キャラバン サライ

夢は大空へ、努力は足元で、世界に目を向けながら足元から子供たちを見直していきたいと思っています。

食卓

2012年02月26日 | Weblog
最近平日は、朝が早く帰りも遅いため、夕夏と家で食事をする機会が少ない。
なので、休日はできるだけ一緒に食卓を囲む。

外食のバラエティ豊かな料理もいいけど、家の食卓でご飯や魚や野菜を少量ずつ食べるのも悪くない。
むしろ、そのときが最も至福な時間に思える。

ミスチルのアルバム『シフクノオト』のシフクは、至福と私服の両方をかけているそうだ。
夕夏と食卓を囲んでいるときは、僕にとっても私服な時かもしれない。

ある人が理想の家庭像とは、楽しく食卓を囲める家庭であると言っていた。
賛成。

タケオ~ダウン症ドラマーの物語~

2012年02月25日 | Weblog
家の最寄駅である大倉山駅の隣に、長くて急な坂がある。
そこをずんずん上っていくと、大倉山記念館という洋館がある。
地域の発表会や集いの場となっている建物だ。

その大倉山記念館で毎年、大倉山ドキュメンタリー映画祭というものが催される。
昨年、そこで二本の映画を観ていたく感動したため、今年も足を運んだ。

まず観たのが、『タケオ~ダウン症ドラマーの物語~』という映画。
タケオというダウン症の青年が、アフリカのセネガルでアフリカンドラムのワークショップに参加する。
その模様を追いかけながら、これまでのタケオの音楽を通したいろいろな出会い、体験を振り返る、そんなドキュメンタリー映画。

タケオは言葉を使った長いコミュニケーションはできない。
それでもみんなと心を通わせている。
そこで見せる、タケオの自信にあふれた姿が印象的だった。
音楽という、自分が信頼できて、自分に自信が持てるものがあるということが、きっとタケオの積極的に人や音楽に関わってく姿勢に現れているんだと思う。
それが、うらやましくもあり、なんだか希望にも感じる。

映画の中で、セネガルの人間国宝第一号と呼ばれるアフリカンドラマー演奏者のおじいさんが、
人間それぞれが持っているリズムを最大限引き出すことが大切なんだ、
と言っていた。

それは、これまで僕が学校の音楽の授業で教わったこととは随分違うことだ。

体系的に完成された西洋音楽の型。
五線があって、ドレミファの音階があって、オタマジャクシの音符がある。
この型にはまらない音楽はない。
はまらないものは音楽じゃない。
そして、その型通りに、楽譜の通りに演奏できることが優秀で、いい音楽だと教えられた。
決して、自分のリズムで自分の音楽を演奏することは教えられなかった。

だから、このおじいさんの言葉には、すごく魅力を感じた。
たぶん、音楽だけじゃなくて、絵画でも彫刻でも写真でも生け花でも、そんな人間の創作活動全てに当てはまるんじゃないか。
体系的に築き上げられた型にはまることではなく、上手だと評価されなくても、自分が本来持っているリズムを外に表現できることが大切だということ。

合唱や合奏には向かないかもしれないけど…。


もう一つ、タケオのお母さんの言葉。

親は、子供に場をつくってあげることはしないといけない。
それは、子供にはできないことだから。
その場の中でどうするかは、子供の好きなようにやらせるけれど。


なんとも謙虚だけど、気持ちのいい言葉。

これまで、ピアノ教室とか水泳教室とか、そういうものに対してなんだか親の理想や横並びや子供への押しつけみたいなイメージがあって、ネガティブな感情を持っていた。
でも、確かに子供が自分で場を作ることはできない。
場がなければ可能性はゼロだ。
ならば、せめて親は場を作ってあげる。
いくつもは無理でも、せめて子供が興味を持ったことに対しては、できるだけの場を作ってあげたい。
タケオのお母さんも言っていたけど、子供の喜ぶ顔を見るのが親の幸せだから。

同期

2012年02月17日 | Weblog
久しぶりに同期たちと飲んだ。

同期っていいなと思った。

上でも下でもなくて、気負ったり、見栄を張ったりする必要もなくて。
入社した時から弱いところも、かっこ悪いところもみんなお互い知り合っている仲。
いまさらかっこつけても仕方が無い。

最近は、人をマネージしたり、新人を教育したりという立場ばかりで、それこそ飲み会でも何だかカッコつけていた。
そんな時に、こうして弱いところを恐れず出せる同期というのは、不思議だけどいいもんだ。

原発を終わらせる

2012年02月15日 | Weblog
東日本大震災からもうすぐ一年が経つ。
日に日に震災関連のニュースが周りから消えていく。
あれほど騒がれた節電も、全く聞かなくなった。
一説には、昨夏の節電キャンペーンは電力会社の企みだったという話も聞く。
原発の必要性を知らしめるために、まだ発電余裕があるにもかかわらず電力危機を国民に訴えたとか。
その真偽はともかく、原発を今後日本が、そして世界が使い続けて行くのか、そんな議論も日に日に聞かなくなった。
聞かなくなるという事は、それだけ我々に情報が届かなくなるということだ。
そして、原発を推進したい電力会社や原子力村と言われる既得権益者に有利になるという事だ。


