駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

人でしか伝えれないもの

2020年06月25日 | 人生

              

 

 患者さんを診る医師になるにはどうしてもある期間の修行が必要だ。それは今でも変わらないと思う。恐らく殆ど全ての仕事で一人前になるにはそうした時期が必須と思う。所謂、天才と呼ばれる人達、長嶋釜本羽生イチロー井山そして飛ぶ鳥を落とす勢いの藤井にしても、並のプロとは違っても完全な独学ではないと思う。井山などは石井先生の指導が力あったのは周知の所だ。勿論、才能を引き出し磨いた側面が大きく指導とは少し違うかも知れない。しかし、それでも本からの知識や自己流の練習では一人前になるのは難しいと思う。

 自分の仕事で言えば教科書からの知識ではどんな秀才でも、患者を前にすると何だか違うと感じて戸惑うはずだ。いいや俺は独力で一人前になったと威張る医師は相当な犠牲者を出しているはずだ。先輩というか直接の上司の指導というのは個性、実力差があるし相性もあるから反面教師になってしまう場合もあるが、直接先輩上司からでないと学べない部分は大きいと確信している。

 人生に於いて上司の運不運は大きく、特に最初の先輩指導者はその後の仕事人生に影を落としたり光を与えたりする。

 なぜそうなのか、私が思うに本から得た知識では分からない部分があるからだと思う。職種によって知識の占める部分の大きい小さいはあるにしても、現場実地で初めて分かる成る程というものがある。おそらくそれは言語化しにくい要素が仕事にはあるからだと思う。身体を使う場合だけでなく脳味噌を使う場合もだ。

 勿論、薫陶というものもあり、それはじわりと効いてくる。

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日本で一番必要な政治改革は議員削減

2020年06月24日 | 町医者診言

            

             

 

 国会議員が多過ぎる。参議院百人 衆議院二百五十人 これで十分。己の名誉と身内の損得第一で仲間優先異論排除で蠢くような議員は減るだろう。国会や委員会で議員が座る間隔も開けることが出来、新型コロナ対策にもなる。官僚に答案を作って貰い棒読みするような議員は落第させて欲しい。責任を感じても責任を取らない議員は降格させること。何も難しいことではない、民意を反映させるだけのこと。

 国会の休みは夏休み一ヶ月半、冬と春に一ヶ月の休みで十分。

 情報は軍事外交秘密以外は全て公開すること、軍事外交の秘密の判定は国会議員を含む複数で判定すること。

 そうでもしないと政治不信が治らない。

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眼鏡が先かマスクが先か

2020年06月23日 | 診療

                

 

  院内で唯一安倍のマスクを使用している。遠近の眼鏡を掛けているが、細かい字を読む時には眼鏡を外す。そうするとマスクのゴムが引っかかることがある。どうも順序としては逆だがマスクをしてから眼鏡を掛けた方が引っかかる度合いが少ないようだ。もう六十年眼鏡を掛けているから、眼鏡は顔の一部になっているが、眼鏡を掛けたり外したりの頻度が増えると少々煩わしい。

 未だ耳の方は、勿論聴力は落ちてきているが、会話には不自由しないので有り難い。患者さんの中には高齢で聴力が落ちている方も多く、大声を出したり何度も同じことを繰り返し言わなければならないので疲れる。これは眼鏡の掛け外しよりも負担に感じる。拡声器を使っては中待合まで聞こえてしまう。同じ悩みを持つ診療所は多いはずだが、どうも名案はないようだ。

 補聴器は随分進歩したが、性能は眼鏡には及ばず値段が高い。ワクチン開発と同じくらい開発に力を注いで欲しい。恩恵を受ける人は世界で億居るだろう。それに耳目の衰えは人生の楽しみを奪い、認知を進めるからそれに対する効果も大きいと思う。

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パート勤務高齢者の生活

2020年06月22日 | 身辺記

              

 

 一昨日土曜の夜は外食をした。一応三年ばかり修行しましたという脱サラお兄さんの店でややあっさり系にアレンジした中華を出す。我々の口に合い二か月に一度ぐらい訪れる。コロナで久し振りだったのだが、混んでおり三密のカウンター席に案内された。お隣の酔ったお姉さんの演説を聴きながらぼそぼそと家内と話をしたのだが、はっきり言って喧しかった。どうして酔っ払うと声が大きくなって傍若無人によく喋るのだろう。アラフォー女性特有の半径五十メートルの話で、家庭の事情まで聞かせて貰った。犬の話が出てきたので聞いてみたいこともあったのだが、店で上手く知らない隣の話に割り込む才能がなく、黙って聞いていた。

 もう一度犬を飼ってみたいと思うのだが踏ん切りが付かない。飼い主の方が先に逝ってしまっても困るし、ペットが先でも弱ったペットの面倒を見る体力が残っているだろうかと考えてしまうのだ。其処へ行くと野菜作りは実用も兼ねて気軽だ。茄子と胡瓜を植えて面倒を見ている、と言っても水をやるだけ。もう二個二本ばかり収穫したが、中々美味しかった。ブルーベリーも買ってきて植えてあるがこちらの方は二三年がかりだし、結構難しそうだ。あまり育ちが良くない。欲張って梨と桜んぼも植えた。こちらは元気よく葉が出ているから三年もすれば実が成るだろう?。

 絵の方は腕が上がったらしく、食べ物を上手く?描けるようになった。同じクラスの同年配の女性連中が早いわねえと感心する。早く描けるというのは褒め言葉なのだろうか。先生まで美味しそうですねと言ってくれる。人物画より静物画の方が向いているようだ。プリンはほぼ完成、盛岡のコーヒー店で撮ったのを描いてみた。

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ジャックアタリの言葉

2020年06月21日 | 世界

     

 

 ジャックアタリという学者が居る。新型コロナ禍にどう対峙するか書いている。

 新たな人との距離の発見、生き方の変化、人生は短い不要なものを買い不要なことをしているのに気付くこと、利潤を離れた普遍的価値の重要性に気付くこと、透明性の大切さ、未来に備える重要性、世界の一体性を再認識すること。新聞記事を更に短く主要論点だけ書き出したので覚束ないが、真っ当で正鵠を射たことを指摘されていると思う。

 詳しくは知らないがジャックアタリは多様な才能の持ち主で経済学者思想家作家政治顧問として活躍してきた。日本にはこういう知性の巨人で象牙の塔に籠もらず現実の世界にも深く関わった人は居ないような気がする。可能性を持った人は何人か居たように思うが、日本社会の懐はあまり深くなく、芽を摘んできたように観測している。

 異論や失敗を叩くばかりでなく優れた人を見出し育む社会を醸成しないとコロナ禍は乗り越えられない。勿論、見た目目先口先だけの人を淘汰する眼力も必要だ。

 ジャックアタリが指摘するように人生は短い(私の場合は文字通り)本当に大切なものはなにかと後期高齢を目前に考えている。グローバル化は間違いという議論も多いが、恐らく世界の一体性とグローバル化反省転換は私には良くわからないが、矛盾せずどこかで繋がって居るのだろう。

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