これはオランダでのビル・エヴァンス・トリオによるライブ録音ですが、1972年のエヴァンスにはオフィシャルの録音が無く、この音源についてもこれまではCDでしか聴くことができませんでした。
それが今年に入って近日中に発売されると発表があったものの、その後に発売時期未定のアナウンスもありましたが、ここにきてアナログ専門レーベルから発売されました。
「MOMENTUM」 Music On Vinyl MOVLP 3742
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/47/be/99906d5dba52c896e3d806552f346414_s.jpg)
Disc 1
1. Re: Person I Knew
2. Elsa
3. Turn Out The Stars
4. Gloria’s Step
5. Emily
6. Quiet Now
Disc 2
1. My Romance
2. Sugar Plum
3. The Two Lonely People
4. Who Can I Turn To
5. What Are You Doing The Rest Of Your Life
6. Nardis
Bill Evans (p) Eddie Gomez (b) Marty Morell (ds)
録音 1972年2月4日
これはステレオ録音で、ビル・エヴァンスが右チャンネル、エディ・ゴメスが左チャンネルに位置し、マーティ・モレルは中央後方に定位していて、エヴァンスとゴメスのデュオにモレルがおまけで加わっているような音採りとなっていて、エヴァンスのピアノはクリアで冴え渡っていて、録音バランスのせいかゴメスのべースがやけに際立って聞こえます。
1曲目の「Re: Person I Knew」は、リヴァーサイド盤の「Moonbeams」での演奏が一番好きですが、拍手に続いて静かにスタートするこのアルバムの演奏も良く、相方を務めるエディ・ゴメスは、リズムを刻まずピアノに対峙して会話するが如くプレイしていてこの美しいメロディの曲が素晴らしい仕上がりとなっています。
同じく、スコット・ラファロの「Gloria’s Step」も、正にゴメスが幅を利かせたソロを展開していて、まるでラファロに対抗しているような張り切りようのプレイを展開しており、マーティ・モレルのドラミングもソロも冴え渡っています。
エヴァンスのナンバーとしては過去から数多くの名演を残している「My Romance」は、テーマの前にピアノによる導入部があり、インテンポに入ってテーマを演奏した後は、マーティ・モレルのブラシを中心にしたドラム・ソロとエディ・ゴメスのベース・ソロが3度に渡って交互に続きますが、その後のエヴァンスのソロを挟んで再びドラム・ソロとなることから、この曲はマーティ・モレルが主役となっています。
「Sugar Plum」では、エヴァンスの高音部を生かしたソロと、それに対応したゴメスのスケールを中心とした音取りのバランスが見事で、後半でのベース・ソロも前の雰囲気を踏襲しています。
「The Two Lonely People」の演奏の主役はエディ・ゴメスで、ピチカットによる流れるようなスムースのソロが見事で、続く「Who Can I Turn To」も、ゴメスのソロ・スペースが大きく与えられていますが、後半では比較的早いテンポの中でエバンスがそれに負けじと張り切ったソロで応えています。
その中で「Emily」や「What Are You Doing The Rest Of Your Life」は、エヴァンスの端正なソロを聴くことができます。
最終曲の「Nardis」では、リヴァーサイドの名盤である「Explorations」でのスコット・ラファロの演奏を意識したかのようなゴメスのプレイが展開されますが、惜しむらくは、ゴメスのロング・ソロが終わって、エヴァンスに引き継いで、演奏が最高潮に達したところでフェイドアウトしてしまっているところで、恐らく録音テープの残量がそこまでだったのかと思われます。
なお、上記のオランダでのライブの2日後(2月6日)にはパリでのライブ盤(2枚)があり、こちらはモノラルによる好録音で、3者のバランスも良く、エディ・ゴメスのベースも強調されることなく、自然な音として収録されています。
冒頭に司会者のメンバー紹介があり、上記の蘭録音と同じく「Re:Person I Knew」でスタートします。
「LIVE IN PARIS 1972 Vol.1 & 2」 WOTRE MUSIC FC 107 & FC114
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/3d/ce/48fb0d869d2ffe85e37281f41fd6e3c4_s.jpg)
そしてこの年は、同じパリで12月17日のライブ盤も残されています。
「LIVE IN PARIS 1972 Vol.3」 WOTRE MUSIC FC 125
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/5a/72/35425160b4d583aad13e96462a10131c_s.jpg)
パリ録音の3枚のアルバムには、冒頭掲載のライブで演奏された12曲のうち「Naedis」を除く11曲が網羅されており、同じメンバーでの演奏を比較して聞いてみる楽しさもあります。
それが今年に入って近日中に発売されると発表があったものの、その後に発売時期未定のアナウンスもありましたが、ここにきてアナログ専門レーベルから発売されました。
「MOMENTUM」 Music On Vinyl MOVLP 3742
