感じがした。しかしマスク姿が多いせいか会話が少ないせいか、賑わいというか明るく華やかな感じは乏しく、財布の紐は未だ締まっている様子だった。

 天ぷら屋の女将の声はマスク越しでもいつものように良く通っていたが、七分の入りの客の会話が心なし小さく、我々も何となく静かに特製天丼を戴いた。いつものように旨かったが、お弁当ありますの張り紙にこれから大丈夫かなあという気がした。

 食べ物屋が七分の入りでやってゆけるものかよく知らないが、病院は大変らしい。大病院も独立採算の所は給料が下がると聞いている。ボーナスはかなり下がるらしい。公立病院も収入が二三割減っているようで、給料が減額されるかどうかは知らないが相当の赤字らしい。大変な思いをして新型コロナを入院させて、減収では泣きっ面に蜂だ。我々開業医も科によって大分違うが皆患者数が減って居る。小児科や耳鼻科は半減で苦しいらしい。もうやっていられない止めたという小児科が出ている。何でもワクチン専門のビル診療に切り替えるらしい。看護師はともかく事務員は再就職が容易ではないと思う。一体どうするのだろう。

 当院は掛かり付けの固定患者が多く、15%程度の患者数減少に留まっているが、多分僅かだが赤字になっていると思う。もう経営者ではないが、心配はしている。パート従業員の出勤日を少し減らしたようだが、お互いに辛いと思う。問題はボーナスのある今月で、相当の赤字になると思う。院長が心なしかイライラしているような感じがする。看護師は神経が太いのか余裕の仕事で楽なのか楽しそうにやっているのは救いだ。其処へ行くと事務の方はやはり僅かだがピリピリしている。

 新しい日常と言うのは簡単だ。それは生きてゆくために強いられたもので、受け入れて何とか楽しくやって行く覚悟をしている。唯、分かっているのに、未だ届かないご機嫌取りマスクを配るあなたに指導されたくないと感じる人は居るだろう。

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