ピッツバーグ大学の隣にあるカーネギー博物館。
博物館といっても、美術館も併設している。
これがとんでもなく巨大なんだけど、ちょうど日本の浮世絵と新版画の展示会をやっていた。
僕自身、これだけの量の浮世絵や版画を見たのは初めてだったけど、アメリカ人が常設展以上に浮世絵を楽しんでいたことが印象的だった。口々にいろんな意見を言って討論している。
西洋の油絵と違って、浮世絵は一色を広く使う(版画だから)。その一色のグラデーションが僕は浮世絵で一番きれいなところだと思う。
一色を広く使うのはアニメと同じ手法。だから日本はきれいなアニメが作れるのかなとなんとなく思った。
それを巧みに使っているのが空や山や海の色。
こんなさっぱりしていて清清しい色は油絵じゃできない(手法が対極だし)。
あと、人の肌。西洋画は何度も何度も塗って肌の色に深みを出していくけど、浮世絵は一色だけ。薄いきれいな肌色。一色だけでこんなにきれいに肌を描けるなんて西洋人は考えられなかっただろうと思う。
とにかく、浮世絵や新版画はすごい。
あと、レプリカだけど実物大の『ミロのビーナス』と『サモトラケのニケ』の像があった。
特に『サモトラケのニケ』は見れてよかった。
翼の生えた女性の像で、顔と腕が破損してない有名な像だ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%A2%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%B1%E3%81%AE%E3%83%8B%E3%82%B1
思ったよりかなり大きくて、迫力がある。
とにかくかっこいい。顔も腕もないけど、羽が大きくて、たくましくて、それだけでかっこいい。
ミロのビーナスもそうだけど、見えない部分を自分で理想の形に想像するため、より完全なもの見えてくる。
これだけでも、この美術館来た価値があったと思った。
気持ちもだいぶ晴れてきた。