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/53/07/a146c1153a7c22eed8d45df64cc9a5cc_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/42/fe/3568771f5a0ae12403aa4b9b8fc6a7c8_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/47/be/99906d5dba52c896e3d806552f346414_s.jpg)
Disc 1
1. Re: Person I Knew
2. Elsa
3. Turn Out The Stars
4. Gloria’s Step
5. Emily
6. Quiet Now
Disc 2
1. My Romance
2. Sugar Plum
3. The Two Lonely People
4. Who Can I Turn To
5. What Are You Doing The Rest Of Your Life
6. Nardis
Bill Evans (p) Eddie Gomez (b) Marty Morell (ds)
録音 1972年2月4日
これはステレオ録音で、ビル・エヴァンスが右チャンネル、エディ・ゴメスが左チャンネルに位置し、マーティ・モレルは中央後方に定位していて、エヴァンスとゴメスのデュオにモレルがおまけで加わっているような音採りとなっていて、エヴァンスのピアノはクリアで冴え渡っていて、録音バランスのせいかゴメスのべースがやけに際立って聞こえます。
1曲目の「Re: Person I Knew」は、リヴァーサイド盤の「Moonbeams」での演奏が一番好きですが、拍手に続いて静かにスタートするこのアルバムの演奏も良く、相方を務めるエディ・ゴメスは、リズムを刻まずピアノに対峙して会話するが如くプレイしていてこの美しいメロディの曲が素晴らしい仕上がりとなっています。
同じく、スコット・ラファロの「Gloria’s Step」も、正にゴメスが幅を利かせたソロを展開していて、まるでラファロに対抗しているような張り切りようのプレイを展開しており、マーティ・モレルのドラミングもソロも冴え渡っています。
エヴァンスのナンバーとしては過去から数多くの名演を残している「My Romance」は、テーマの前にピアノによる導入部があり、インテンポに入ってテーマを演奏した後は、マーティ・モレルのブラシを中心にしたドラム・ソロとエディ・ゴメスのベース・ソロが3度に渡って交互に続きますが、その後のエヴァンスのソロを挟んで再びドラム・ソロとなることから、この曲はマーティ・モレルが主役となっています。
「Sugar Plum」では、エヴァンスの高音部を生かしたソロと、それに対応したゴメスのスケールを中心とした音取りのバランスが見事で、後半でのベース・ソロも前の雰囲気を踏襲しています。
「The Two Lonely People」の演奏の主役はエディ・ゴメスで、ピチカットによる流れるようなスムースのソロが見事で、続く「Who Can I Turn To」も、ゴメスのソロ・スペースが大きく与えられていますが、後半では比較的早いテンポの中でエバンスがそれに負けじと張り切ったソロで応えています。
その中で「Emily」や「What Are You Doing The Rest Of Your Life」は、エヴァンスの端正なソロを聴くことができます。
最終曲の「Nardis」では、リヴァーサイドの名盤である「Explorations」でのスコット・ラファロの演奏を意識したかのようなゴメスのプレイが展開されますが、惜しむらくは、ゴメスのロング・ソロが終わって、エヴァンスに引き継いで、演奏が最高潮に達したところでフェイドアウトしてしまっているところで、恐らく録音テープの残量がそこまでだったのかと思われます。
なお、上記のオランダでのライブの2日後(2月6日)にはパリでのライブ盤(2枚)があり、こちらはモノラルによる好録音で、3者のバランスも良く、エディ・ゴメスのベースも強調されることなく、自然な音として収録されています。
冒頭に司会者のメンバー紹介があり、上記の蘭録音と同じく「Re:Person I Knew」でスタートします。
「LIVE IN PARIS 1972 Vol.1 & 2」 WOTRE MUSIC FC 107 & FC114
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/0f/b6/10876277574bae5d5cc989213bbb9b0b_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/1c/a9/73e1b6e5200badea28733514e1e45766_s.jpg)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/3d/ce/48fb0d869d2ffe85e37281f41fd6e3c4_s.jpg)
そしてこの年は、同じパリで12月17日のライブ盤も残されています。
「LIVE IN PARIS 1972 Vol.3」 WOTRE MUSIC FC 125
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/7e/16/f8fb307d4a184745e37aad938fad3908_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/5a/72/35425160b4d583aad13e96462a10131c_s.jpg)
パリ録音の3枚のアルバムには、冒頭掲載のライブで演奏された12曲のうち「Naedis」を除く11曲が網羅されており、同じメンバーでの演奏を比較して聞いてみる楽しさもあります。