全トヨタ労働組合(ATU)

トヨタ自動車および関連企業で働く労働者の企業横断型労働組合です。一人でも加入できます。

AKK吉田裁判(地位確認等)開かれました

2015年02月25日 17時20分15秒 | Weblog
 
 2月25日(水)午前10時から名古屋地裁にて開廷、今回は高裁で行われている労災認定裁判で「和解提案」が裁判長から出されたことで、双方が検討することになりました。その和解提案を受けて、地位確認裁判をしている地裁で具体的和解内容について本日話し合われました。
 原告と組合のスタンスは、労災を勝ち取れば、地位は確認できて、職場に戻れる道が開けることを求めて今日まで頑張ってきました。一方会社は労災は認めても、会社には戻したくないスタンスです。対立点があるわけですから、そこをどのように埋めていくことができるのか検討されました。
 このところの労働事件は、職場に戻さず金銭和解による解決が多いように見受けられます。なぜ被災した労働者を救済し、責任を持って安全配慮のもと職場に戻すことを会社は常識的に考えないのか、いいえ脳梗塞で倒れて半身不随になってしまった労働者が職場に復帰している例もあるのです。何が違うのか、吉田さんは両手とも痛みはあるものの握力は回復しています。産業医の判断で業務に配慮をすれば仕事はいくらでもあるのです。
 退職ありきのアイシン機工の姿勢は、CSRにも反する行為です。こんな企業体質ではいつまでたっても働く人たちは定着しない、働き手が集まらないでしょう。あえて言わせていただくと、会社の信頼回復には労災を認め、吉田さんを会社に復職させることです。
 4月16日が高裁の判決日です。それまでにどう判断するのか注目したいと思います。

合わせて本日は、2つの裁判がありました。いずれも西三河で起きていることです。
三輪裁判
 午前11時から名古屋地裁で、救急車などの特殊車を造る、トヨタテクノクラフトの下請け企業で働いていた三輪さんという労働者が、過労で23年6月に致死性不整脈で死亡しました。
 死亡前は毎日40分ぐらいのサービス残業した挙句、優に月100時間をこえる時間外労働をしていたというのです。裁判では、職場における長時間労働の実態とともに、原告が過労により、致死性不整脈を発症に至った心身の負担の全体像を明らかにすることが求められています。

関岡裁判
 同日午後2時から名古屋地裁にて、岡崎市の寺井土木で働いていた関岡さんが、出勤した朝に会社の敷地で自ら命を絶たれました。厳しい建設業界の中で、現場責任を任されていた関岡さんは、几帳面なひとでトラブル等に巻き込まれて、上司の援助もない中で精神的に苦しめられていました。会社から資料等が提供されない状態で、調査するにも八方ふさがり状態でしたが、公共事業でどのような業務をしていたのかが明らかになってきました。自死と業務の因果関係を明らかにすることが求められています。

これらの裁判とも連携を取りながら勝利に向けて取り組んでいきます。ご支援のほどをよろしくお願いいたします。
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労働紛争国際連帯活動

2015年02月23日 11時11分45秒 | Weblog
 トヨタよ何時までやっているんだ!
 14年目を迎えたフィリピントヨタ社における労働紛争の解決のために、東京、愛知でトヨタ自動車に対して一斉抗議行動を2月23日(月)に行いました。不屈に闘い続ける現地労働者と連帯をして、一日でも早く解決することを願って、連合加盟の全造船労組を中心に運動を広げています。私たち全トヨタ労働組合も2006年結成当時から支援運動に関わり、国際連帯行動として毎年9月にはトヨタ本社行動に参加するなどナショナルセンターを超えた連帯行動になっています。引き続き愛知での抗議宣伝行動を刈谷・ミッドランド前でもやる予定です。

トヨタ本社に争議解決のために「要請書」を提出
全文は以下です。

2015年2月20日
トヨタ自動車株式会社
代表取締役社長 豊田 章男 殿

フィリピントヨタ自動車労働組合(TMPCWA)委員長 エド・クベロ
フィリピントヨタ労組を支援する会    共同代表 山際 正道
フィリピントヨタ労組を支援する愛知の会 共同代表 田中 九思雄

