駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

連休明けの朝はいすがし

2014年11月25日 | 世の中

           

 好天に恵まれた連休、地元でゆっくり、のんびり出来た。

 連休明けは朝から冷雨で、到着が遅れてしまった。気の早い患者さんが数名入り口にたむろしていた。急いで入り口を開けて入れてあげる。

 連休明けは郵便物が山のように来ている。開封するだけで一仕事だ。中に又、市の保健所からアンケートが来ている、今度は生活衛生課からだ。この前は県からだっけな、類似のアンケーとは相互で連絡して穴埋めをして欲しい。12月16日までにお返事をとあるが、一体何パーセントくらいの医院が返事を書いているだろう。六十パーセントとして、そのアンケート結果は分析してもあまり参考にならないだろう。返事をする診療所と返事をしない診療所では、かなりの違いがあると思われるからだ。今回は病診連携のアンケートであるが、返事をする医院はある程度実績があるだろうが返事をしない医院は実績が少ないと予想されるからだ。

 世論調査も大体50-60%の回答率だが、それにもかなりの偏りがありそうだ。その一つの証拠に調べる新聞社に依っていつも決まった偏りが認められる。

 行政のアンケートが無駄とは言わないが、参考程度にして戴かないと間違った方向に向かう恐れがあると思う。例えばこの病診連携のアンケート結果は多少割り引いて解釈した方がよいとアドバイスしておきたい。勿論、私は解答するが、その理由の一つに当院での実績がある。これだけやっていますよと知らせたい気持ちが湧くからだ。実績のない、あるいは少ない医院は書く気が起きにくいと思う。

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相性の問題だが

2014年11月24日 | 診療

             

 年に数人ご近所の先生から転院してくる患者さんが居る。色々な理由をおっしゃるのだが、中に前の先生は「おかしい」と言う患者さんがいる。そうかなあと思う。M先生は有能で如才ない人だ。確かにK先生はちょっと面倒くさがりだが、おかしいということはない。M先生は少し恐いところはあるがきちんとしている。まあこれは私の印象に過ぎないが、いずれにしても医師会の問題児ということはない。要するの相性が悪いのだ。そして相性の悪いのはどちらかと言えば患者さんの方に原因があるように感じることが多い。

 人間というものは自分が正しいと思いがちで、意見が合わなかったり言い分が通らないと相手が間違っていると判断してしまう。自己主張やこだわりの強い人ほどそういう傾向があるようで、あの先生はおかしいという患者さんは独特な自分の考えを持っておられる。どういうわけか、そうした患者さんは、特に歓迎していないのだが、当院に居着いてしまわれることが多い。こちらがそうした経緯を踏まえて、出来るだけ柔軟に対応するせいだろうか?。医者には接客業の側面があり、柳に風と対応するのがよいのだが、かなりの努力を要することもある。正直、ああまた来たかと思う患者さんが日に一二名おられる。相手にそれと悟らせないようになるには、かなりの修行が必要だ。

 年を取るとそうした対応が億劫になってくるのだが、幸い老医になるとだんだん本音でも角が立ちにくくなるところがあり助かっている。

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多和田葉子さんのイメージ

2014年11月23日 | 人物、女

               

 多和田葉子さんの名前は二十年以上前から存じ上げていたが、書かれたものを読むようになったのはこの一年ほどである。「溶ける街 透ける路」そして「「言葉と歩く日記」、この二冊によって私の繰り返し読む書き手に初めて女性が登場したことになる。小説は「尼僧とキューピッドの弓」を読んだだけで、本当の愛読者ではないかもしれないが、繰り返し読むので愛好者と言えば良いのかも知れない。

 女性なので画像を見たくなり、インターネットで拝見した。岸田劉生の麗子像にどこか似ていて、その後の麗子はこんな感じになるのだろうかと撓んだ印象を持っていたのだが、十一月十九日の日経の夕刊に詩や小説が持つ言葉の力と題して多和田さんが紹介されており、大きな写真が載っていた。今までの印象と違い、若々しく可愛い笑顔で、これが多和田さんなのだと嬉しくなってしまった。

 ますます、本格的なファンになってしまいそうである。

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どこが万歳か

2014年11月22日 | 小考

                                         

 

 安倍利安倍略の理解に苦しむ解散だ。万歳をしなかった議員もいたようだが、それがまともな感覚というものだろう。

 アベノミクス解散だそうだが、国民がどこまで安倍さんを見抜けるかが問われる選挙だと思う。背が高く声がよく通り、淀みなく話すことが出来る名優ではあるけれども、飾る言葉言いくるめる言葉の連続で、中身は乏しいのではないか。この二年の軌跡を振り返れば、衣の下の鎧が現れてきて、実は恐ろしい人のように思えてくる。

 批判に寛容ではないと思う。弱者に優しいとは思えない。敵味方を峻別する人に思える。自らアベノミクスとおっしゃるからには、アベノナカミを問うておられると若干の管見を書いてみた。

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医師の適正配置で

2014年11月21日 | 医療

       

 五百床の総合病院に何軒くらいの周辺医院がちょうど良いだろうか?。私は市場調査もせず、院長と反りの合わない病院ではやっていけないと、不動産屋に勧められて現地に独立したような人間なので、データを持ち合わせないが、恐らく百軒くらいの医院数が適当なのだろうと思う。

 現在日本でこの比率がどうなっているか、全国的な凹凸はどうかは知らないが、厚労省は把握していると思う。一般に病院は重い疾患難しい疾患を診るので患者一人当たりの医療費は全体では七、八倍、外来でも二倍程度と想像する。病院の外来患者の中には重症でも難病でもない患者が数多く紛れ込んでおり、その患者達に対する高めの医療費を医院に回すことによって減らし、同時に病院の医師の外来診療負担も減らそうという目論見があり、紹介状のない総合病院初診料が上がってきている。これは極めて妥当な施策で、風邪や高血圧症などで、総合病院を受診する必要性はどこにもない。

 それでも不思議なことに、このデパートが苦戦する時代に、遠い高い待たされる総合病院志向の患者がまだ結構残っている。まあ、しかし徐々に是正されてゆくとは思う。

 医師不足が叫ばれて久しい。県によっては、医学生に卒業して我が県で働いてくれるなら助成金を出しますよというところまである。しかし、実は医師不足のようでも本当に足りない数は、医大を増やすほどではないと想像する、医学部の定員を10-15%増やせば賄える数ではないだろうか。医師の偏在と潜在医師(女医)の増加が医師不足の大きな要因と思う。

 現在総合病院と医院の連携、病診連携という、が進んでいる。これが進んだのは総合病院に導入された紹介率という厚労省の施策が効いている。それは病院に受診する患者に医院からの紹介状を持つ者がどのくらいの割合で居るかで収益が変わる仕組み、これによって病院の目の色が変わり病診連携症例が増加した。インセンティブが物事を進めるのだ。そのことは政治家も官僚もよくご存のはずで、医師の偏在是正、潜在医師の掘り起こし、総合病院医院の適正な比率・・などを動かす政策を打ち出せれば、かなりの医師不足が解消され、医療費、医療関係費が減らせると思う。

 データなしの想像で書いたのでどこまで合っているか分からないが、通勤電車で座れず、つり革にぶら下がってかしましい女子高生のおしゃべりを耳にしながら考えた。

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