第168回は3人のユニットによるE E U (EVOLUTION ENSEMBLE UNITY)の演奏集です。
「CONCRETE VOICES」 EEU 001
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1. BRILLIANT CORNERS
2. DROPS
3. BONE
4. DRIFT
5. STONE BLUES
6. CONCRETE VOICES
高木元輝 (reeds, perc) 近藤等則 (tp, a-ph, perc) 吉田盛雄(b, perc)
録音 1976年9月24日、11月2日
このアルバムはステレオ録音で、3人の配置は中央に吉田のベース、左寄りに近藤のトランペット、右寄りに高木のリードとなっています。
A面5曲の内容ですが、セロニアス・モンクの「BRILLIANT CORNERS」で、高木はアルト・クラリネットを吹いていて、4つを刻むベースの上を近藤と高木がユニゾンでテーマを吹いた後、数コーラスを自由な発想で表現し、各々のアドリブへと進行して行きます。
アドリブの先発は近藤が、続いて高木、最後は吉田のベースでテーマに返るというオーソドックな受け渡しとなっていますが、アドリブ部分はフリーでありながらとてもシンプルな演奏となっており、最後に登場する吉田のベース・ソロは4つを刻む音の中で力強さを感じます。
また「DROPS」は、ボーイングで複数の音を同時に出し、底を這うように進行していく上を2人がタンギングで対話しており、S.レイシーの「BONE」は、マーチ風にアレンジして軽快に進行し、後半においては一定のリズムを刻むベースとは対照的に、2管は不協和音で絶叫しています。
参加者全員のクレジットによる「DRIFT」はノン・リズムの演奏で、ベースのボーイングが全体を支配しており、その上を管楽器が絞り出すように音を放出しているし、「 STONE BLUES」は、一転して早いテンポとなりますが、ここでもベースが曲をリードしており、いずれも短い演奏ながら変化に富んで充実した連想となっています。
このアルバムのもう一つの聴きものは、タイトル曲の「CONCRETE VOICES」で、B面全体を占め24分を越えるライブ演奏において、3人がそれぞれのパフォーマンスを繰り広げていますが、そこは実力者たちであり、単なるでたらめとは違い音も洗練されており長さを感じさせることなく、フリージャズとはいえ聴き手にとっても心地よさが残る演奏となっています。
全体を通して、3人の実力者によるテクニックもさることながら録音が素晴らしく、各楽器の特徴も上手く表現されていて、聴く度に新しい発見があります。
「CONCRETE VOICES」 EEU 001
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1. BRILLIANT CORNERS
2. DROPS
3. BONE
4. DRIFT
5. STONE BLUES
6. CONCRETE VOICES
高木元輝 (reeds, perc) 近藤等則 (tp, a-ph, perc) 吉田盛雄(b, perc)
録音 1976年9月24日、11月2日
このアルバムはステレオ録音で、3人の配置は中央に吉田のベース、左寄りに近藤のトランペット、右寄りに高木のリードとなっています。
A面5曲の内容ですが、セロニアス・モンクの「BRILLIANT CORNERS」で、高木はアルト・クラリネットを吹いていて、4つを刻むベースの上を近藤と高木がユニゾンでテーマを吹いた後、数コーラスを自由な発想で表現し、各々のアドリブへと進行して行きます。
アドリブの先発は近藤が、続いて高木、最後は吉田のベースでテーマに返るというオーソドックな受け渡しとなっていますが、アドリブ部分はフリーでありながらとてもシンプルな演奏となっており、最後に登場する吉田のベース・ソロは4つを刻む音の中で力強さを感じます。
また「DROPS」は、ボーイングで複数の音を同時に出し、底を這うように進行していく上を2人がタンギングで対話しており、S.レイシーの「BONE」は、マーチ風にアレンジして軽快に進行し、後半においては一定のリズムを刻むベースとは対照的に、2管は不協和音で絶叫しています。
参加者全員のクレジットによる「DRIFT」はノン・リズムの演奏で、ベースのボーイングが全体を支配しており、その上を管楽器が絞り出すように音を放出しているし、「 STONE BLUES」は、一転して早いテンポとなりますが、ここでもベースが曲をリードしており、いずれも短い演奏ながら変化に富んで充実した連想となっています。
このアルバムのもう一つの聴きものは、タイトル曲の「CONCRETE VOICES」で、B面全体を占め24分を越えるライブ演奏において、3人がそれぞれのパフォーマンスを繰り広げていますが、そこは実力者たちであり、単なるでたらめとは違い音も洗練されており長さを感じさせることなく、フリージャズとはいえ聴き手にとっても心地よさが残る演奏となっています。
全体を通して、3人の実力者によるテクニックもさることながら録音が素晴らしく、各楽器の特徴も上手く表現されていて、聴く度に新しい発見があります。