みなさま、こんにちは。
前回の「カルチャーの現場から」の投稿に、大きな反響をいただきました。
実際に、講座内容も迫力ある、すばらしいものでしたので、その概要を報告します。
「迫真 国際ルポルタージュの軌跡 #中村哲さん殺害事件」講座。
講師は、朝日新聞記者(現・福井総局長)の乗京真知さんです。
講座が始まる前、乗京さんと、講座の流れを打ち合わせました。
多くのご質問・幅広いご関心に応えるため、「講義後の質問時間を長めにとりたい」とお願いしたとき。乗京さんは、(「講座後」ではなく)「講座中に、複数入れてもいいですか」。
受講される方の理解に合わせて講座を進めるため、関心に合わせてその後の講座を広げるため、です。
「取材力は人間力」との言葉をよく聞きましたが、これだけの取材力の背景にある乗京さんの人間力を実感しました。
実際、講座中に多くの質問が続き、熱を帯びた講座になりました。
講座では、冒頭に「読者のみなさまの名代として、現場に立つ」「歴史を刻む覚悟を持って、調べを尽くす」という乗京さんの取材の軸を開示。
その軸に沿って、今回の国際事件の取材・真相がひもとかれます。
まず、事件の概要を説明。
ここでアフガニスタンという国の実際、事件現場の地理的意義も解説されます。
いよいよ、乗京さんの取材が始まります。
乗京さんがどこでどう取材したか。
現場でどう考えたのか。
一つひとつの説明に、聴いているわれわれも、まるで取材チームの一員として取材報告を受けているような臨場感でした。
「証言」を得る。
それを支える「物証」をさがし、つかむ。
そうするとさらに「証言」を。
「この数珠つなぎだ」と、説明なさいました。
「証言」をポテトチップスに、「物証」をチョコレートに例え、「ポテトチップスを食べると、チョコレートが食べたくなる。そしてまたポテトチップスが。この二回目のポテトチップスは最初とは別の味がする」。
この連続でファクトを積み上げ、取材方針を定め、ときには構え直して、真相に近づいていく。
その「数珠」の途中で、「ドクター・ナカムラを殺してしまった、と話している男がいる」との情報をつかみます。
そのときの感想として、<やった!>ではなく、<やれやれ>だったそうです。
情報をつかんだ以上、しっかり取材する。しかし、それは「フェイクであること」を確認する作業になるーー。そういう経験を重ねてこられたからです。
「そもそも実在する人物なのか」というところからスタートします。
取材を重ね、物証も押さえていく「数珠つなぎ」が始まります。
そして、「その人物が死んだ」との情報が。
その人物について、取材は進んでいます。
それらの事実を踏まえた、疑問が生まれます。
「そもそも捜査当局は、逮捕する気があったのか」。
そこからの講座は、まさに迫真。
アフガニスタンとその人物が所属する組織の関係。
アフガニスタン当局とパキスタン当局そして、その組織の結びつき。
そして共犯者の特定に向けた取材。
いよいよ事件の核心に入ります。
なぜ、中村哲さんは殺害されたのか。
なぜ、この時期だったのか。
丁寧な取材のなか、事件が予見されていたこともつかみます。
「遺族」について話す乗京さんの言葉が、熱を帯びます。
「原因究明は再発を防ぐ原点」。
そして静かに、講座が終わりました。
講座終了後もしばらく、席を立つ人はいませんでした。
一人ひとりの質問に、乗京さんは丁寧に答えてくれました。
受講くださった方々のご依頼を受けて、乗京さんが著書にサインしてくださいました。
そのときに記した言葉が「理不尽に抗う」。
本取材において意識なさった言葉、とのことでした。
乗京さんは6月5日にも、「迫真 国際ルポルタージュの軌跡」講座を行ってくださいます。
6月のテーマは、「金正男氏暗殺事件」。
金正恩・朝鮮労働党総書記の異母兄である金正男氏が、マレーシア・クアラルンプール国際空港で猛毒のVXを顔に塗りつけられて殺害。
この事件も、未解決のままです。
なぜ逮捕できないのか。
「真犯人」は誰なのか。
政府間での威厳をかけた綱引きの内容そして結果は。
「迫真、国際ルポルタージュの軌跡」講座の最終回です。
よろしければぜひ、お聴きください。
朝日カルチャーセンター関西4教室では、他にも魅力的な講座がたくさんご用意しています。
(中之島、京都、くずは、川西)のホームページをぜひ、のぞいてみてください。
前回の「カルチャーの現場から」の投稿に、大きな反響をいただきました。
