全トヨタ労働組合(ATU)

トヨタ自動車および関連企業で働く労働者の企業横断型労働組合です。一人でも加入できます。

2024年 最低賃金審議会に対する「異議申し立て」を具申しました

2024年08月18日 21時23分06秒 | その他

2024年8月19日

愛知労働局長

 小林  洋子

愛知県知立市東栄3-1

 全トヨタ労働組合

 執行委員長 若月 忠夫

 

 

愛知地方最低賃金審議会の意見

「最低賃金1,077 円」に関する異議申出

 

 いつも働くものの生活実態に目を向け、労働者の権利の身長のためにご尽力している貴職に敬意を表します。私たち全トヨタ労働組合は、愛知県のひいては全国の経済や労使関係にも多大な影響を与えているトヨタ自動車と関連企業に働く労働者によって作られた労働組合です。私たちの労働組合が、企業横断型で正規雇用も非正規雇用も含めて組織化をめざしていることから、最低賃金のあり方には強い意味で関心を持っています。そうした立場から、今回の「最低賃金の時給1077円」に関する異議申し立てをします。

 

1  労働者の生活実態を反映させていない今年度の最低賃金答申

 現在の食品に限らず生活必需品全般にわたる物価上昇は、労働者をはじめとした私たちの庶民の生活を脅かしています。そもそも最低賃金の制定は、私たちの賃金など労働条件の改善に大きな影響を与えました。精一杯努力したという結果がわずか50 円の引き上げでは、生活改善にはつながりません。これまで私たちは今すぐ1,500 円以上の要求をしてきました。もちろん諸外国との比較からすれば、まだ1500円でも十分ではありませんが、それでも生活を改善し地域経済にも消費に好影響を与えます。最低賃金を支払い能力に限定し、生活給的視点が弱い答申には異議があります。

 

2 中小企業支援にも目を向けて

 審議会では「50 円の引き上げ」に使用者代表と公益代表が賛成しました。しかし、今回は労働者代表が最後まで抵抗していますが、それは現在の国民生活を反映しています。私たちの周囲を見渡すと、生活が困窮するもとでは消費が進まず、経済も活性化せず、企業経営は厳しくなるばかりではないでしょうか。最賃の引き上げは賃金の底上げにつながります。企業経営に好影響をもたらすのではないでしょうか。1,077 円では生活改善につながりません。私たちの地域ではトヨタ自動車と関連企業の行方が大きな影響を与えています。大企業本位の企業社会、下請けいじめにも目を向け、中小零細企業にも光を当あて、援助をしていく道筋を示してください。この点でも不十分な内容です。政府・国に対しても中小零細企業への支援を積極的に呼びかけてください。

 

3 「最賃1,500 円」の世論をもっと真剣に受け止めてください

 愛知の労働組合のセンターである愛労連は、今回の審議にあたり、「生活改善、地域経済の好循環のために、愛知県最低賃金を1,500 円とし、中小企業支援を求める要請」署名9,210 筆分、「最低賃金を時給1,500 円に!!」オンライン署名3,424 人分を最賃審議会会長と愛知労働局長に提出しました。1,500 円の根拠は、「愛知県最低生計費の推計(2023 年)」結果による科学的なものであるとともに、街頭で行ったシールアンケートでも84%が1,500 円以上を求めています。審議会ではこうした世論があることをどう受け止めるのかの審議が行われていません。労働者代表は審議のなかで、署名や意見書の1,500 円に触れ、連合のリビングウエッジの1,100 円を主張しました。

 もっと、真摯に1,500 円、ただちに1,100 円の審議を行ってください。5日の審議会では「真摯な議論が行われた」と強調されましたが、違和感を持たざるを得ません。

 

4 審議の非公開部分について

 今年度の審議会の専門部会では、第2回から4回で休会時間が5時間以上あり、その休会時間中に実質的な審議が行われました。しかも議事録すらありません。公開の場でもっと時間をとり、県内の使用者・労働者が納得のいく議論をすることが審議会と専門部会に課せられた責任ではないでしょうか。今年は人口流出問題でわずかながら議論されましたが、深めた議論とは言えません。さらなる議論を求めます。 

 