フィリピントヨタ社における労働争議の解決に関する要請書
拝啓
ご存知のとおり、貴社には、フィリピン現地法人であるフィリピントヨタ社が従業員の労働組合の結成と団体交渉権の問題をめぐり2001年に233名もの大量解雇を強行し、さらに2010年にも4名の労働者を解雇した問題を14年近くもの長期間にわたって未解決のままに放置しているという、ただならぬ状態が存在しています。
この件に関しては、国際労働機関(ILO)から、「本件解雇は労働者の団結権と団体交渉権を公認している国際条約に違反しているから(解雇を撤回して解雇者を職場復帰させるか、それともその代わりとなるだけの適正な補償金を支払うか)、フィリピン政府の仲立ちのもとに労使間の交渉を尽して解決しなさい」という趣旨の勧告を何度も出されており、このことについても既に十分ご存知の筈です。
この間、解雇者とその家族達は、「会社側から誠意ある反省と償いの姿勢を示してもらえるまでは絶対に不当解雇を受け入れることはできない」と、血の滲むような苦労に耐えながら歯を食いしばって闘い続けています。
しかしながら、会社側は解雇者を塵芥のようにみなして相手にしないだけでなく、フィリピン政府を代表して解決のために尽力している労働雇用省の仲介努力さえも平然と無視しています。
一体全体、世界一流の多国籍企業かどうかは知りませんが、一国の政府の大臣が熟慮の上回答されたいと書簡で丁重に辞を低くしてお願いしているにもかかわらず、それに対して長期間にわたり回答をする素振りさえも示さず放置するという、政府の行政行為をも愚弄する傲慢な態度をあえて露骨に振舞える当該国の国内企業というものが存在するでしょうか。そういうことを行っているのが、貴社のフィリピンの現地法人フィリピントヨタ自動車株式会社なのです。
私達はアジアの発展途上国において現地法人にこのような蛮行を行わせていることに対して、その元締めである貴社、すなわち日本のトヨタ自動車株式会社およびその代表取締役社長である貴殿ご自身のガバナンス(管理運営)能力と責任を問わざるを得ません。
そしてまた、それにとどまらず、このようなフィリピン現地法人の態度は、貴社すなわち日本のトヨタ自動車株式会社とその代表取締役社長である貴殿ご自身の指示のもとになされているものであると、指摘せざるを得ません。なぜならば、貴社は本件解雇を強行した直後の当時は、「現地のことは現地で」などととぼけて、逃げの姿勢で本社責任をかわしていましたが、海外の投資家から「ILOから労働者の人権侵害を指弾されている企業には投資できない」と厳しく追及されるなかで「グローバルCSR(企業の社会的責任)ポリシー」なるものを制定して「地方、国、国際の法とその精神を尊重する」と表向き恰好の良いことを言って煙幕を張りながら、その実、労働者の団結権に関しては、「当該国の法律の範囲内に限って認める」という断り書きを入れて、真っ向から対決的姿勢を明らかにすることに転じているからです。企業の社会的責任ポリシーに関してこのように対決的姿勢を打ち出すようになったのは、幸便にもフィリピン最高裁から当該解雇有効の判決が得られたことに拠っています。この判決は全くの問題判決なのですが、要は進出先国の政府を意のままに動かせれば、「労働者の権利は当該国の法律の範囲内で認める」という言い方で労働者の権利を意のままに抑制することができるというわけです。貴社は、このような総論賛成各論反対ともいうべき、手の込んだ狡猾な「グローバルCSRポリシー」を制定し、それに従って労働者の組合結成や団交に対応せよと、世界の現地法人に号令をかけているではありませんか。
フィリピン現地法人の経営陣が「当社は、フィリピン最高裁から解雇は有効であるという判決を得ているからILO勧告に従わなければならない法的責任はない」と豪語していますが、それはまさに、そのように振舞うよう貴社が号令をかけているからではありませんか。
例えば発展途上国の政府が経済政策として外資誘致策を採らなければならないときに多国籍企業のご機嫌をそこねて投下資本を引き上げられないよう、労働者の権利を抑制したり、労働条件改善のため正当な団結権や団体行動権を行使したのに不当解雇されても裁判所に解雇有効の判決を出させて、多国籍企業を優遇したりすることもあります。貴社、そして貴殿ご自身にとっても、ほかならぬフィリピンでの本件に関して思い当たる節が多々ある筈です。しかしILOは、このような場合、「なるほど当該国の法律ではそうかもしれないが、それは国際労働基準の立場からは認められない」として、是正勧告を出しているのです。「労働者の権利は当該国の法律の範囲内で認める」という、貴社の一見ご立派そうに見えるポリシーのごまかし性がとっくに見透かされているのです。これがILOの立場であり、ILO勧告の意義です。そしてまたこれが今日国際社会にとうとうと流れる人権尊重の大きなうねりです。
貴社も貴殿ご自身もこのことはとっくに知悉し認識しておられる筈です。知らない筈はありません。もしも知らないということでしたら、そういう状態で一流多国籍企業の看板を張って事業を続けることは大いに問題であり、またもしそれを知っているのにそれに従わずそれに逆行する態度を取り続けるのでしたら、やがて国際社会から、悪質な故意犯であるとして大きな批判を浴びせられることは火を見るよりも明らかでしょう。
そのようなことにならないうちに、まず本件労働争議の解決に誠意ある反省と償いの態度を示すことによって、ILOからも社会からもそして投資家からも「さすがはトヨタだ!」と太鼓判を押してもらえるよう、今直ちに勇気ある決断をされることを、心から期待すると共に要請する次第です。                                          
敬具 
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36回目のトヨタ総行動決行

