あしたのブログ!趣味や日々の報告ページ

このページを活用し趣味や日々のことなどを中心に報告しています。

TBMの笠井紀美子

2015-04-17 | JAZZ
「あの人は今」とでも言いたくなる笠井紀美子さん、
私がジャズを聴きはじめた頃、注目されたジャズ歌手の一人で、素晴らしいジャズアルバムも作りました。
現在は音楽活動から引退し、ロサンゼルスのサンタモニカで宝石デザイナーとして活動しているようです。

その彼女は、これまでにマル・ウォルドロン(p)や、ギル・エヴァンス(p, arr)との共演アルバムや、フュージョン系のアルバムをレコーディングしていますが、ジャズ・アルバムの中で、峰厚介カルテットをバックに歌っている初期の1枚です。
現在の峰は、テナーサックスの第一人者の一人ですが、当時はアルトサックスとソプラノ・サックスを吹いていました。

「YELLOW CARCASS IN THE BLUE」 TBM-2508
  
1. ALONE TOGETHER
2. BLUES IN C MINOR
3. RIVER DRY
4. ROUND MIDNIGHT
5. YELLOW CARCASS IN THE BLUE
6. BE STILL, MY SOUL
笠井紀美子(vo) 峰 厚介(ss, as) 菊池雅洋(p) 鈴木良雄(b) 村上 寛(ds)
録音 1971年7月11日、13日

全6曲において、3、6 はカルテットによる演奏で、当時としてはモードを基調とした非常に新しい感覚の演奏でした。
そして、笠井の歌は残りの4曲ですが、タイトルとなっている「イエロー・カルカス・イン・ザ・ブルー」は、菊池雅洋の兄の雅章のオリジナルです。
この兄弟と峰の関係については、以前ジョニー・ハートマンに出会った日というコーナーで書いたことがありましたが、これを彼女が歌いたいということで自ら詩を書き、これを清水あきえさんが英訳しています。
その辺りのことが、レコードの帯裏と、解説書に記載されていましたので、笠井と峰のレコーディング写真と共に掲載しました。
  

1945年生まれの彼女、
デビュー当時は女性ボーカリストも少ない中で、突っ張り少女の風貌でしたが、改めて聴いてみるとデビューとは思えない堂々とした内容です。
セロニアス・モンク作曲の「ラウンド・ミッドナイト」では、峰のサックスのイントロを受けて、スぅ~と入ってくる笠井の歌が抜群に良いです。
難しいスローな曲なので、一部で不安定な音程の部分もありますが、それを打ち消す歌唱力です。
当時の彼女は、似たようなフィーリングを持つ同世代の中本マリと共に注目された女性歌手でした。


もう1枚は、2007年にCDで再発されたものですが、彼女がジャズの世界に入ってからの最初のものです。
彼女のファースト・レコーディングは、なかにし礼作詞、村井邦彦作曲による「ただそれだけのこと」というタイトルの歌謡曲ですが、
こちらは1967年、彼女が21歳の時のレコーディングで、5曲を全てスキャットにより軽いノリで歌っています。
このレコーディング当時、彼女は世良のバンドで歌い始めた時期で、都内のホテルのラウンジを中心に演奏していたようです。
笠井紀美子は、ケメコと呼ばれていて、このアルバムの中には彼女自身の作曲による「ケメコ」という曲も入っています。

「世良 譲トリオ・イントロデューシング・笠井紀美子」
THINK RECORDS TFC-1832 (テイチク ユニオン UPS-5152-J)
 

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吉田のうどん (パート21)

2015-04-16 | 吉田のうどん
吉田のうどんの21回目は、3月と4月に行った39、40番目のお店です。

   

39番目は「手打ちうどん ムサシ」です。 (マップ番号48 上吉田 6-10-19)
こじんまりした店内ですが、お客さんは入れ替わり入ってきました。
  

このお店のメニューには何時も食べている「肉うどん」が無く、桜肉は別オーダーとなっていました。
なので今回は天麩羅、キャベツ、油揚げ、ワカメの入った「ムサシうどん大盛り」をいただいてみました。

麺はしっかり寝かせて丁寧に仕上げてあり、粉っぽさはなく、しっかりした歯ごたえもありました。
しかも手切り麺で、この店のこだわりが感じられます。
スープは味噌・醤油の合わせ味で、濃さもほど良く美味しかったです。

