「あの人は今」とでも言いたくなる笠井紀美子さん、
私がジャズを聴きはじめた頃、注目されたジャズ歌手の一人で、素晴らしいジャズアルバムも作りました。
現在は音楽活動から引退し、ロサンゼルスのサンタモニカで宝石デザイナーとして活動しているようです。
その彼女は、これまでにマル・ウォルドロン(p)や、ギル・エヴァンス(p, arr)との共演アルバムや、フュージョン系のアルバムをレコーディングしていますが、ジャズ・アルバムの中で、峰厚介カルテットをバックに歌っている初期の1枚です。
現在の峰は、テナーサックスの第一人者の一人ですが、当時はアルトサックスとソプラノ・サックスを吹いていました。
「YELLOW CARCASS IN THE BLUE」 TBM-2508
1. ALONE TOGETHER
2. BLUES IN C MINOR
3. RIVER DRY
4. ROUND MIDNIGHT
5. YELLOW CARCASS IN THE BLUE
6. BE STILL, MY SOUL
笠井紀美子(vo) 峰 厚介(ss, as) 菊池雅洋(p) 鈴木良雄(b) 村上 寛(ds)
録音 1971年7月11日、13日
全6曲において、3、6 はカルテットによる演奏で、当時としてはモードを基調とした非常に新しい感覚の演奏でした。
そして、笠井の歌は残りの4曲ですが、タイトルとなっている「イエロー・カルカス・イン・ザ・ブルー」は、菊池雅洋の兄の雅章のオリジナルです。
この兄弟と峰の関係については、以前ジョニー・ハートマンに出会った日というコーナーで書いたことがありましたが、これを彼女が歌いたいということで自ら詩を書き、これを清水あきえさんが英訳しています。
その辺りのことが、レコードの帯裏と、解説書に記載されていましたので、笠井と峰のレコーディング写真と共に掲載しました。
1945年生まれの彼女、
デビュー当時は女性ボーカリストも少ない中で、突っ張り少女の風貌でしたが、改めて聴いてみるとデビューとは思えない堂々とした内容です。
セロニアス・モンク作曲の「ラウンド・ミッドナイト」では、峰のサックスのイントロを受けて、スぅ~と入ってくる笠井の歌が抜群に良いです。
難しいスローな曲なので、一部で不安定な音程の部分もありますが、それを打ち消す歌唱力です。
当時の彼女は、似たようなフィーリングを持つ同世代の中本マリと共に注目された女性歌手でした。
もう1枚は、2007年にCDで再発されたものですが、彼女がジャズの世界に入ってからの最初のものです。
彼女のファースト・レコーディングは、なかにし礼作詞、村井邦彦作曲による「ただそれだけのこと」というタイトルの歌謡曲ですが、
こちらは1967年、彼女が21歳の時のレコーディングで、5曲を全てスキャットにより軽いノリで歌っています。
このレコーディング当時、彼女は世良のバンドで歌い始めた時期で、都内のホテルのラウンジを中心に演奏していたようです。
笠井紀美子は、ケメコと呼ばれていて、このアルバムの中には彼女自身の作曲による「ケメコ」という曲も入っています。
「世良 譲トリオ・イントロデューシング・笠井紀美子」
THINK RECORDS TFC-1832 (テイチク ユニオン UPS-5152-J)
私がジャズを聴きはじめた頃、注目されたジャズ歌手の一人で、素晴らしいジャズアルバムも作りました。
現在は音楽活動から引退し、ロサンゼルスのサンタモニカで宝石デザイナーとして活動しているようです。
その彼女は、これまでにマル・ウォルドロン(p)や、ギル・エヴァンス(p, arr)との共演アルバムや、フュージョン系のアルバムをレコーディングしていますが、ジャズ・アルバムの中で、峰厚介カルテットをバックに歌っている初期の1枚です。
現在の峰は、テナーサックスの第一人者の一人ですが、当時はアルトサックスとソプラノ・サックスを吹いていました。
「YELLOW CARCASS IN THE BLUE」 TBM-2508
1. ALONE TOGETHER
2. BLUES IN C MINOR
3. RIVER DRY
4. ROUND MIDNIGHT
5. YELLOW CARCASS IN THE BLUE
6. BE STILL, MY SOUL
笠井紀美子(vo) 峰 厚介(ss, as) 菊池雅洋(p) 鈴木良雄(b) 村上 寛(ds)
録音 1971年7月11日、13日
全6曲において、3、6 はカルテットによる演奏で、当時としてはモードを基調とした非常に新しい感覚の演奏でした。
そして、笠井の歌は残りの4曲ですが、タイトルとなっている「イエロー・カルカス・イン・ザ・ブルー」は、菊池雅洋の兄の雅章のオリジナルです。
この兄弟と峰の関係については、以前ジョニー・ハートマンに出会った日というコーナーで書いたことがありましたが、これを彼女が歌いたいということで自ら詩を書き、これを清水あきえさんが英訳しています。
その辺りのことが、レコードの帯裏と、解説書に記載されていましたので、笠井と峰のレコーディング写真と共に掲載しました。
1945年生まれの彼女、
デビュー当時は女性ボーカリストも少ない中で、突っ張り少女の風貌でしたが、改めて聴いてみるとデビューとは思えない堂々とした内容です。
セロニアス・モンク作曲の「ラウンド・ミッドナイト」では、峰のサックスのイントロを受けて、スぅ~と入ってくる笠井の歌が抜群に良いです。
難しいスローな曲なので、一部で不安定な音程の部分もありますが、それを打ち消す歌唱力です。
当時の彼女は、似たようなフィーリングを持つ同世代の中本マリと共に注目された女性歌手でした。
もう1枚は、2007年にCDで再発されたものですが、彼女がジャズの世界に入ってからの最初のものです。
彼女のファースト・レコーディングは、なかにし礼作詞、村井邦彦作曲による「ただそれだけのこと」というタイトルの歌謡曲ですが、
こちらは1967年、彼女が21歳の時のレコーディングで、5曲を全てスキャットにより軽いノリで歌っています。
このレコーディング当時、彼女は世良のバンドで歌い始めた時期で、都内のホテルのラウンジを中心に演奏していたようです。
笠井紀美子は、ケメコと呼ばれていて、このアルバムの中には彼女自身の作曲による「ケメコ」という曲も入っています。
「世良 譲トリオ・イントロデューシング・笠井紀美子」
THINK RECORDS TFC-1832 (テイチク ユニオン UPS-5152-J)