裁判所前で報告会
原告元気に法廷出席
7月2日(火)午後1時10分から、名古屋地方裁判所にて、AKK従業員の吉田さんの「労働災害認定裁判」と「地位保全・損害賠償裁判」が順番に行われました。治療先の広島から駆け付けた原告は傍聴参加者に挨拶をしながら激励を受けていました。
今回は、前回被告側が出した反論準備書面に対して、原告側から反論した物を提出しました。以下要約です。
第1 被告F医師意見書(乙第32号証)の事実誤認について
2 鑑定的な意見書における前提資料の重要性
3 本件は治療の経過も重要である
第2 原告の症状は尺骨突き上げ症候群だけでは説明できない
2 原告の発症・治療の経過
原告は、2000年(平成12年)10月1日から自動車のエンジンのふたにあたる部品(以下、甲7号証にあわせて「エンジンカバー」という)を機械で加工し、点検し、組み付ける業務に従事するようになった。原告は、同業務に従事するようになった後、1週間後にはマッサージ治療に通って腕、肩、背中の治療を受けるようになった。
そして、被告提出のF医師意見書(乙第32号証)10頁にもまとめられているように、2004年(平成16年)7月21日の両手関節炎、手関節尺骨茎状突起炎以来、手関節炎を継続して訴え、病院の治療を時折受けるようにもなった。その間も、先に述べたようにマッサージ治療は続けてきた。
3 被告主張に対する反論
(1)疼痛等の症状が継続したことに対する主張への反論
(2)尺骨突き上げ症候群から発症した腱鞘炎等であるとの主張への反論
被告は尺骨突き上げ症候群を発症した影響で、周辺に腱鞘炎等が発症したとも主張している。
しかしながら、原告はF医師も意見書(乙第32号証)10頁以下で経過としてまとめているように、2004年(平成16年)7月以後、外傷による受傷である2004年(平成16年)10月25日を除く、4回にわたり医療機関を受診し、腱鞘炎との診断を受けている。尺骨突き上げ症候群とは別に、その発症の以前から、腱鞘炎が原告に発症していたとみるべきである。
第3 原告の作業と発症には相当因果関係が認められる
1 被告の主張
被告は、「原告が吉良工場への配置転換後に突然疼痛を発症したのであるから、吉良工場での業務がその原因であり尺骨のプラスバリアントはその原因ではないとするのは論理に飛躍がある」などと述べる。しかしながら、原告の主張を正確に理解していない。
2 尺骨にプラスバリアントが存在しても本件の発症は労働作業のためである
(1)被告の主張
被告は尺骨にプラスバリアントが存在さえすれば、その後にいかなる負荷がかかろうとも、尺骨突き上げ症候群の発症は素因である尺骨のプラスバリアントのせいである、生来的なリスクファクターによる発症がいつ起こるかは誰にも分からない、と主張している。
(2)原告の主張の整理
作業に服することができない(休業を要する)ほどの疼痛が発症したのは、同じ労働作業を繰り返し6年半にわたって継続した結果である。
(3)被告主張への反論-プラスバリアントについて
(4)被告主張への反論-乙第34号証について
本件において重要なのは、原告が実際どのような作業に従事してきたか、である。
ところが、被告は、その肝心な労働作業の内容・量、さらには質について、乙第34号証を提示した。この乙第34号証について、原告が「ビデオテープの作業では、1枚にかける作業時間が3分にもおよんでいるが、実際の作業は(中略)、1枚当たりにかける時間は、1分半程度である」(原告第4準備書面6頁)と述べている。これに対し、被告は乙第34号証が「実際の作業よりも若干時間を要している」と述べ(被告第4準備書面7頁)、原告の批判については認めつつ、作業内容・性質によって判断されるのだから作業時間は問題ないと述べる。
しかしながら、F医師の意見書(乙第32号証)においては次のとおり指摘されている(同9頁)。
「ビデオで見る限り、吉田氏の作業工程で手関節の回内・回外運動は見られる。しかしその回数はそれほど多くなく、トルクによる運動負荷に関しても、テニスの選手のようなバックハンドストローク、フォアハンドストロークのような力強いトルクのかかった運動負荷は考えにくい」 回数について、被告作成にかかる乙第34号証では、1日に200枚を完成させる程度の作業であるのに対し、実際には1日に400枚を完成させる程度の作業であったことは既に述べたとおりである。1か月の労働日を仮に20日とみても、その差は4000枚分、1年であれば48000枚分、6年半では、312,000枚分の差が生じるのである。
それだけの作業回数の差があり、それが慢性疲労のように蓄積して負荷となって最終的にはコーヒーカップを持てないほどの疼痛発症に至った。
また、被告の主張も、慢性的な労働負荷の蓄積を看過している点において、科学性・客観性を欠いている。到底、認められるものではない。
原告はこうした観点から反論をしています。
地位保全・賠償裁判
並行して行われたこの裁判は、会社側はあくまでも労災裁判の行方に注視しており、職場に戻るには、何としても裁判で勝利することです。みなさんのご支援をよろしくお願いいたします。
裁判所あての要請署名
勝利するために大事な運動として、要請署名活動を行っています。これまで合計1757筆を提出しました。