「手打ちうどん ムサシ」の家の前には、以前行ったことのある「麺’ズ 富士山」の看板がありました。


その「麺’ズ 富士山」が監修によるカップ麺がこちら、
最初発売されたものから、パッケージがリニューアルされていました。



40番目は「入山うどん」です。 (マップ番号10 新倉 56)
雪が降った寒い日のせいか、昼時というのにお客さんは誰も居ませんでした。
  

チョッピリ不安が過りましたが、お店のうたい文句である「麺に絶対の自信あり」という言葉を信じて、
何時のも様に「肉うどん大盛り」を、相方は「天麩羅うどん大盛り」をオーダーしました。
  
麺は、看板に偽りなくしっかりした歯ごたえの「吉田のうどん」で、味噌・醤油の合わせ味も美味しかったです。

このお店には炭を利用した「黒麺」のメニューもあり、何時か一度挑戦してみたいと思います。
「ひばりが丘高校」のうどんナビにもお店の紹介が掲載されています。
   


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2015年の富士山 (4月)

2015-04-15 | 富士山
3か所から撮影した4月15日の富士山です。
前夜から雨が降っており、15日の天気予報も当初は「曇-雨」でしたが、それが見事に外れラッキーな朝になりました。
そこで富士吉田市と河口湖の3か所から、早朝の富士山をカメラに収めてきました。

最初は宿泊した富士吉田市の宿の窓から、午前5時と6時30分の2枚
 

宿から2㎞程離れた場所から、午前5時25分の日の出時間とその後、
早朝で寝ぼけていたわけではないのですが、ピンボケナビの撮影ポイントです。
  

その後、河口湖湖畔に出て大橋を渡り、甲府方面へ少し行ったところの2ポイントです。
早朝からブラックバス釣りをしていました。
   

丁度見頃となっていた「富士と桜」です。
   
  

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ポートレイト・オブ・シーラ

2015-04-14 | JAZZ
ジョージ・ラッセルの1962年のアルバムで、1曲だけ参加していた女性歌手、シーラ・ジョーダン、
その彼女がブルーノート・レーベルに残したデビュー作品です。

1929年11月18日ミシガン州デトロイト生まれのシーラ・ジャネット・ジョーダンは、高校時代にチャーリー・パーカーやビリー・ホリディの歌をレコードで聴いたのが歌手を目指すきっかけとなったようです。
ジャズ・フィーリングのセンスよろしく、しかも強烈な個性があるシーラは、デトロイトでプロ活動を開始した後、1950年にニューヨークに出ています。
52年にチャーリー・パーカーのバンドで知り合ったデューク・ジョーダン(p)と結婚、一女を授かりましたが56年に離婚しています。

このアルバムは、ジョージ・ラッセルが彼女の歌を気に入り、自らのアルバムでフィーチャーした後、ブルーノートのプロデューサーであるアルフレッド・ライオンに紹介して生まれた作品であり、アルフレッドが手がけた数少ないボーカル作品でもあります。

ここに掲載したのは国内盤で、かって東芝EMIから発売されたものです。
「PORTRAIT OF SHEILA」 東芝EMI LNJ-60006 (BLUENOTE BST-89002)
  
 1. FALLING IN LOVE WITH LOVE
 2. IF YOU COULD SEE ME NOW
 3. AM I BLUE
 4. DAT DERE
 5. WHEN THE WORLD WAS YOUNG
 6. LET’S FASE THE MUSIC AND DANCE
 7. LAUGH CLOWN LAUGH
 8. WHO CAN TURN TO NOW
 9. BALTOMORE ORIOLE
10. I’M A FOOL TO WANT YOU
11. HUM DRUM BLUES
12. WILLOW WEEP FOR ME
SHEILA JORDAN(vo) BARRY GSALBRAITH(g) STEVE SWALLOW(b) DENZIL BEST(ds)
録音 1962年9月19日、10月12日

アルバムに収められている12曲は、スタンダード、ジャズ・マンのオリジナル、映画音楽主題歌、シャンソン等様々ですが、どれも一級品であり、器楽的なフィーリングとシンプルなバックが見事に調和していて、一度聴いたら忘れられないジャズ・ヴォーカルです。
また、ベースのみや、ベースとドラムスのみのシンプルな伴奏が、彼女の上手さと、センシティブな歌声を一層際立たせています。