実際に、講座内容も迫力ある、すばらしいものでしたので、その概要を報告します。
「迫真 国際ルポルタージュの軌跡 #中村哲さん殺害事件」講座。
講師は、朝日新聞記者(現・福井総局長)の乗京真知さんです。
講座が始まる前、乗京さんと、講座の流れを打ち合わせました。
多くのご質問・幅広いご関心に応えるため、「講義後の質問時間を長めにとりたい」とお願いしたとき。乗京さんは、(「講座後」ではなく)「講座中に、複数入れてもいいですか」。
受講される方の理解に合わせて講座を進めるため、関心に合わせてその後の講座を広げるため、です。
「取材力は人間力」との言葉をよく聞きましたが、これだけの取材力の背景にある乗京さんの人間力を実感しました。
実際、講座中に多くの質問が続き、熱を帯びた講座になりました。
講座では、冒頭に「読者のみなさまの名代として、現場に立つ」「歴史を刻む覚悟を持って、調べを尽くす」という乗京さんの取材の軸を開示。
その軸に沿って、今回の国際事件の取材・真相がひもとかれます。
まず、事件の概要を説明。
ここでアフガニスタンという国の実際、事件現場の地理的意義も解説されます。
いよいよ、乗京さんの取材が始まります。
乗京さんがどこでどう取材したか。
現場でどう考えたのか。
一つひとつの説明に、聴いているわれわれも、まるで取材チームの一員として取材報告を受けているような臨場感でした。
「証言」を得る。
それを支える「物証」をさがし、つかむ。
そうするとさらに「証言」を。
「この数珠つなぎだ」と、説明なさいました。
「証言」をポテトチップスに、「物証」をチョコレートに例え、「ポテトチップスを食べると、チョコレートが食べたくなる。そしてまたポテトチップスが。この二回目のポテトチップスは最初とは別の味がする」。
この連続でファクトを積み上げ、取材方針を定め、ときには構え直して、真相に近づいていく。
その「数珠」の途中で、「ドクター・ナカムラを殺してしまった、と話している男がいる」との情報をつかみます。
そのときの感想として、<やった!>ではなく、<やれやれ>だったそうです。
情報をつかんだ以上、しっかり取材する。しかし、それは「フェイクであること」を確認する作業になるーー。そういう経験を重ねてこられたからです。
「そもそも実在する人物なのか」というところからスタートします。
取材を重ね、物証も押さえていく「数珠つなぎ」が始まります。
そして、「その人物が死んだ」との情報が。
その人物について、取材は進んでいます。
それらの事実を踏まえた、疑問が生まれます。
「そもそも捜査当局は、逮捕する気があったのか」。
そこからの講座は、まさに迫真。
アフガニスタンとその人物が所属する組織の関係。
アフガニスタン当局とパキスタン当局そして、その組織の結びつき。
そして共犯者の特定に向けた取材。
いよいよ事件の核心に入ります。
なぜ、中村哲さんは殺害されたのか。
なぜ、この時期だったのか。
丁寧な取材のなか、事件が予見されていたこともつかみます。
「遺族」について話す乗京さんの言葉が、熱を帯びます。
「原因究明は再発を防ぐ原点」。
そして静かに、講座が終わりました。
講座終了後もしばらく、席を立つ人はいませんでした。
一人ひとりの質問に、乗京さんは丁寧に答えてくれました。
受講くださった方々のご依頼を受けて、乗京さんが著書にサインしてくださいました。
そのときに記した言葉が「理不尽に抗う」。
本取材において意識なさった言葉、とのことでした。
乗京さんは6月5日にも、「迫真 国際ルポルタージュの軌跡」講座を行ってくださいます。
6月のテーマは、「金正男氏暗殺事件」。
金正恩・朝鮮労働党総書記の異母兄である金正男氏が、マレーシア・クアラルンプール国際空港で猛毒のVXを顔に塗りつけられて殺害。
この事件も、未解決のままです。
なぜ逮捕できないのか。
「真犯人」は誰なのか。
政府間での威厳をかけた綱引きの内容そして結果は。
「迫真、国際ルポルタージュの軌跡」講座の最終回です。
よろしければぜひ、お聴きください。
朝日カルチャーセンター関西4教室では、他にも魅力的な講座がたくさんご用意しています。
(中之島、京都、くずは、川西)のホームページをぜひ、のぞいてみてください。
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