2015年02月13日 19時25分24秒 | トヨタ自動車
  会場豊田市山の手公園

1000人規模の一日行動
 2015年2月11日(水祝)恒例のトヨタ総行動が豊田市で行われました。この日は早朝から名古屋ミッドランド周辺とトヨタ本社、豊田市駅前、刈谷市駅前の4か所で大規模なビラ配布行動を行いました。ATUのメンバーも参加しました。

豊田市山の手公園で決起集会
 午後1時開会で、トヨタ本社に近い山の手公園にて集会を開催、東海4県と福井、石川、東京公害患者の会などがバスをチャーターして参加しました。
「今年こそ大幅賃上げを!中小・非正規労働者すべてに実効ある賃上げを!」求めて気勢を上げました。

トヨタ本社までデモ行進
 集会後は1時間掛けトヨタ自動車本社までデモ行進を行い、気勢を上げながらトヨタには社会的責任を求め、労働者を激励しました。集会参加者は「小春日和の天気で気持ちよかった。トヨタの労働者の頑張りがあれば、私たちの中小にも良い影響があると思う。頑張ります。」と言っていました。
 2015春闘は始まりました。労働者にとっては久しぶりの追い風です。この風に乗り遅れ無いように、これまでの賃下げを取り返すチャンスです。経済の好循環を確かなものにするには、GDPの約6割を占める勤労者の所得を増やし需要と供給のバランスを取ることです。それと今や4人に一人が65歳以上の高齢者です。年金をはじめ社会保障を削る現政権の政策は間違っています。大企業の内部貯金と富裕層の税金を引き下げるのではなく、引き上げて社会保障等に充てるべきです。要はお金を滞留させずに循環させることではないでしょうか。

トヨタ部品単価を引き上げよ
 1月30日経済財政諮問会議後に甘利担当相が記者会見で明らかにした。14年の下半期に続き、15年の上半期も部品購入単価を引き下げの要求をしないというのです。「賃上げの原資にしてもらえればいい」と言ったそうですが、冗談ではないというのが下請けの経営者です。これまでどれだけ協力してきたのか分かって言ってるからたちが悪い、トヨタが6000円ベースを上げるなら、下請けも6000円上げれるように部品単価の引き上げに配慮すべきでしょう。というのが本音のようです。労働組合も積極的に交渉すべきです。
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トヨタ総行動の一環として企業要請行動

2015年02月06日 16時41分43秒 | トヨタ自動車
トヨタ本館

 愛知県労働組合総連合をはじめとした愛知県下で運動する団体の「トヨタ総行動」実行委員会は、2月6日(金)に、トヨタ自動車・デンソー・アイシン精機・豊田自動織機・トヨタ紡織・トヨタ車体を訪問して、社会的自覚を持っていただくよう要請活動を行いました。内容は下記です
 各社の利益を下請け企業に!
 トヨタ自動車は昨年の後半と今年の前半は、製品単価の引き下げ要求はしないとマスコミで報じられています。その分賃金引き上げに回すよう言われていますが、そんなことはできません。円高の中で親企業の要望に応えてきた下請け企業は体力がありません。ましてや円安の恩恵はまったくありません。
 こうした事情を改めるには、製品単価の引き上げ要求にこたえるべきです。そうしてこそ労働者の低賃金・長時間労働を是正することに結びつきます。労働組合も積極的に主張していきましょう。