5 最低賃金のボーダーにいる労働者の意見陳述は必要です。

 今回も残念ながら労使委員の反対で意見陳述が実現しませんでした。今年はお隣の岐阜でも2団体、各10 分の意見陳述が行われました。私たちが提出した47 通の意見書について、わずか23 分の説明と労働者委員からの「意見書をふまえて」の発言だけに終わってしまいました。意見陳述の実施はもはや全国の趨勢であり、その場を作っていただくよう切望します。とりわけ労働者の中でも社会の存続に欠かせないエッセンシャルワーカーや派遣労働者や契約社員などの非正規労働者の生の声に耳を傾けることは大切なことです。審議会の審議の透明性と可視化は重要課題です。その実現のために貴審議会でも真摯な論議をして実現することを願うものです。

以   上

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2023年への希望

2022年12月31日 18時50分52秒 | その他

謹賀新年

新年明けましておめでとう御座います。

皆さんのご健勝とご活躍を祈念します。

 全トヨタ労働組合(ATU)は、2006年1月にトヨタをはじめ関連企業で働く労働者で雇用形態や国籍にとらわれずに組織できる運動体として労働組合を新しく立ち上げました。企業内労働組合と違い一人の労働者の労働問題に取り組みこれまで数々の成果を上げて労働者に喜ばれてきました。(HP参照)労働界全体を見ると組織率は約17%と低迷傾向です。産業界で見ると8割は中小企業で働く労働者で占められており組織率の低迷となっています。未組織労働者の組織率を引き上げることは、劣悪な労働条件を見直すきっかけになり、人間らしく働く労働条件を勝ち取ることにもなります。今年は未組織労働者の組織化に向けて目標と行動を持って頑張ります。今年もよろしくお願い致します。 

 

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93回目の働く者の祭典 メーデー

2022年05月02日 09時50分06秒 | その他

      

 

伝統を守り、世界と連帯するメーデー

5月1日は世界メーデーの日、団結と連帯する働く者の祭典です。愛知県は生憎の雨模様でしたが、この一年間の闘いを交流し励まし合い労をねぎらい合いました。県内ではいくつか地域で開催したところもあります。

全トヨタ労働組合が所属する地域は西三河です。安城地区労・西三河地域労働組合を主体に統一できる団体・地域組織・政党と幅広く運動体を作り、安城市の花の木公園で130名余の参加でメーデーを開催することができました。当日は9時半に始まり、まだ雨は降っていませんでしたが、3団体(*)から職場の闘いを報告いただいたところでポツリポツリと雨が降り出しましたが、メーデー宣言を採択して集会を終えることができました。その後大降りになることはなく会場からJR安城駅まで賑やかに市民に呼びかけながら気勢を挙げて行進を終えることができました。

(*)碧海工機(名古屋ふれあいunion所属)から職場復帰の闘いなどを報告                                           年金者組合から裁判の報告                                                                全トヨタ労働組合から「トヨタ社員の労災認定と損害賠償請求裁判」の勝利判決が報告されました。

*メーデーは、1886年米国の労働者が「一日8時間労働」を要求して、5月1日にストライキに立ち上がったことが起源です。日本では戦争で禁止されていましたが、1946年皇居前広場に50万人もの労働者が参加して、「働けるだけ食わせろ」と戦後の窮状を訴え再開しています。一部の組織には伝統を軽視し分断が生まれていることは嘆かわしいものです。

 

 

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なくせ原発!3.11を忘れない

2022年03月11日 13時00分18秒 | その他

情報共有します。

 

今日は東日本大震災から11年目の3・11です。 

  

今年の名古屋の3.11アクションは翌日・12日(土)です。 

  

国土を汚し、故郷を奪う危険をはらむ原子力発電所はもう要りません。 

  

★3.11 原発ゼロNAGOYA ACTION★ 

日時・場所:2022年3月12日(土)栄 久屋大通公園 噴水「希望の広場」 

集会・デモ:13:30~ 

主催:原発ゼロNAGOYA ACTION 

詳細は↓ 

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ロシアの軍事侵攻を期に核のシェアー発言は許せない

2022年03月07日 11時51分38秒 | その他

ロシアのウクライナ軍事侵攻を糾弾する!

