全トヨタ労働組合(ATU)

トヨタ自動車および関連企業で働く労働者の企業横断型労働組合です。一人でも加入できます。

連合一斉回答で感じること

2016年03月21日 16時23分44秒 | デンソー

3月17日(木)名古屋市内にて、春闘共闘主催で決起集会の模様

エッ! たったの1500円……2016年トヨタの賃上げ

 3月16日、トヨタ自動車は企業内労組の賃金改善分3000円要求に対して1500円を回答し、労組はこれを受けいれました。デンソーやアイシンなどトヨタグループの主要企業も同じ1500円で足並みをそろえました。また全トヨタ労連傘下の組合では、8労組がトヨタ越えの回答を得ましたが平均では1278円だそうです。これらは昨年を大きく下回っています。
 トヨタ経営陣は、「新興国経済の減速などで経営環境の潮目が変わった」などと、この超低額回答の理由を上げています。だがトヨタは今年の3月期決算で2兆8000万円という史上空前の経常利益を予定しているではないですか。多少の賃上げでどれだけ懐が痛むというのでしょうか。他方、私たち労働者の実質賃金は4年連続低下させられ生活の苦しさは日々増しています。1000円少しの賃上げでどれほど生活が改善されるというのだ。しかもこの金額はトヨタや大手企業の正規労働者の数字であって中小企業で働く人や非正規で働く人々の賃金に波及するわけではありません。私たち労働者はこれからも生活の困窮を強いられます。
 今年の春闘はおかしな転回をたどりました。安倍政権はアベノミックスを取り繕うために産業界に3パーセントの賃上げを要請しました。しかし日本最大の労組ナショナルセンターである「連合」は賃上げ基準で2パーセントしか要求しませんでした。ところが春闘の相場形成役を担っているトヨタ労組はそれをも下回る3000円(1パーセント以下)しか要求しなかったのです。このように今春闘では労組が自ら次々と要求を切り下げたのです。
彼らはこの超低額の要求を「底上げ」「格差是正」と正当化していました。確かに昨年までの春闘を通じてトヨタと下請け諸企業との賃金格差はますます拡大してきました。またトヨタ自動車は一時期停止していた下請けへの納入単価の切り下げを今年から再開し下請け中堅・中小企業から賃上げ余力を奪っています。このことによって極めて低水準になるだろう下請け企業の水準に合わせてトヨタ労組は自らの賃上げ要求額を押し下げたのです。これによってトヨタの「一人稼ぎ」への非難の矛先が少しでも和らぐと思ったのでしょうか。これがトヨタ労組の超低額3000円要求の真相です。やることが全く逆ではありませんか。確かに今年の賃上げの格差は小さくなりますが、それは低水準なところで団子になっているに過ぎません。いやむしろ全体としての賃上げ水準を押し下げる役割を果たしたと言えるでしょう。
 またトヨタ自動車は期間従業員の日給を150円(月換算3000円)引き上げるとしています。一定の成果ではありますが、正規労働者との格差を無くすことが必要です。既存の企業内労組の幹部にお任せでは私たちの賃金や労働条件の改善は望めません。自分たち一人ひとりが声を上げていくことが大切ではないでしょうか。労働者の声をコメントしてください。

ATUは、デンソーとの第3回団交を申し出ていましたが、3月30日(水)に開催すると通知がありました。労働者の生活を良くすることこそ今必要であることを強調してたたかいます。
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デンソーと賃上げ交渉

2016年03月04日 21時39分16秒 | デンソー


第2回目の交渉
 3月4日(金)午後6時30分から刈谷市内の本社地区で、賃金引上げ等の第2回目の労使交渉を開催しました。交渉冒頭、委員長から団体交渉にあたって組合側から、会社側の交渉委員に経営決定権を持つ役員を出席させるよう求めているのに、なぜ出席がないのか求めました。団体交渉は、言うまでもなく労働組合法に基づいて行っているものであり、組合側は執行委員長をはじめ組織の責任あるものが出席しているのに対して、会社側は決定権もない社員を出席させる行為は、最初から団体交渉をする意図がないことを示しています。(不誠実団交に値します)

デンソー労働組合との交渉には役員全員出席
 このことを見てもわかるように、組合間での不平等な扱いをデンソーは取っており、これは不当労働行為を平然と行い法律を犯していると言わなければなりません。役員が出席することを我々は何度でも求めます。またデンソー労組とは回答日まで交渉日程を決めているのに、我々とは団体交渉の場で次回日程取り決めについて要求しても全く応じません。交渉員の人数についてもデンソーは制限(5人)を求めています。根拠を求めると、「人数が多いと話がまとまらないから」などと全く根拠のない回答です。人数については組合自冶権の問題であり制限されるものではありません。

賃上げ交渉
 冒頭書いたように、会社側の交渉委員に経営決定権を持つ役員も出席しない中での交渉は交渉とは言えません。今回の交渉では組合側から、要求の根拠についてデーターを用いて説明をしました。経済状況について、労働者を取り巻く環境について、経営環境についてです。
 特に経営環境のところでは、物造り日本の信用・信頼を低下させることなく、日本経済の安定をはかること。そのために、
1.海外生産の見直しをはかり、国内生産を活発にする。(雇用増、人口増)
2.正社員が当たり前の雇用形態を率先する。(技術・技能を磨き付加価値を高める)
3.部品供給企業への製品単価を引き上げ、経営の安定と労働者の労働条件を引き上げ、生産性と品質を格段に向上させること。

これらを実現していく上でデンソーの果たす役割はなにか。
 利益をため込む体質から、利益を分配する体質に変えていくことが重要です。
海外生産の在り方を見直し、国内生産に比重を置いた経営をすることで、深刻なデフレ・円安傾向を安定させ、深刻な経済危機打開の力になる。そのために、賃金引上げをはじめ安定した雇用を実現する。日本経済全体の再構築のために、ぜひとも独りよがりの企業活動ではなく、社会性を持った賃金等の要求に答えていただきたい。との内容(要旨)でした。要はトヨタ・デンソーが高い賃上げを勝ち取らないと全体に波及しにくいのです。
すべての労働者は結集し、要求を勝ち取ろう!

コメント (3)
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