                                           2015年2月6日
トヨタ自動車株式会社 
取締役社長  豊田 章男 様
                                           第36回トヨタ総行動実行委員会
                                           実行委員長   榑松 佐一
                                           連絡先:愛知県労働組合総連合

労働者の賃上げと下請中小企業の経営を守り、地域経済の発展のため
トヨタ自動車および関連企業の「社会的責任」を求める要請書
 貴職におかれましては、自動車産業の健全な発展にご尽力されていることと存じます。
 さて、昨年の春闘では数年ぶりにベースアップを含む賃上げが実施されました。しかし、それも一部大企業にとどまり、中小企業に働く労働者や多くの非正規労働者には賃上げはおよんでいません。「賃上げで経済を好循環させる」という安倍首相のいうような状況にはありません。むしろ、14年4月からの消費税増税や円安による物価高で、勤労者の所得は減少しています。中小企業の経営も円安で資材などが高騰し、依然として厳しい経営が強いられています。
『中日新聞』14年11月12日の「社説」は、「トヨタ最高益 下請けには〝恩返し〟を」として「今回はトヨタが支援する番ではないか」と述べ、「部品買い上げ価格の引き上げ」などを求めています。また麻生財務相が1月5日に「投資や賃上げをせずにお金を貯め込む企業を『守銭奴』」と発言したことに、全国知事会長の山田啓二京都知事は9日、「表現はともかく、まったくの同感だ」と述べました。山田氏は、「大企業の内部留保は増えているのに、地方では中小企業の経営が好転せず、実質賃金も下がり続けている」と指摘しました。
 私たちは、いまこそトヨタ自動車をはじめとする関係企業が内部留保を活用し、下請単価の改善をはかり、下請の経営の安定を図ることやそこで働く労働者の賃上げが可能となる施策をはじめ、以下の項目について実施されるよう強く求めるものです。

                             記

① 2015年春闘では、すべての労働者に残業がなくても生活できる賃金を保障すること。非正規労働者の正規化をすすめ、雇用の安定を図ること。
 ② 関係する職場すべてにおいて労働災害やセクハラ・パワハラを一掃すること。
 ③ 中小下請企業(3次以下の下請企業を含む)への下請単価の改善をおこない、下請二法をはじめとする法律を遵守すること。
 ④ 自動車排ガス公害をなくし、被害者のための新たな救済制度設立にむけて積極的な役割を果たすこと。
 ⑤ 上記要請項目の実現のために、増え続けている内部留保の一部を活用すること。

                                                               以上
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AKK吉田高等裁判(労災認定)結審

2015年02月03日 18時09分06秒 | Weblog


結審、判決4月16日 
 2月3日(火)午前11:30から名古屋高裁にて労災認定裁判がありました。昨年3月18日に名古屋地裁にて右手労災を認定されたのに、アイシン機工は国の非控訴に反発して補助参加をしてきました。あれから約1年の(実質6か月)審議を終えて本日結審をしました。判決は4月16日と決まりました。
 
裁判官和解を提案
 判決日は基本的に変更しないことを告げて、その間に双方で話し合って和解を模索することになりました。これで地裁判決がひっくり返ることはないだろうというのが我々側の判断です。裁判官の意図することをアイシン機工がどう判断して結論を出すのか大変注目するところです。裁判を長引かせればするほど、労働争議のあるトヨタ系企業は社会的にも確実に信用を落とすことになります。それでも最高裁まで争うというのであれば愚の骨頂でしょう。この姿勢は明らかにトヨタやアイシン精機の戦略が強く影響しているはずです。勝ち目のない裁判に税金を使わされて、国側はうんざりしていることでしょう。

解決は一つ
 労働災害を認め、職場に戻すこと。吉田氏のコメント「自分が生きていく上で、やるべきことをやりきって結果が出たことは受け入れる。あと支援してくれた仲間のことを思うと、報いなければならないと思う」がんばろ!
コメント (15)
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