―反戦・平和の運動を巻き起こそうー

 2月24日、プーチン政権下のロシアは、ウクライナへの全面的な軍事侵攻を開始した。ウクライナ人民を血の海に沈めながら、ウクライナ全土をロシアの支配下に置くためにロシア軍は今も暴虐の限りを尽くしている。このような暴挙を許すことはできない。命をかけて抵抗を続けているウクライナ人民に連帯し、ロシアのウクライナ侵略反対の闘いを巻き起こそう。

 同時に私たちは、NSTOの軍事介入にも反対する。それは第3次世界大戦に直結する道であるからだ。また、この期に乗じて自民党や維新の中に日本の核武装化や憲法を改悪しようとする動きは極めて危険であり、被爆国日本にあってはならないことである。

 ロシア国内で、欧米で、そして日本でも、戦争に反対する闘いが闘われている。このような世界の労働者・人民の反戦の闘いこそが、プーチンを追い詰め、戦争を断念させる最大の力であると私たちは確信する。

 プーチンのウクライナ侵攻を弾劾する声を上げよう。ウクライナ人民と連帯して反戦の炎でプーチンを包囲しよう。

                                         全トヨタ労働組合

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union全国の集い開催

2021年12月06日 18時57分40秒 | その他

第33回コミュニティ・ユニオン 全国交流集会in静岡

  ”生きることはつどうこと、コロナをのりこえ、連帯を深めよう!„

 

 2021年12月4~5日の2日間、静岡県立大学キャンパスで、全国の労働組合(一人で入れる労働組合)が北は北海道から南は九州まで200名を超える仲間が集いATUからも5名が参加しました。

 

 一日目の全体交流会は、前半総会が開かれ経過報告、活動方針などがあり、次期役員体制が提案されました。後半は記念講演として「コロナ禍において問われる労組の意義~憲法を考える」と題して笹沼静岡大学教授(憲法学)にお話をいただきパワーポイントで分かりやすく解説いただきました。

 二日目は12の分科会に分かれてデスカッションを2時間かけて実態を知り、闘いを知り、深め合いました。

 

ATU参加者の感想、「日本各地、北海道から九州までの労働組合員が集う大規模さに驚いたと共に、初参加の私に声を掛けて頂ける『全トヨタ労働組合』知名度の高さ、組合をここまでに築き上げて頂いた先輩方に感謝の気持ちと感動で涙が出ましました。

  個別活動報告では同様の問題や悩みを抱えている仲間が大勢集まり、心を一丸として分かち合えたことで勇気をもらえ、今後の組合活動への活力となりました。印象深かったのは、今の世の中、まだまだパワハラによる肉体的暴力が散発しており大勢の人が働く場を失っている・・・。『嫌だ・やめて』と言えない労働者が一人で悩み、メンタル不全を発症している現実に驚きました。被害者にも悪い所がある?・・・そんなことは無い!正直に言えない風土が根強くあり諦めてしまう。

  一番いけないこと・・・それは労働条件の問題から毎年数万件に及び発生する多くの『自死』です。全国各地に相談窓口がたくさんあるので気兼ねなく扉をたたきましょう。暖かく受け入れてもらえる仲間が近くにたくさんいます。

 今回の交流会で気づいたことは、女性の参加者が多いと感じました。男女問わず、年齢問わず集う場をどんどん広げ、明るく、楽しく、仲良く、そして元気よく働ける日本社会を作って行きましょう!」

 来年は10月に北海道を会場に開催されます。

 

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25日に労働相談ホットライン

2021年11月23日 09時01分21秒 | その他

モミジの落ち葉がきれいでした。

 職場での困りごとなら何でもご相談ください。

全国労働組合総連合は25日、「コロナ禍での解雇・雇止めは許さない!非正規・女性・学生もためらわず電話しょう! 労働相談ホットライン」を全国一斉に実施します。

 時間は午前10時から午後8時までです。電話番号は全国共通フリーダイヤル(0120)378060に電話すると相談者の近い地域の労働相談センターにつながります。あきらめは損!相談してみて得!

 

 

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総選挙をどうとらえるか

2021年10月19日 09時29分32秒 | その他

総選挙前に法律家・研究者・文化人アピールが出されました。

全トヨタ労働組合も賛同します。                                                

一朝一夕にして変えることはできないけど、政権交代を実現して国民・労働者の政策を実行できる政権を作りましょう。        

呼びかけます。政治を変える一票を!投票に行こう!

