10月30日(木)名古屋地裁にてデンソー(本社刈谷市)社員のKさんが訴えていた、トヨタ・デンソー過労うつ病賠償裁判の判決がありました。
15時30分から始まった法廷は入れ切れないほどの傍聴者で埋め尽くされ、多見谷裁判長が判決文を読み上げました。
トヨタ・デンソーの責任を認めて、休業期間の損失と慰謝料の支払いを命じました。
同判決は、「被告トヨタ・デンソーは、平成11年11月には、原告に対し、業務の軽減、その他何らかの援助を与えるべき義務が生じ、その後も原告の業務遂行の状況や健康状態に注意し、援助を与えるべきであったと言うべきであり、それにもかかわらず、少なくとも原告が第1回うつを発症するまでこれを怠り、また、遅くとも平成12年3月には被告デンソーに帰社させるべきであったのに、かえって長期出張をしたのであるから、同義務の不履行がある。」として両社の安全配慮義務違反を認めています。
被告側の弁護団は3人いたのに、本日は1人しか出席せず、白旗を揚げていた事が伺われました。
事案の概要
デンソーの従業員であるKさんはトヨタ自動車へ出向した後にうつ病を発症し休職しました。いったん回復し、デンソーに復職しましたが、デンソーとトヨタ自動車の共同プロジェクトの中で、うつ病を再発。現在も療養中です。
刈谷労基署に労災申請しましたが却下されました。Kさんは現在デンソー、トヨタ自動車の業務が原因でうつ病になり、休職を余儀なくされたことに対して、損害賠償を請求する裁判をおこなっています。
弁護団 弁護士 岩 井 羊 一
第1 本件の事件の内容
1 デンソーの社員である原告が、トヨタ自動車へ1999年8月に出向したのちに2000年4月ころうつ病を発症し、8月に休職。
いったん回復し、デンソーに復職したが、2002年6月ころからのデンソーとトヨタ自動車の共同のプロジェクトのなかで、うつ病を再発。現在も療養中。
デンソー、トヨタ自動車の業務が原因でうつ病になり、休職を余儀なくされたことについて、デンソー、トヨタ自動車の責任を問い、損害として発生した休業損害、逸失利益、慰謝料など請求している。
2 また、2003年に、1回目のうつ病、2回目のうつ病の休職について、労災の休業補償給付を請求したが、この請求について刈谷労基署長が不支給にしたことに対し、国に対し、9月に訴訟を提起した。
第2 損害賠償裁判の経過
1 2006年5月11日損害賠償提訴
2 2008年7月28日結審
3 2008年10月30日 判決予定
第3 本件の争点
①業務がうつ病発症の原因かどうか。
②トヨタ、デンソーに安全配慮義務違反の過失があるか
③その慰謝料をどう評価するか。
第4 判断のポイント
1 長時間労働の影響
2 業務内容の変化の評価
3 原告担当業務の過密性・過重性
4 原告が担当していた業務の裁量性のなさ
5 被告らの原告に対する支援の欠如 デンソーとトヨタの関係
6 上司からのパワハラ
7 会社の健康管理態勢
第5 本件各訴訟の意義
1 うつ病を発症した現役の従業員が、ご本人が、職場での業務と、体調不良の状況を克明に語っている裁判。
2 トヨタ、デンソーの過密な労働実態を明らかにする裁判
トヨタ生産方式が労働者に重大な心理的負荷(ストレス)を与えていることに警鐘をならす
職場のパワーハラスメントの実体
3 トヨタ、デンソーの違法性、責任、その重大さを明らかにする裁判
会社が、このような精神疾患の発症を防止するためにしなければならないことを考える契機となる。発症により、従業員にトヨタ、デンソーの責任で休業期間の損失と将来にわたっての不利益が発生していることを認めさせる。
15時30分から始まった法廷は入れ切れないほどの傍聴者で埋め尽くされ、多見谷裁判長が判決文を読み上げました。
トヨタ・デンソーの責任を認めて、休業期間の損失と慰謝料の支払いを命じました。
同判決は、「被告トヨタ・デンソーは、平成11年11月には、原告に対し、業務の軽減、その他何らかの援助を与えるべき義務が生じ、その後も原告の業務遂行の状況や健康状態に注意し、援助を与えるべきであったと言うべきであり、それにもかかわらず、少なくとも原告が第1回うつを発症するまでこれを怠り、また、遅くとも平成12年3月には被告デンソーに帰社させるべきであったのに、かえって長期出張をしたのであるから、同義務の不履行がある。」として両社の安全配慮義務違反を認めています。
被告側の弁護団は3人いたのに、本日は1人しか出席せず、白旗を揚げていた事が伺われました。
事案の概要
デンソーの従業員であるKさんはトヨタ自動車へ出向した後にうつ病を発症し休職しました。いったん回復し、デンソーに復職しましたが、デンソーとトヨタ自動車の共同プロジェクトの中で、うつ病を再発。現在も療養中です。
刈谷労基署に労災申請しましたが却下されました。Kさんは現在デンソー、トヨタ自動車の業務が原因でうつ病になり、休職を余儀なくされたことに対して、損害賠償を請求する裁判をおこなっています。
弁護団 弁護士 岩 井 羊 一
第1 本件の事件の内容
1 デンソーの社員である原告が、トヨタ自動車へ1999年8月に出向したのちに2000年4月ころうつ病を発症し、8月に休職。
いったん回復し、デンソーに復職したが、2002年6月ころからのデンソーとトヨタ自動車の共同のプロジェクトのなかで、うつ病を再発。現在も療養中。
デンソー、トヨタ自動車の業務が原因でうつ病になり、休職を余儀なくされたことについて、デンソー、トヨタ自動車の責任を問い、損害として発生した休業損害、逸失利益、慰謝料など請求している。
2 また、2003年に、1回目のうつ病、2回目のうつ病の休職について、労災の休業補償給付を請求したが、この請求について刈谷労基署長が不支給にしたことに対し、国に対し、9月に訴訟を提起した。
第2 損害賠償裁判の経過
1 2006年5月11日損害賠償提訴
2 2008年7月28日結審
3 2008年10月30日 判決予定
第3 本件の争点
①業務がうつ病発症の原因かどうか。
②トヨタ、デンソーに安全配慮義務違反の過失があるか
③その慰謝料をどう評価するか。
第4 判断のポイント
1 長時間労働の影響
2 業務内容の変化の評価
3 原告担当業務の過密性・過重性
4 原告が担当していた業務の裁量性のなさ
5 被告らの原告に対する支援の欠如 デンソーとトヨタの関係
6 上司からのパワハラ
7 会社の健康管理態勢
第5 本件各訴訟の意義
1 うつ病を発症した現役の従業員が、ご本人が、職場での業務と、体調不良の状況を克明に語っている裁判。
2 トヨタ、デンソーの過密な労働実態を明らかにする裁判
トヨタ生産方式が労働者に重大な心理的負荷(ストレス)を与えていることに警鐘をならす
職場のパワーハラスメントの実体
3 トヨタ、デンソーの違法性、責任、その重大さを明らかにする裁判
会社が、このような精神疾患の発症を防止するためにしなければならないことを考える契機となる。発症により、従業員にトヨタ、デンソーの責任で休業期間の損失と将来にわたっての不利益が発生していることを認めさせる。