原発は廃止すべきなのか、それとも様々問題を抱えながらもやはり必要なものなのか。
その考察をする知識が欲しくて、とりあえず読んでみたのが『原発を終わらせる』。


タイトルからして原発廃止論の本だが、著者が一人ではなく、14人の専門家がそれぞれの視点から論じている、そんなところがいいと思った。


読後の意見として。

原発は人道的にも環境的にも、そして経済的にも成り立たない不合理なものである事。
だから、段階的にでも無くしていくべきものであるとの、これまでの考えがさらに強まった。
それに留まらず、核の利用は軍事目的はもちろん、平和利用としても放棄すべきと思う。

しかし、原発の代わりとして挙げられている再生可能エネルギーについては、納得のできる技術的な根拠が全く述べられておらず、別の本を読む必要がある。

太陽光発電では、太陽が少しでも雲に隠れた瞬間に出力が一気に落ちる。
いくら分散型電源で災害のリスクを減らすと言っても、曇りの日は日本中曇りだ。
その場合は、太陽光および太陽熱発電量はゼロ。
風力発電も風の弱い日だってある。

出力が急激に変化したり、予測できなかったりというのは発電設備としてとても扱いづらい。
むしろ、系統を乱す事で大規模停電にも繋がりかねないお荷物だ。

それを克服するための技術的解決策が本書では殆ど書かれていない。
リチウムイオンバッテリーを使って電力の消費を平準化するというようなことが書いてあったが、そんな一電力会社の供給する電力規模の大容量のバッテリーは、コストの面からも効率の面からもサイズの面からも、現段階では非現実的だ。
そうであれば、火力発電を増設するしかない。
しかし、温室効果ガスの削減が前提の低炭素社会に逆行して声高に火力発電所を増設する意見は本書では見られない。


原発を廃止にしろと声高に叫ぶのは簡単だ。そのための理由には事欠かない。
しかし、現実的にはその代替エネルギーか必要だ。
それを具体的に述べている本を探したい。


アンサンブル演奏会

2012年02月12日 | Weblog
会社の後輩に招待されて、アンサンブルの演奏会に行ってきた。

京王井の頭線沿い、永福町という駅から続く商店街の一角に、とってもこじんまりとした白塗りの室内楽演奏ホールがあった。
中は学校の教室の半分くらいの大きさだろうか。
室内楽の演奏会は初めてなのでこれが普通なのかもわからないが、イメージしていたのよりもずっと小さく感じた。

会社の後輩も所属する楽団は、オーケストラが本来の形式なのだそうだが、たまにはアンサンブルもやりたいという楽団員の意見から、今回の演奏会が決まったという。
ちなみに、アンサンブルとは二人以上で演奏するもののうち、オーケストラ以外のものの総称だそうだ。

クラッシック音楽って、現代の僕らが聴くことと、昔(クラッシック音楽が、クラッシックでもなんでもなく、まさに音楽の最先端だった時代)の人が聴くことでは意味が随分違っていたんじゃないかと、ふと思った。

現代では、テレビ、街角、お店の中など、あらゆるところで音楽があふれていて、音楽を聴かない日はないくらいだ。
それに比べて、テレビもレコードもラジオもなかった時代、人々はどうやって音楽を聴いていたんだろう。
お祭り、祝い事、演劇、農作業、わらべ歌、それくらいしか歌や音楽を聴く機会は想像できない。
そんな中で、西洋の宗教音楽に端を発し、宮廷音楽として発展していったクラッシック音楽は、当時では最先端音楽、一般の人では聴くことのできない超高級な音楽だったんじゃないかと想像する。
音楽といえば人の歌、楽器がついたとしても簡単な笛や打楽器くらいしか聴いたことのない人々が、ピアノやバイオリンの音色を聴いたらどれほど驚くか。
さらに、それらが複雑に重なり合ったアンサンブルを聴いたら、ましてやオーケストラを聴いたら・・・おそらく神の音楽とまで思うんじゃないだろうか。

ラジオやレコードがなかった時代、それら最先端の音楽が民衆に届けられる術はなく、限られた特権階級だけの贅沢だったんだろう。

そんな音楽を現代はこんなに手軽に聴くことができて、昔の人はどれだけ羨むことか。
でも、ロックもポップも様々な音楽が溢れる今の世の中、クラッシックは最先端の音楽ではない。
ぼくらにしても、そこに感じる驚きや感動は、昔の人とは違う種類のものじゃないか。

そんなことを考えながら、でも心地よい調べに少し眠くもなりながら、素晴らしい時間を過ごさせてもらった。