 

市民と立憲野党の共闘で政権交代をめざす法律家・研究者・文化人アピール

 

 今月14日、岸田内閣は衆議院を解散しました。19日公示、31日投開票となる総選挙は、長きにわたって続いた安倍・菅自公政治からの転換を図るかどうかが重大な争点になります。

 先月、自民党は総裁選を行い、支持率の低下した菅前首相を立候補させず、岸田新総裁を誕生させました。総裁戦後に岸田氏は、「生まれ変わった自民党を国民に示す」と語りましたが、その後半月ほどの経過を見れば、「生まれ変わった」どころか、いくら看板を掛け替えても自民党政権が続く限り、政治の転換は図れないことが明白になってきています。

 「格差是正」を掲げた「新しい資本主義」のスローガンは、「分配なくして成長なし」がいつの間にか「成長なくして分配なし」にすり替わり、アベノミクスの言い換えにすぎないことが明らかとなりました。国民の7割が賛成する選択的夫婦別姓の検討は、自民党の選挙公約から消え、森友公文書改ざんの再調査もせず、菅政治を象徴する日本学術会議の会員任命拒否についても、改める気がないと明言しています。岸田首相は、自分の特技は「人の話をよく聞くこと」と言いますが、国民の声を聞く気がないことは明らかでしょう。

 安倍・菅政治の9年弱の間に、日本の立憲主義・民主主義・平和主義は大きく傷つけられました。歴代自民党内閣が違憲としてきた集団的自衛権の行使を一片の閣議決定により「合憲」化し、都合が悪くなれば公文書を改ざん、責任を追及されても説明しない、人事権を振り回して官僚をコントロールするなど、国民の幸せのためにあるはずの政治が、ごく一部の政権中枢にある人たちに私物化されてしまいました。一方で、猛威をふるう新型コロナウイルス感染症に対しては、GOTOキャンペーンやアベノマスク、五輪の強行に見られるように、有効な手立てが打てないばかりか、感染を拡大させる悪手を続け、その間に多くの国民の命や健康が奪われるという事態を招いてきました。

 今こそ私たちは、憲法を尊重し擁護する立場から、国民の命と暮らしをまもる政治、人として誰もがもっている尊厳と個性を大切にする政治、国民に情報を公開し、国会を開くとともに説明責任を果たす、そんな当たり前の政治を求めます。そのためには、自公による政治からの根本的転換、すなわち立憲野党への政権交代が必要です。小選挙区制を中心とする現在の選挙制度を前提とする以上、各選挙区で与党候補に対抗しうる立憲野党の候補者を擁立し、それを支える市民との間で、憲法に立脚した政策合意を結ぶことが大切だと考えます。国民の命と暮らしを大切にする政治へと転換するために、いま優先しなければならないことは何なのか、すべての皆さんが真摯に考え、行動して下さるよう、強く訴えるものです。

2021年10月15日

呼びかけ人(五十音順):飯島滋明(名古屋学院大学)、大脇雅子(弁護士)、小野万里子(弁護士)、

            田巻紘子(弁護士)、中谷雄二(弁護士)、本 秀紀(名古屋大学)

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92回になるメーデー 元気に開催

2021年05月03日 08時59分45秒 | その他

愛知県

第92回安城地区メーデーが開催されました

5月1日、西三河地域における第92回安城地区メーデーが天候に恵まれて安城1号公園で開催され、コロナ禍で感染対策を取りながら130人が参加しました。メーデーではATU若月委員長が集会議長を務めました。メーデー実行委員長の挨拶、来賓として共産党、新社会党の挨拶、安城市長・安城市議会議長・大西衆議院議員・社民党・緑の党の祝電披露の後、今年初めて参加した名古屋ふれあいユニオン碧海工機のメンバーが前に並び、雇止めの闘いが報告され決意を述べました。

報告によれば、トヨタの下請けの碧海工機(400人程度)はコロナ禍を理由にして約100名もの外国人期間労働者を雇い止めにしました。雇い止めにされた労働者たちは、名古屋ふれあいユニオンに参加し、分会を結成して闘っています。会社は5年以上働いていて無期雇用の権利を獲得している労働者については、団交で雇い止めを撤回しました。しかし、5年以下の労働者については雇い止めを撤回していません。このため彼らは、雇い止め撤回の裁判を提起するととともに労働委員会にも組合員差別として提訴しています。また21春闘の取り組みとして賃上げ、賃金差別是正にも取り組んでいます。

その後、集会は「命とくらしを守る闘いを強める」、「菅政権に抜本的なコロナ対策を求める」、「改憲、平和運動への取り組み」、「消費税引き下げ・不公平税の制是正」などを内容とする『メーデー宣言』 を採択し、全員で「がんばろう」を合唱した後、安城駅までのデモ行進を行いました。

 

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苦しんできた岩永さんに朗報!