なお、このアルバムは、1963年のダウンビート誌のニュー・スター部門で第1位のタイトルを獲得しています。

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ジョージ・ラッセル・セクステット

2015-04-13 | JAZZ
強烈な個性を展開してきたジョージ・ラッセルの2種類の「セクステット」作品を取り上げてみました。
ピアニストであると同時に作・編曲家でもあり、独自の音楽理論家でもあるラッセルの理論は「リディア・クロマティック・コンセプト」と呼ばれ、同じ作・編曲家のギル・エヴァンスと共に1950年代から60年代にかけて新しいサウンドを追及していました。

最初の1枚は、米国ミュージシャンによる5曲、
オリジナルは米国リヴァーサイド盤ですが、オランダ・フォンタナのニュージャズシリーズの1枚として再発されています。
ちょっとややこしいですが、青レーベルが蘭盤、黒レーベルが英盤であるからして、下記は英国盤です。
「THE OUTER VIEW」 FONTANA 688 705 (RIVERSIDE 440)  
  
1. AU PRIVAVE
2. ZIG-ZAG
3. THE OUTER VIEW
4. YOU ARE MY SUNSHINE
5. D.C. DIVERTIMENTO
GEORGE RUSSELL(p) DON ELLIS(tp) GARNETT BROWN(tb) PAUL PLUMMER(ts) PETE LA ROCA(ds)
SHEILA JORDAN(vo)・・・No.5 Only  録音 1962年8月27新居  

1曲目のチャーリー・パーカーの曲は、オリジナル同様に比較的速いテンポで演奏されています。
ソロのトップを走るふくよかな音のトロンボーン、ハイノートをまき散らすトランペット、続くテナーサックスは、サム・リバースと初期のウエイン・ショーターを足して2で割ったようなフレーズで、そしてシングルトーンで応えるラッセルと、しっかりした音程のベース、それにハイ・ハットの切れが素晴らしいドラムス、
最後の曲のD.C.ディベルトメントは日本の民謡の様なフレーズも飛び出してきます。

このアルバムについては、国内盤が発売された1964年に油井正一さんの批評記事がありました。
今から50年以上前のものです。 

当時の彼の採点は辛いものでしたが、改めて聴いてみると違和感は全くなく、普通のモダンジャズに聴こえます。

そして、上記のアルバムから3年後に録音された2枚のアルバム、
こちらもトロンボーンのバーデン・トレンサムを除き、他は米国のミュージシャンですが、中でもソロイストとして参加しているドン・チェリーに注目が集まります。
「6+1」の編成ですが、オーケストラのような分厚いサウンドで、録音のせいなのか前作に比較し重量感あふれる作りとなっています。
「AT BEETHOVEN HALL I & Ⅱ」 SABA SB 15059, 15060
    
1. FREEIN’N UP
2. LYDIA AND HER FRIENDS
3. LYDIA IN BAGS GROOVE
4. LYDIA’S CONFIRMATION
5. LYDIA ROUND MIDNIGHT
6. TAKIN’ LYDIA HOME
7. YOU ARE MY SUNSHINE
8. OH JAZZ, PO JAZZ (Part 1 & 2)
9. VOLPTE
GEORGE RUSSELL(p, Lead) DON CHERRY(tp) BERTIL LOEWGREN(tp) 
BRIAN RENTHAM(tb) RAY PITTS(ts) CAMERON BROWN(b) AL HEATH(ds)
録音 1965年8月31日

こちらはバップからフリーまでを程良くブレンドしていて、前作より一層充実した演奏が展開されています。
3~5曲にかけて演奏されるミュージシャンのオリジナル曲も、単なる素材として取り上げているだけで、ラッセルの音楽になっています。
そして、62年と65年の2種類のアルバムで共に演奏している 「ユー・アー・マイ・サンシャイン」、
いずれもメロデーに対比して、ベースが刻むリズミカルなバッキングが良いです。
また、最初のフォンタナ盤ではシーラ・ジョーダンのヴォーカルが、MPS盤ではジョージ・ラッセルのピアン・ソロがフューチャーされ、随所で山下洋輔ばりの激しいタッチも披露しながらそれぞれ効果を上げています。

