キャラバン サライ

夢は大空へ、努力は足元で、世界に目を向けながら足元から子供たちを見直していきたいと思っています。

ふと空を見上げてみると

2011年01月31日 | Weblog
最近、心や体にやさしそうな本をよく手に取る。
それはヨガの本だったり、健康に関する本だったり、部屋の整理本だったり、誰かの語録だったり。
なんだかジジくさい趣味になったかなとも思うけど、昔よりもこの手の本に抵抗がなくなっているのは、本当にジジィに少しずつでも着実に近づいてきている証拠か。
別にいやな気持ではないけど。

話がそれた。

その、最近よく手にする、その類の本によく書かれていること。

「一日、数秒でも、空をみること」

つまり、どんなに忙しくても、あくせくしていても、一日のうちほんの少しでもほっと息をつく余裕を持ちなさいということ。

それを読むたびに、そうか、それはいいなと納得していた。

ところが、昨日走っていて、ふっと、自分が空を見ていたことに気付いた。


ああ、走っているとき、僕は空を見て走っていたんだと、妙な驚きがあった。


長い距離を走っているときばかりではない。
短い距離のとき、特に練習で200mから300mを走っているときなんかは、僕はよくすっと空を見て、すっとお腹の辺りの力を抜いて、もしかしたら少し笑っていたりしているかもしれない。
試合で400mを走るときも、100mを過ぎたバックストレートで、僕はよく空を見て走っていたように思う(顎が上がっているだろ!という突っ込みもごもっとも)。

それは、現実逃避だったかもしれない。
体の苦しさをごまかすために、遠い空に気持ちを乗せていたのかもしれない。
でも、いずれにせよ、僕は空を見て走っていた、ということは驚きであり、うれしいような気もする。

好きな言葉。
「夢は大空に、努力は足元に」

へんなこじつけかもしれないけど、あのころ、足元で努力しながら、夢を大空に見ることができた。
今、足元で努力しているだろうか。
大空に夢を見られているか。


旅先で読む本 『中国行きのスロウ・ボート』

2011年01月19日 | Weblog
旅先で本を読むことが好きだ。
それも、そのとき旅している場所とは関係のない、特に日本人作家の本を読むことが多い。
日本語を話すことが少ない環境で、もしかしたら朝からろくに人と会話すらしないような日には、つい、心地よくてきれいな日本語に触れていたいと、知らず知らずの間に思っているのだろうか。

今回の旅行で読んだのは、村上春樹の短編集『中国行きのスロウ・ボート』。
作者が初めて出した短編集だそうで、旅行前に映画『ノルウェイの森』を観た勢いで、買ってみた。

作者の本は何冊か読んでいるが、短編集は初めて。
でも、短い物語ならではの、自由にやりたいことをやれるというような、大好きな作者の文体がぞれぞれの短編で自由自在に変化している、そんなおもしろさがある。

特に気に入った短編は以下の4つ。

中国行きのスロウ・ボート
ニューヨーク炭鉱の悲劇
午後の最後の芝生

旅先にふさわしく、外国の名前が入っているものが二編。
確かに、作者の本は海外で読むのに、なぜだかいい気がする。

三鷹の森ジブリ美術館

2011年01月18日 | Weblog
以前からずっと行きたいと思っていた三鷹の森ジブリ美術館へ夕夏と行ってきた。

建物自体は思っていたよりも小ぶりだったが、中身は想像以上に濃くて満足。

屋上にたたずむラピュタの巨神兵。
その立ち姿にほれぼれ。
特に後ろ姿。
夕陽を眺める巨神兵のシルエットと、周りの木々がなんともにくい演出でしびれた。

ここだけで上映している短編映画がある。
今は8作目の『パン種とたまご姫』。
この映画、いい。
風車のメカ的な描写や、言葉を使わない設定、美男美女が登場しない展開、愛される悪役、とってもコンパクトな物語、大きな世界観など。
パンってこんな風に作られるんだと勉強になりました。

大きな猫バスのぬいぐるみ。
子供しか遊べないんだけど。
子供たちが猫バスにくらいついて、頑張ってよじ登ったり、こわごわ飛び降りたり、猫バスの中にたくさんつまっているまっくろくろすけに大喜びだったりと、それを見ているだけでもうれしくなってくるくらい、幸せな空間だった。

実はもっと過去の作品に関する解説があるのかと思ったけど、そういうのはあまりなくて、映画がどうやって作られるのかとか、映画を作る現場とか、そういうもっと根本的なところの展示が多かったように思う。
それはそれで、見入ってしまって、閉館時間を過ぎて僕らが最後のお客さんになってしまった。

そういえば、ジブリ美術館の中には図書室があって、宮崎駿監督が薦める本が並んでいる。
こういうお薦めの本を扱うところって好きだ。
ここの図書館も、すごく気になる魅力的な本がたくさん。
閉館時間を過ぎてしまったのも実はこのせい。
ロバート・ウェストールの『かかし』と『ブラッカムの爆撃機』を買ってみた。

こういう美術館に来て、キーホルダーなどのグッズを買わず、小説を2冊買ってほくほくしているところが、なんだか二人らしいなあと思う、帰り道なのでした。

ボリビア・ペルー・マイアミの新婚旅行

2011年01月12日 | Weblog
12月26日から1月9日まで、南米のボリビア、ペルー、そしてアメリカのマイアミを新婚旅行として夕夏と旅してきた。
先々で思ったこと、感じたことは追々書くとして、以下はそのダイジェスト。

・ボリビアについたちょうどその日に、大統領令でガソリン価格が約2倍に。それに反発したバスの労組がストライキを開始。当初予定していた移動手段が使えずあの手この手で目的地を目指す。

・そのストライキがデモに発展。地方都市では爆発音の中、住民と一緒にデモ隊から逃げ回る。首都では道路が封鎖され、軍の列と焼き討ちされた車を見る。

・ウユニ塩湖は、言葉や写真では(少なくとも僕の技量では)伝えられない、地球上の美しいを通り越した、不思議で変わった場所だった。

・ペルーのマチュピチュやオリャンタイタンボなどの遺跡群は、見れば見るほど、知れば知るほど、インカ帝国の文化の発展と強大さを感じた。だからこそ、文字を持ちえなかったことや(中米のマヤ・アステカ文明はインカよりもずっと昔に栄えたのに文字を持っていた)、スペインにああもあっさりと征服されてしまったかについて、疑問が深まるし、違和感が強まる。この点については、夕夏と事前に数冊インカ帝国に関する本を読んで予習しておいてよかったと思う。

・インカ帝国の元首都であるクスコは、まるでスペインのよう(行ったことないけど)。それに比べてペルーの首都リマは発展途上国の街並み(喧噪)そのもの。ただ、ペルーと日本の文化交流を支援する施設を見学し、ペルーへ移民した日本人たちの歴史、そして現在を知ることが少しでもできたのは本当によかった。

・ボリビアもペルーもスペイン語だらけ。英語はほとんど通じない。こんなにスペイン語が強いなんて。スペイン語を勉強してみようかななんて軽い気持ちがわいてきた(感化されやすい)。

・マイアミでは、これまで敬遠していたリゾートというものについて、その魅力にとりつかれた。のんびり、なにもすることなく、リラックスするのってこんなにも気持ちよくて、心と体に優しいんだと感じる(まさに恐れていたこと)。ヨガの指導を受け、ヨガってすごくいいと思う。日本でもやってみようと思う(感化され…)。


取り急ぎ、写真をいかに掲載しました。
もっとじっくり写真を編集したい気分。

http://www.flickr.com/photos/27366893@N04/sets/72157625800242302/