2021年05月03日 08時43分49秒 | その他

ティ-エヌ製作所・岩永さん労災認定裁判、逆転勝訴!

岩永さん良かったね! 確定するまで頑張って、最後に喜び合おう!

4月28日、名古屋高等裁判所でティーエヌ製作所岩永さん労災認定裁判の控訴審判決があり、地裁の判決を取り消し、労災を認定するという画期的な判決が下されました。ATUも支援してきた裁判です。

岩永さんは2012年10月に機械に頭部を挟まれる大事故に合い、この事故は労災認定されました。ところがその後に、左目の失明、右目の視力衰弱、慢性的な頭痛などが続き、そのため精神疾患を発症し2014年11月に精神疾患(うつ病)で労災(休業補償給付)を申請しました。ところが労基署は、事故が精神疾患発症の6ヶ月以前であることをもって労災不支給としました(目の負傷についても2014年5月に症状固定と判断し休業補償を打ち切っています)。

このため岩永さんは2016年7月名古屋地裁に精神疾患の労災認定と目の負傷の休業補償を求めて提訴しました。だが名古屋地裁は2020年7月6日に労基署の判断をまるっきり踏襲する判決を下しました。この判決の取消を求めた控訴審で名古屋高裁は「発症前6ヶ月以内の出来事という基準を形式的に当てはめるのではなく、目の負傷の悪化や頭痛の継続、それによる心理的負荷が継続していたのであるから、事故と精神疾患(適応障害)は因果関係にある」として、精神疾患での休業補償を認める画期的な判断を下したのです。岩永さんと弁護団、支援者は、この判決を確定させるために、労働局・厚生労働省に対して、FAXとはがきで「上告を断念せよ」という運動に取り組んでいます。

「上告を断念せよ」の要請先は名古屋市中区三の丸2丁目5番1号 愛知労働局労災補償課です。

FAX用です 「FAX送信先 愛知労働局労災補償課御中 052(855)0513」

上告・上告受理申立断念要請書

厚生労働大臣 御中

愛知労働局長 御中

一宮労働基準監督署長 御中

要請の趣旨

1.岩永純弘さんの適応障害発症について業務起因性を認めた名古屋高等裁判所令和2年(行コ)第33号事件判決(令和3年4月28日言い渡し)につき、国として上告及び上告受理申立を行わないこと

2.岩永純弘さんに対し、上記高裁判決が業務起因性を認めた適応障害に関する療養補償給付・休業補償給付を早急に支給すること

要請の理由

1.令和3年4月28日、名古屋高等裁判所民事3部(始関正光裁判長)は、岩永純弘さんの適応障害発症につき、業務起因性を認めなかった一宮労働基準監督署長の原処分を取り消す判断を示しました。

平成24年10月17日の職場での事故による心理的負荷及びその事故による左眼負傷による心理的負荷を総合評価し、平成26年10月の適応障害発症につき業務起因性を認めた判断です。

本件において、職場での事故が強い心理的負荷をもたらす出来事であったことそれ自体には争いがなく、左眼負傷による治療の経過・痛みの継続に関する事情それ自体も審理の過程を通じて国側と労働者側との認識は共通となっていました。

今回、名古屋高等裁判所が示した判断は、国側と労働者側との共通認識となっている事情に基づき、かつ労災認定に関する国側の考え方(労災認定実務要領等において示されたもの)に即した判断であって、国側としても争うところがないと考えられる正当なものです。

上記名古屋高等裁判所判決に対し、上告・上告受理申立を行うことなく、高裁判決を確定させてください。

2.岩永さんは、平成24年の事故以来、職場復帰することができず、現在に至るまで就労できない無収入の状態が続いています。

労災制度は労働者の援護のためにあります(労災保険法1条)。上記名古屋高等裁判所判決において命じられた適応障害に関する療養補償給付・休業補償給付の支給手続を早々に進め、一刻もはやく支給手続を行ってください。

以 上

【一言】

 

 

 

                                                                    

団体名                                     日付:2021年   月   日

又は個人名

氏 名:                               

住 所:                                                           

 

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