「地位確認・損害賠償」裁判の現在
アイシン機工に対する裁判はどうなっているかということです。
これまでこの裁判は、国に対する裁判と同時並行して進行してきました。裁判官も同じでした。しかし3月に判決が出たあと、裁判官が代わってしまいました。勝たせてもらった裁判官が代わってしまったということです。そして、新しい裁判官になったということで仕切り直しのようになっています。今は、今までやってきたことの復習のようなことをやっています。
実はこのあいだ、裁判官の方からペーパーが出されました。自分としてはこういうことがこの裁判の争点になっていると思いますということで、裁判官の方から問題提起されてきたのです。その話がわかりやすいのでその話をします。
アイシン機工に対する裁判で、争点になるのは、まず業務との因果関係です。業務によって吉田さんの手首の損傷が発症したのかどうか。二つ目は、業務との因果関係があったとしても、アイシン機工側に安全配慮義務違反があったのかどうかです。
ひとつめの業務との因果関係があるのかということで、裁判官が言っているのは、スタットボルトをエンジンカバーに手でねじ込む深さ、ネジのかかり始めた位置についてもう少し客観的にはっきりさせたいということです。アイシン機工側が盛んに言っているのは、スタットボルトの先端部分2~3ミリは、接着剤がついていない。だから力を入れなくても簡単に入るよということです。
国との裁判では、そこはあまり問題にしていなかった。接着剤がついているかどうかはこっちも気にはしていたのですが、判決では、クネッ、クネッと手首を回旋させること自体で手首を痛めたのだという認定で、接着剤がついていて力が必要かどうかは問題にしていません。
また、同種労働者について手首を痛めた人が何人かいるのですが、裁判官は、彼らの作業内容、業務量、勤続年数、過去の担当業務について比較表を作ってくれれば嬉しい、明らかにしてほしいと言っています。手首を痛めたのは全体の内のどれくらいか、1万人の中の一人なのか、3・4人の中の一人なのか、何人やって何人出ているのかそういう母数も明らかにしてほしいということです。判決では同種労働者の話は全くでていませんでした。
二つ目の安全配慮義務違反のことですが、こちらの主張は、会社は労働時間、健康状態についてしっかり把握して健康管理しなければならない義務があるけれども、それをしなかったのだということです。具体的な内容については、日常的に繰り返す作業では、負担をある程度以下にしなければいけない。 スタットボルトの仮締め作業を手作業で行うラインと、そうでなく自動化されているラインと二つのラインがある。今回、手作業のラインで問題が発生しているので、早めにそのラインも自動化すれば良かったのではないかと主張しています。裁判官は、そのあたりに関心を持っているようです。
今後の日程ですが、まずは、スタットボルトの仮締め作業を具体的にどのようにやっているのかを、確認したいという裁判官の意向で、10月10日に裁判所で実際に再現をすることになっています。つづく
アイシン機工に対する裁判はどうなっているかということです。
これまでこの裁判は、国に対する裁判と同時並行して進行してきました。裁判官も同じでした。しかし3月に判決が出たあと、裁判官が代わってしまいました。勝たせてもらった裁判官が代わってしまったということです。そして、新しい裁判官になったということで仕切り直しのようになっています。今は、今までやってきたことの復習のようなことをやっています。
実はこのあいだ、裁判官の方からペーパーが出されました。自分としてはこういうことがこの裁判の争点になっていると思いますということで、裁判官の方から問題提起されてきたのです。その話がわかりやすいのでその話をします。
アイシン機工に対する裁判で、争点になるのは、まず業務との因果関係です。業務によって吉田さんの手首の損傷が発症したのかどうか。二つ目は、業務との因果関係があったとしても、アイシン機工側に安全配慮義務違反があったのかどうかです。
ひとつめの業務との因果関係があるのかということで、裁判官が言っているのは、スタットボルトをエンジンカバーに手でねじ込む深さ、ネジのかかり始めた位置についてもう少し客観的にはっきりさせたいということです。アイシン機工側が盛んに言っているのは、スタットボルトの先端部分2~3ミリは、接着剤がついていない。だから力を入れなくても簡単に入るよということです。
国との裁判では、そこはあまり問題にしていなかった。接着剤がついているかどうかはこっちも気にはしていたのですが、判決では、クネッ、クネッと手首を回旋させること自体で手首を痛めたのだという認定で、接着剤がついていて力が必要かどうかは問題にしていません。
また、同種労働者について手首を痛めた人が何人かいるのですが、裁判官は、彼らの作業内容、業務量、勤続年数、過去の担当業務について比較表を作ってくれれば嬉しい、明らかにしてほしいと言っています。手首を痛めたのは全体の内のどれくらいか、1万人の中の一人なのか、3・4人の中の一人なのか、何人やって何人出ているのかそういう母数も明らかにしてほしいということです。判決では同種労働者の話は全くでていませんでした。
二つ目の安全配慮義務違反のことですが、こちらの主張は、会社は労働時間、健康状態についてしっかり把握して健康管理しなければならない義務があるけれども、それをしなかったのだということです。具体的な内容については、日常的に繰り返す作業では、負担をある程度以下にしなければいけない。 スタットボルトの仮締め作業を手作業で行うラインと、そうでなく自動化されているラインと二つのラインがある。今回、手作業のラインで問題が発生しているので、早めにそのラインも自動化すれば良かったのではないかと主張しています。裁判官は、そのあたりに関心を持っているようです。
今後の日程ですが、まずは、スタットボルトの仮締め作業を具体的にどのようにやっているのかを、確認したいという裁判官の意向で、10月10日に裁判所で実際に再現をすることになっています。つづく