第195回は、エリック・アレキサンダーの比較的初期の作品です。
日本録音盤で、アルファ・ジャズ・レーベルからは「Man With A Horn」に続く第2作目となります。
「HEAVY HITTERS」 ALFA JAZZ ALJB - 7505
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1. MR. STITT
2. THIS ONE'S FOR MY LOVE
3. GUESS I'LL HANG MY TEARS OUT TO DAY
4. MR. JOHNSON
5. MAYBE SEPTEMBER
6. ON A SLOW BOAT TO CHINA
Eric Allexander (ts) Harold Mabern (p) Peter Washington (b) Joe Farnsworth (ds)
録音 1997年12月17, 18日
このレーベルの1作目はニューヨークのクリントン・レコーディング・スタジオで収録されていましたが、こちらの第2作は、ルディ・ヴァンゲルダーによって自身のスタジオで録音されたもので、デビュー当初からピアノを担当しているハロルド・メイバーンが参加しています。
そのメイバーンの作曲による「MR. STITT」からスタートし、少し早めのテンポにおいて、エリックのイマジネーションたっぷりのソロと、メイバーンの快調なピアノ・プレイ、それにピーター・ワシントンのベース・ソロが味わえ、最後はエリックとドラマーのジョン・ファンズワースの4小節交換で締めくくっています。
このアルバムで唯一エリックのオリジナルである「THIS ONE'S FOR MY LOVE」については、2小節を1区切りとしたリズム・パターンによるテーマで変化を付けていますが、ベテランによるリズム陣のサポートに助けられた演奏の様に聞こえます。
「 GUESS I'LL HANG MY TEARS OUT TO DAY」は、ピアノとのデュオで、エリックの歌うようなバラード・プレイにおいて、実力を遺憾なく発揮した演奏となっています。
ハロルド・メイバーンの2つ目のオリジナルである「MR. JOHNSON」に至っては、3拍子の曲でリズムが強烈な上にソロで作者が激しく鍵盤を叩くプレイがすごいと思って聴いていると、続いてのエリックはそれに負けじとコルトレーン張りの強烈なブローで対抗しています。
また「MAYBE SEPTEMBER」は、ラッセル・ローズ監督の映画「オスカー」の挿入歌で、映画の中ではトニー・ベネットが歌っていますが、このアルバムではエリックの美しいバラード演奏が堪能出来ます。
最終曲の「 ON A SLOW BOAT TO CHINA」は、ソニー・ロリンズやフィル・ウッズによる名演奏を思い浮かべながら聴こうとすると肩透かしを食らうほど猛スピードで突っ走っていて、最後はドラムソロを経てテーマに戻りますが、一瞬たりとも息を抜けない5分15秒となっています。
なお全6曲において、演奏の終わりにエリックのテナー・サックスによるカゼンッアが入っていて、ここも聴かせどころの一つとなっています。
下は、エリック・アレキサンダーが、シカゴのDELMARKレーベルに録音したデビュー・アルバムと続く第2弾(CD)です。
デビュー・アルバムはトランペッツ入りのクインテット、2作目はカルテット編成で、2枚ともハロルド・メイバーンがピアニストを務めています。
1968年8月4日生まれのエリックが24歳になったばかりの1枚目と、丁度1年後の演奏を比較しながら聴いてみるのも興味深いです。
「STRAIGHT UP」 DE 461 「UP, OVER & OUT」 DE 476
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録音 1992年8月20, 21日 録音 1993年8月18, 19日
デビュー・アルバムの「Straight Up」は、1曲目にエリック・アレキサンダーのオリジナルを配置し、トランペットのサポートを得ながら快調に飛ばす演奏が続きます。
2作目は、ワンホーンによるご機嫌なハード・バップ演奏集で、エリックの自信に溢れたプレイが堪能できます。
更に追加の1枚(CD)は、今でも続いているヴィンセント・ハーリングとの2管編成(+ピアノトリオ)による2005年4月のニューヨークのSmokeでのライブです。
「THE BATTLE」 HighNote HCD 7137
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演奏は、ジーン・アモンズとソニー・スティットの共作による「Blues Up & Down」からスタートしていて、2サックスによるハーモニーを生かしたテーマが心地良く、ソロに入っては息もつかせずエキサイティングなブローの応酬となっています。
選曲の中で珍しいのは2曲目で、ここではウエス・モンゴメリーの「Road Song」を取り上げていて、2人のユニゾンによるおなじみのテーマが提示され、エリック、ヴィンセント、ピアノ、ドラムスの順でソロが展開されていて、ヴィンセントはテーマ・メロディの断片を散りばめてのアドリブとなっています。
3曲目はシダー・ウォルトンの「Film Roots」、そして後半の3曲は共演しているピアニストとドラマーのオリジナルで、ピアニストのマイク・レドーンの作曲による「Shirley's Song」と「Road Song」を除いては、全てフル・トーンで吹き鳴らす激しい演奏集となっています。
ライブ・アルバムであるからして、1曲あたりの演奏時間が長いのは当然のこととして、収録されている5曲、1時間の演奏を聴き通してもダレることがありません。