この2種類の作品、
付け加えるならば、いずれもヨーロッパ的な「音」がする好録音盤です。

なお参考として、秋山公良氏のオフィシャル・サイトに 各種スケール についての解説が載っていました。

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ボリューム満点のうどん

2015-04-12 | グルメ
休日の昼時に時々行く近所のうどんやさん、
そのお店の名は「麺蔵(めんぞう)」

    

自家製の手打ち麺で、うどんの量も「並」「大」「特大」「1Kg」「2㎏」の5種類、
メニューも豊富で、しかもボリューム満点です。

前回オーダーしたのは、豚肉ベースにネギの入った「肉汁」と、「かしわ天単品(鳥の唐揚げ)」
  

今回は「ぶっかけ(冷)」と、相方は「天もり」
ぶっかけは、海老」と、まいたけの天麩羅、それに加えてリストに無い、いんげんの天麩羅に山菜も入って豪華、
天もりは、かぼちゃや、野菜の天麩羅、それにかき揚げも付いて
  

この日は大勢のお客さんが来店したため麺が無くなり、時間前にのれんが降ろされ閉店と相成りました。


このお店の麺、しっかりした歯ごたえがあり美味しいです。
「吉田のうどん」も負けそう!

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アンソニー・ブラクストンのオーケストラ作品

2015-04-11 | JAZZ
米国のマルチ・リード奏者で、ピアノも弾くアンソニー・ブラクストンが1976年に作ったオーケストラ作品を取り上げました。
全6曲は、ジャケット裏面に書かれている様に、全てがブラクストンお得意の記号で表されています。
参加ミュージシャンは10名程度と思われますが、詳細は不明です。

「CREATIVE ORCHESTRA MUSIC 1976」 ARISTA AL 4080
  

A面1、3曲目、B面2曲目の3曲は、きっちりアレンジされたオーケストラ演奏で、1曲目はシンコペーションを多く取り入れています。
A面最後の3曲目は、スーザも真っ青という「行進曲 雷神」に似ていますが、そうは問屋が卸しません。
ここはブラクストンの曲なので、途中で一旦フリーな演奏になります。
しかし、ここでもリズム陣はしっかり4/4拍子を刻んでいて、テンポは全く変わらないところがユニークです。
またB面2曲目では、中間部でピアノ・トリオも登場し、小編成による演奏の後ろをオーケストラがサポートしています。
残り3曲(A面2曲目、B面1、3曲目)は、スモール・コンボのフリー・リズムによるインプロビゼーションで、曲ごとに楽器編成が異なっています。

このアルバム、
「クリエイティヴ・オーケストラ・ミュージック」というタイトルからして、演奏内容の想像は付きますが、どうしてどうして、ユーモアも取り入れ変化に富んだ愉快な演奏集です。
但し、以前ここに掲載したヨーロッパのグローブユニティや、ICPテンテットとは全く異質のサウンドとなっています。


[参加メンバーと録音日の詳細が判明したので追記 15.5.4]
Anthony Braxton(fl, cl, contrabass-cl, ss, as, bass-sax)
Kenny Wheeler, Cecil Bridgewater, Jon Faddis(tp)
Leo Smith(tp, cond)
George Lewis, Garrett List(tb)
Earl Mclntyre, Jack Jeffers(b-tb)
JonathanDorn(tuba)
Seldon Powell(fl, cl, as)
Roscoe Mitchell(fl, ss, as, bass-sax)
Ronald Bridgewater(cl, ts)
Bruce Johnstone(bcl, bs)
Muhal Richard Abrams(p, cond)
Frederic Rzewski(p, perc)
Richard Teitelbaum(synth)
Karl berger(vib, xyi, perc)
Dave Holland(b, cello)
Warren Smith(ds, marimba, perc)
Barry altschul, Phillip Wilson(ds, perc)
録音 1976年2月 New York

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モルトウヰスキーとワイン

2015-04-10 | 日々の暮らし
NHK朝ドラでブレイクしたニッカウヰスキーの「竹鶴」、
ふらっと立ち寄った近所の酒屋さんで購入しました。
本命は17年ものですが、とても手が出ないので・・・

