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ケシャバン・マスラクの2枚

2014-04-24 | JAZZ
ウクライナからの移民で、デトロイト生まれのアメリカ人で、ヨーロッパを中心に活躍しているリード奏者の「ケシャバン・マスラク」、突然、彼のアルバムを棚から引っ張り出して聴いたのですが、それは先日古本店で見つけた「ジャズ批評 NO.37」がきっかけでした。
 
この雑誌が発売された1980年秋、当時はこのタイトルにもあるようにジャズのスタイルは色々な方向に分散し、正に「自分のジャズを見つけよう」という時代でした。
そんな中で、時間さえあれば新譜を中心に紹介してくれる店に行って、掛かるレコードをチェックし、気に入ったタイトルやアーティストをメモし、都内のレコード店を探し回る日々を繰り返していました。
御茶ノ水のディスク・ユニオン、新宿西口ハルク裏のオザワ、六本木のWAVE等々・・・
そして購入したのがケシャバン・マスラクの2枚でしたが、何とジャズ批評の「海外新譜紹介」コーナーにも掲載されていたという訳です。

それが以下のレコードです。
「MAYHEM IN OUR STREETS」 WATERLAND WM-005
   
1. MAYHEM IN OUR STREETS
2. DIDA
3. ESPANA
4. PAMELA
5. SUNDAY SMILE
KESHAVAN MASLAK(as,ts,bcl,Pic,othes) LOEK DIKKER(p) MARK MILLER(b)
SUNNY MURRAY(ds)  録音 1979年10月21日 アムステルダム


「HUMANPLEXITY」 LEO RECORDS LR101
   
1. HUMANPLEXITY
2. OVEREAR WOMAN
3. LICK MY ELBOW, LICK MY ELBOW
4. QUICK MAJESTIC DEATH IN MANHATTAN
5. PURPLE WINDOW WIND
6. SERIOUS FUN (AT TIMES)
7. HA HA HA
KESHAVAN MASLAK(as,ts,bcl,Pic,othes) MISHA MENGELBERGR(p) 
HAN BENNINK(ds)  録音 1979年11月4日 アムステルダム

この2枚、わずか2週間の間に連続してレコーディングされています。
ケシャバン・マスラクは、マルチ楽器奏者で、アルト・サックスやバス・クラリネットはエリック・ドルフィーを、またテナー・サックスのロング・トーンやビブラートを利かせるところなどは、アルバート・アイラーのように聴こえます。
同じタイプのサックス奏者であるカルロ・アクティス・ダトー(伊)、ベンジャミン・ハーマン(蘭)、ルディ・マハール(独)、マッツ・グスタフソン(瑞典)等の演奏も聴き比べてみましたが、どちらかと言うと、ペーター・プロッツマン(独)のような演奏というのが適切の様に感じました。

最初のウォーターランド盤はオランダのレーベルです。
1曲目のビブラートを利かせたテナー・サックス音は、アルバート・アイラーのラスト・レコーディングそのものです。
2曲目はアルト・サックスとピッコロを併用し、フリーキィな音の連発、後半のアルトはスラブ系メロディを奏でながら、3曲目はベースとドラムスが特徴あるリズム・パターンを刻む中で、テナーでブローし、4曲目はバラードで一息ついて、ピアノのソロも交えて、バックのサニー・マレーのバシャ・バシャというドラミングも重量感たっぷりで、最後はバス・クラリネットで、テーマを吹いた後に強烈なアドリブを展開するといった、全曲飽きずに前のめりに成りそうな構成です。

次のレオ盤、フリー・ジャズを数多く輩出しているレーベルですが、これは101番で最初のレコードです。
会社は確か英国と思っていますが、ジャケットはメイド・イン・USAとなっていました。
こちらのマスラクは更に快調に吹きまくっています。
そしてバックの2人のオランダ人、ミシャ・メンゲルベルク(p)と、ハン・ベニンク(ds)のサポートが素晴らしいです。
全7曲の内、1、5の2曲はアルト・サックスによる無伴奏ソロ、
2曲目はテナー・サックスによるスロー・バラード風ですが、ピアノとドラムスの絡みが良いです。
3曲目の頭は、ピアノとドラムスの共演で、途中からサックスと、持ち替えてピッコロも吹いていますが、フリーでも聴きやすい内容です。
4曲目は、テナー・サックスでスラブ系のメロデーを奏でた後は、ギンギンのフリーへ突入、6曲目はやはりテナー・サックスでメロディアスな4ビート演奏となり、どこかベニー・ゴルソン作曲の「ファイブ・スポット・アフター・ダーク」に似たテーマも聴こえてきます。
最後の「ハ・ハ・ハ」はドラマーのベニンクもクラリネットで応戦し、マスラクのバス・クラと丁々発止を繰り広げる部分があり、最後は「ハ・ハ・ハ」と発している声も聴こえてきます。

ケシャバン・マスラクのレコーディングは1977年頃から開始され、上記2枚の後はロック的なものまで取り入れてきますが、当時の私は、この辺りの演奏を好んで聴いていました。


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