日本録音盤で、アルファ・ジャズ・レーベルからは「Man With A Horn」に続く第2作目となります。
「HEAVY HITTERS」 ALFA JAZZ ALJB - 7505
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1. MR. STITT
2. THIS ONE'S FOR MY LOVE
3. GUESS I'LL HANG MY TEARS OUT TO DAY
4. MR. JOHNSON
5. MAYBE SEPTEMBER
6. ON A SLOW BOAT TO CHINA
Eric Allexander (ts) Harold Mabern (p) Peter Washington (b) Joe Farnsworth (ds)
録音 1997年12月17, 18日
このレーベルの1作目はニューヨークのクリントン・レコーディング・スタジオで収録されていましたが、こちらの第2作は、ルディ・ヴァンゲルダーによって自身のスタジオで録音されたもので、デビュー当初からピアノを担当しているハロルド・メイバーンが参加しています。
そのメイバーンの作曲による「MR. STITT」からスタートし、少し早めのテンポにおいて、エリックのイマジネーションたっぷりのソロと、メイバーンの快調なピアノ・プレイ、それにピーター・ワシントンのベース・ソロが味わえ、最後はエリックとドラマーのジョン・ファンズワースの4小節交換で締めくくっています。
このアルバムで唯一エリックのオリジナルである「THIS ONE'S FOR MY LOVE」については、2小節を1区切りとしたリズム・パターンによるテーマで変化を付けていますが、ベテランによるリズム陣のサポートに助けられた演奏の様に聞こえます。
「 GUESS I'LL HANG MY TEARS OUT TO DAY」は、ピアノとのデュオで、エリックの歌うようなバラード・プレイにおいて、実力を遺憾なく発揮した演奏となっています。
ハロルド・メイバーンの2つ目のオリジナルである「MR. JOHNSON」に至っては、3拍子の曲でリズムが強烈な上にソロで作者が激しく鍵盤を叩くプレイがすごいと思って聴いていると、続いてのエリックはそれに負けじとコルトレーン張りの強烈なブローで対抗しています。
また「MAYBE SEPTEMBER」は、ラッセル・ローズ監督の映画「オスカー」の挿入歌で、映画の中ではトニー・ベネットが歌っていますが、このアルバムではエリックの美しいバラード演奏が堪能出来ます。
最終曲の「 ON A SLOW BOAT TO CHINA」は、ソニー・ロリンズやフィル・ウッズによる名演奏を思い浮かべながら聴こうとすると肩透かしを食らうほど猛スピードで突っ走っていて、最後はドラムソロを経てテーマに戻りますが、一瞬たりとも息を抜けない5分15秒となっています。
なお全6曲において、演奏の終わりにエリックのテナー・サックスによるカゼンッアが入っていて、ここも聴かせどころの一つとなっています。
下は、エリック・アレキサンダーが、シカゴのDELMARKレーベルに録音したデビュー・アルバムと続く第2弾(CD)です。
デビュー・アルバムはトランペッツ入りのクインテット、2作目はカルテット編成で、2枚ともハロルド・メイバーンがピアニストを務めています。
1968年8月4日生まれのエリックが24歳になったばかりの1枚目と、丁度1年後の演奏を比較しながら聴いてみるのも興味深いです。
「STRAIGHT UP」 DE 461 「UP, OVER & OUT」 DE 476
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録音 1992年8月20, 21日 録音 1993年8月18, 19日
デビュー・アルバムの「Straight Up」は、1曲目にエリック・アレキサンダーのオリジナルを配置し、トランペットのサポートを得ながら快調に飛ばす演奏が続きます。
2作目は、ワンホーンによるご機嫌なハード・バップ演奏集で、エリックの自信に溢れたプレイが堪能できます。
更に追加の1枚(CD)は、今でも続いているヴィンセント・ハーリングとの2管編成(+ピアノトリオ)による2005年4月のニューヨークのSmokeでのライブです。
「THE BATTLE」 HighNote HCD 7137
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演奏は、ジーン・アモンズとソニー・スティットの共作による「Blues Up & Down」からスタートしていて、2サックスによるハーモニーを生かしたテーマが心地良く、ソロに入っては息もつかせずエキサイティングなブローの応酬となっています。
選曲の中で珍しいのは2曲目で、ここではウエス・モンゴメリーの「Road Song」を取り上げていて、2人のユニゾンによるおなじみのテーマが提示され、エリック、ヴィンセント、ピアノ、ドラムスの順でソロが展開されていて、ヴィンセントはテーマ・メロディの断片を散りばめてのアドリブとなっています。
3曲目はシダー・ウォルトンの「Film Roots」、そして後半の3曲は共演しているピアニストとドラマーのオリジナルで、ピアニストのマイク・レドーンの作曲による「Shirley's Song」と「Road Song」を除いては、全てフル・トーンで吹き鳴らす激しい演奏集となっています。
ライブ・アルバムであるからして、1曲あたりの演奏時間が長いのは当然のこととして、収録されている5曲、1時間の演奏を聴き通してもダレることがありません。