 


ついでといっては何ですが、1,000円以下の安価な「赤ワイン」も一緒に、
共に「パリ農産物コンクール」で金賞を受賞している優れものが、限定入荷していました。
左:シャトーラ クロット ドゥ ジョアナン 2012年
右:ソルデ チリ レゼルバ カベルネソーヴィニョン 2011年



シャトーラはハンバーグなどの肉料理に、
一方、カベルネソーヴィニョンのほうは熟成チーズやスパイシー料理に合うようです。

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「春」だというのに

2015-04-08 | 日記
昨夜の予報が的中し、関東地方の一部では「雪」となりました。
生憎山梨行きのこの日、
富士吉田市内に入ると、こちらも「雪」で、いつものお山の撮影ポイントもご覧の通りでした。
   

朝の気温は0℃で、工場内の咲き始めた桜も可愛そうです。
積もった雪にはツララも・・・
   

昼過ぎても降りやまず、駐車場の先の林も大分白くなりました。
という訳で、何時もより早めの帰りとなりましたが、高速道路はず~と50㎞/Hに制限されていました。
    


《追記》
あれから1週間、
つららが下がっていた桜は、見事に開花していました。


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私の愛聴盤 (第61回)

2015-04-07 | 私の愛聴盤
第61回はレム・ウインチェスターの、ラムゼイ・ルイス・トリオとの共演盤です。

LEM WINCHESTER (1928年3月19日 - 1961年1月13日) ペンシルヴァニア州フィラデルフィア出身

ウインチェスターの楽器との係り合いは、高校時代のフルートとピッコロに始まり、その後バリトン~テナー・サックスを経て、コルネットも手にしたところで、1947年にヴィブラフォンに転向、49年には警察官を勤める傍らでデラウエア州にあるクラブでパート・タイムのミュージシャンとして演奏しています。
一説に因ると、ラッパはクリフォード・ブラウンがやることを全てやってしまったため断念したのだそうです。
1958年にニューポート・ジャズ・フェスティバルに出演したのをきっかけに本格的に演奏活動を開始するも、インディアナポリスのジャズ・クラブでオーナー所有のピストルを使ったロシアン・ルーレットで、不幸にも命を落としています。

今回のアルバムは、サブタイトルに「トリビュート・トゥ・クリフォード・ブラウン」とあるように、クリフォードに纏わる曲を数多く取り上げていますが、僅か3年のレコーディング活動の中で、リーダー・アルバムは6枚に留まっています。

「LEM WINCHESTER AND THE RAMSEY LEWIS TRIO」 ARGO LP 642
  
1. JOY SPRING
2. WHERE IT IS
3. SANDU
4. ONCE IN A WHILE
5. JORDU
6. IT COULD HAPPEN TO YOU
7. EASY TO LOVE
8. A MESSAGE FROM BOYSIE
LEM WINCHESTER(vib) RAMSEY LEWIS(p) ELDEE YOUNG(b) RED HOLT(ds)
録音 1958年10月8日 Chicago

これはウインチェスターの最初のリーダー作品であり、全員が無名に近い時のものです。
彼の演奏は、ヴィブラフォンの先輩格であるミルト・ジャクソンよりヴァイブレーションの効果を抑えた硬質な「音」が特徴です。
またボビー・ハッチャーソンとも異なるハーモニー感覚とブルージーなサウンドが魅力的です。
それに加えこのアルバムは、この先「ジ・イン・クラウド」でブレイクするラムゼイ・ルイス・トリオがバックを務めています。
但し、ここでのルイスのピアノは未だゴスペルとは無縁で、まるでMJQのジョン・ルイスの様ですが、それが功を奏して小美味良いスインギーな演奏が展開されています。

ウインチェスターの警察官時代に働いていた場所であるデラウェア州ウィルミントンが、クリフォード・ブラウンの生まれ故郷でもあることから、当時から彼にず~と憧れを抱いていたようです。
そして惜しいかな、共に将来を期待されながらいずれも事故でこの世を去ってしまった悲劇の2人でもありました。

このレコードは、前述のようにクリフォード所縁の曲も多く、私自身、他のヴィブラフォン奏者のものよりターンテーブルに載る回数が多いアルバムでもあります。

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