キャラバン サライ

夢は大空へ、努力は足元で、世界に目を向けながら足元から子供たちを見直していきたいと思っています。

羊をめぐる冒険

2009年10月27日 | Weblog
この前、沖縄へ旅行に行ってきた。
ちょうど読んでいた村上春樹の『走ることについて語るとき僕の語ること』を読み終わったところだったので、那覇空港の待ち時間に村上春樹つながりで『羊をめぐる冒険』を買ってみた。

これまで、村上春樹の本は何冊か読んできたけれど、すごくすごくいいと思ったものはない。
一番人気の『ノルウェイの森』は2回読んだ気がするけど、それでもただなんとなく面白いからというくらいの感じだったと思う。
ストーリーすら覚えていない作品もいくつかあるくらいだ。
それはたぶん、ほんとうに印象が薄かったんだと思う。
たぶん、ストーリーばかりに注目して、そこからなにかを掴もうと躍起になって読んでいたのかもしれない。
なにせ、これだけ有名な作家だ。
外国でも評価を受けている。
きっとなにかものすごいストーリーなんだろう、と期待に胸を膨らまし読むわけだ。
でも、読み終わったはいいけれど、物語の終わりにきちんとした説明があるわけじゃない。
ハリウッド映画のように分かりやすいハッピーエンドがあるわけでもない。
謎は謎のまま、複線は複線のまま。
緊張して、何も見逃さないぞと意気込んで読んでいたのに肩透かしを食らった感じ。

でも、『走ることについて語るとき僕の語ること』を読んでいて村上春樹さんに対する感情が少し変わった。
この人はランナーで、作家で、そして普通の人間であるということを感じた。
とても面白い、気の利いた、そして絶妙な表現ができる、でも僕らと同じ目線で生きている人間なんだと思った。
それで肩に力を入れずに村上春樹の作品を読めるようになったのかもしれない。

『羊をめぐる冒険』は、読みはじめからもうどきどき、わくわくした。
表現や比喩の面白さ。
これからしばらく、こんなに楽しい時間を過ごせるのかと思うと、それだけでうれしくなった。
そのパワーは最後まで続いた。
最後まで、楽しかった。
終わってしまうのが寂しかった。
よく聞く言葉だが、いわゆる「村上春樹ワールド」なるものにもっと浸っていたいと思った。
そして、今回は初めて村上春樹の作品を読んでいて感動もした。
これには自分でも驚いた。

長くなったけれど、今でもわくわくしている。
不思議な作品を書ける村上春樹さん。

VICTRINOX

2009年10月17日 | Weblog
久しぶりに時計を買った。
カタールでそれまで使っていたお気に入りをなくしてしまってからはランニングウォッチを普段つけていたが、さすがにそれでオフィスはちょっとと思ったので。

赴任前から、もっというと就職前から欲しかったVICTRINOXの時計。
無茶苦茶高い時計じゃないけど、いつかはと思って楽しみにしていた。

なんだかこう、ものすごくしっくりくるデザイン。
一目見たときから、前からずっと知っているように感じる。
でも、懐かしいとかじゃない。

僕の中に漠然と稚拙なデザインのイメージがずっとあって、その稚拙なデザインを完璧な形に、目に見えるように作り上げた、そんな感じ。

走ることについて語るときに僕の語ること

2009年10月03日 | Weblog
村上春樹の標題にある本は、What We Talk About When We Talk About Loveという村上春樹の敬愛する作家の本のタイトルからきているそうだ。

それはそうとして、僕はあまり本を薦めることはしない(読む量も少ないので)のだが、珍しく人に勧めたい本だと思った。人といっても、自らランナーと思っている人、あるいは昔そう呼ばれていた人たちへ。

映画で感動することはよくあっても、本を読んでこんなにいい気持になったことはなかなかない(少なくともここ数年は)。
内容はとくにふれない。
ただ勧めたい。