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私の愛聴盤 (第28回)

2013-12-12 | 私の愛聴盤
第28回は、ジャッキー・バイヤードの「エクスペリエンス」です。

ジャッキー・バイヤード(JAKI BYARD) 1922年6月15日 - 1999年2月11日 
マサチューセッツ州ウスター生まれ
元来ピアニストでありながら、トランペット、トロンボーン、ギター、ドラムス、それにサックスも吹く多芸の持ち主でした。
本職のピアノ演奏スタイルはというと、ファッツ・ウォーラーやアール・ハインズのように、と思えば次はバド・パウエル、はてはエロール・ガーナーまでと幅広く、ラグタイムからスイング、ビ・バップ、ファンキー、フリーまで、何でも上手にこなす特異な演奏家でした。
またサラ・ヴォーンやクリス・コナーの歌伴の他、チャーリー・ミンガス、ブッカー・アーヴィン、エリック・ドルフィー等のツワモノとの共演も数多く、自己のトリオより共演盤のほうが沢山残されています。

そのような経歴のピアニストが、これまた一筋縄ではいかないリード楽器奏者のローランド・カークと共演したのが、今回のアルバムです。
「EXPERIENCE」 PRESTIGE 7615
   
1. PARISIAN THOROUGHFARE
2. HAZY EVE (*)
3. SHINE ON ME
4. EVIDENCE
5. MEMORIES OF YOU (*)
6. TEACH ME TONIGHT
JAKI BYARD(p) ROLAND KIRK(ts, cl, manzello, whistle, kirkbam) 
RICHARD DAVIS(b) ALAN DAWSON(ds)  録音1968年9月17日

ピアニストの名前はJAKIの綴りで、これでもジャッキーと読みます。
(*) の付いた2、5曲目は、最初がリチャード・デイビス、後がローランド・カークとのデュオです。

そして内容ですが、1曲目の巴里の舗道は、バド・パウエルのペンによるもので、ブラウン~ローチ・クインテットの演奏で有名です。
ここではイントロで、街の騒音を模写した音をカークが出しています。
2曲目はガラッと替わって、ジャッキーのオリジナルで、重厚なベース音に乗り、自身の端正なピアノを聴くことができます。
3曲目はゴスペル調の曲で、カークは珍しくクラリネットも吹いています。
4曲目はセロニアス・モンクの代表曲で、かなりフリーな演奏です。
5曲目はユービー・ブレイクのペンによるベニー・グッドマンのお得意曲ですが、同じ様にスイング・スタイルで演奏しています。
6曲目の最後は、カークのオーソドックスなテナーと、ジャッキーのエロール・ガーナーばりの楽しい演奏で締めくくられています。

全6曲はいずれも変化に富んだ構成で、聴くたびに新鮮さを味わうことが出来る「これぞモダン・ジャズ」という、内容の濃いアルバムだと思います。

コメント
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