労働時間規制を破壊し働かせ放題の「高プロ」導入に反対する
緊急声明
2018年5月14日
日本労働弁護団幹事長
棗 一郎
政府与党は5月2日、野党6党の強い反対を押し切って、衆議院での働き方改革関連一括法案の審議入りを強行した。しかも、今週か来週には一括法案を強行採決しようとしている。極めて憂慮すべき事態であり、政府与党の一方的な国会運営を看過することはできない。
この法案には、野党が“スーパー裁量労働制”と批判する「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)の導入が含まれており、これには日本の全ての労働組合と労働者が反対しており、労働政策審議会での建議の際にも労働側委員は全員「高プロ」法案に反対している。また、過労死を考える家族の会などの市民団体や日本弁護士連合会などの法律家団体も「高プロ」法案に反対している。 最近の共同通信社の調査でも、主要企業百社のうち、「高プロ」導入への賛成は28%だけである。 このように、労使や市民、法律家団体のほとんどが反対している「高プロ」が入っている働き方改革一括法案を強行採決すべきではなく、法案から削除するべきである。
「高プロ」の本質は、「専門業務型のホワイトカラー・エグゼンプション」であり、労働基準法の労働時間規制を全く受けない労働者を作り出すというものであって、完全な規制の撤廃であり労働時間規制の破壊である。24時間営業のコンビニエンスストアのように、労働者に対し昼も夜もなく24時間働、休みなしで働けという業務命令が合法となる制度である。しかも、「高プロ」が裁量労働制より悪いのは、対象労働者には労働時間に関する何の権限も裁量もなく、使用者の業務命令には無条件で従わなければならないという点である。また、法案には、成果に応じた賃金が支払われる保証などどこにもない。際限のない長時間労働を強いられる危険性が極めて高く、長時間労働を助長する制度であり、“過労死促進法”“定額(賃金)で働かせ放題”の法案である。「高プロ」が導入されれば、 日本で働く全ての労働者にとって、取り返しのつかない危険を及ぼす虞があり、断じて容認することはできない。
私たちは政府与党に対し、「高プロ」を含む働き方改革一括法案を強行採決することなく、「高プロ」制度を撤回することを強く求める。
以上
私たちも愛知において名古屋を中心に教宣活動を展開しています。
緊急声明
2018年5月14日
日本労働弁護団幹事長
棗 一郎
政府与党は5月2日、野党6党の強い反対を押し切って、衆議院での働き方改革関連一括法案の審議入りを強行した。しかも、今週か来週には一括法案を強行採決しようとしている。極めて憂慮すべき事態であり、政府与党の一方的な国会運営を看過することはできない。
この法案には、野党が“スーパー裁量労働制”と批判する「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)の導入が含まれており、これには日本の全ての労働組合と労働者が反対しており、労働政策審議会での建議の際にも労働側委員は全員「高プロ」法案に反対している。また、過労死を考える家族の会などの市民団体や日本弁護士連合会などの法律家団体も「高プロ」法案に反対している。 最近の共同通信社の調査でも、主要企業百社のうち、「高プロ」導入への賛成は28%だけである。 このように、労使や市民、法律家団体のほとんどが反対している「高プロ」が入っている働き方改革一括法案を強行採決すべきではなく、法案から削除するべきである。
「高プロ」の本質は、「専門業務型のホワイトカラー・エグゼンプション」であり、労働基準法の労働時間規制を全く受けない労働者を作り出すというものであって、完全な規制の撤廃であり労働時間規制の破壊である。24時間営業のコンビニエンスストアのように、労働者に対し昼も夜もなく24時間働、休みなしで働けという業務命令が合法となる制度である。しかも、「高プロ」が裁量労働制より悪いのは、対象労働者には労働時間に関する何の権限も裁量もなく、使用者の業務命令には無条件で従わなければならないという点である。また、法案には、成果に応じた賃金が支払われる保証などどこにもない。際限のない長時間労働を強いられる危険性が極めて高く、長時間労働を助長する制度であり、“過労死促進法”“定額(賃金)で働かせ放題”の法案である。「高プロ」が導入されれば、 日本で働く全ての労働者にとって、取り返しのつかない危険を及ぼす虞があり、断じて容認することはできない。
私たちは政府与党に対し、「高プロ」を含む働き方改革一括法案を強行採決することなく、「高プロ」制度を撤回することを強く求める。
以上
私たちも愛知において名古屋を中心に教宣活動を展開しています。