キャラバン サライ

夢は大空へ、努力は足元で、世界に目を向けながら足元から子供たちを見直していきたいと思っています。

TPP(賛成論とまとめ)

2011年12月30日 | Weblog
TPP賛成派の『TPP参加という決断』を読んだので、反対派『TPP亡国論』の意見に対してどのような反論をしているのか見てみる。



(TPP亡国論)TPPは、原則関税をゼロにすることだが、それ以前に日本の関税は世界的に見てもずっと低い。アメリカや韓国より低い。このため、TPP参加を平成の開国とするのはおかしい。

(TPP参加という決断)TPPへの参加について、メディアで言っているような平成の開国というような言い方は本書ではしていない。その点については、歴史を過度に意識している『TPP亡国論』より現実的だと思う。ただし、農業以外の日本の関税率が世界的に見ても低いレベルであることについてはほとんど触れていない。



(TPP亡国論)TPPの参加国は、シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランド、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシア、そしてアメリカ。このうち、日本とアメリカを除く国々のGDPは、TPP参加国全体のGDPの10%にも満たない。また、日本とアメリカ以外の国々は皆、外需依存度が日本より高く、これらへの国への日本からの輸出増は見込めない。このため、TPPによって日本の輸出が増えるとすれば、それはほとんど対アメリカである。

(TPP参加という決断)本書は、アメリカ以外の国への輸出も伸びるはずなので日本の企業にとってTPPは欠かせないという意見。『TPP亡国論』の方が外需依存度など説明が具体的で説得力がある。



(TPP亡国論)アメリカは、失業率の悪化と深刻な不況から、輸出を二倍にする計画を発表し、また輸入を抑える事を公言している。この計画の一環として、円高ドル安への流れや、TPPへの日本誘致がある。

(TPP参加という決断)アメリカが輸出を二倍にする計画や、TPPがその計画の一環であることを認識しながらも、日本のアメリカへの輸出も同時に伸びるはずなので大丈夫という楽観的な見方。円高にはあまり触れず、バイ・アメリカ政策については交渉でなんとかするという意見。これも、楽観的に思える。



(TPP亡国論)アメリカからの輸入品は、小麦や牛肉、とうもろこし(飼料)などで、アメリカ国内での生産余剰分が日本へ輸入される。このため、過去に何度かあった食料危機の場合では、アメリカ国内の需要を優先させ、日本への禁輸や高額な輸出となり、日本の戦略的立場は弱い。

(TPP参加という決断)TPP交渉の中で、日本は禁輸の禁止を訴えていくべきとの意見。ただし、それはかなり難しいと認めている。個人的にも、食糧危機になった場合に自国を優先して輸出を制限するのは国として当然なことだと思う。やはり、一定の食料自給率(特に穀物類)は日本にとっても必要だと思う。



(TPP亡国論)日本からアメリカへの輸出品は、車などの贅沢品が多く、またアメリカ国内でも生産できるものが多い。このため、日本とアメリカとの間に戦略的互恵関係が成り立っていない。

(TPP参加という決断)TPPにより日本もアメリカも輸出入が増えてハッピーだという意見。日本とアメリカの輸入しているものの違いについての言及はなし。当然、戦略的互恵関係についても言及なし。食糧危機による禁輸の禁止を交渉すべきとの意見も、このあたりの議論の欠落にあるように思う。



(TPP亡国論)日本は長期のデフレ状態にあり、不況を脱するためにはこれを緩やかなインフレにする事が最優先である。そのためには、公共事業などで内需を増やすことが必要だが、関税を撤廃する自由貿易はデフレをさらに加速させる力を持つため、さらに不況となる。

(TPP参加という決断)TPPにより、安価な輸入製品が大量に入ってきても、安いものを買った分だけ消費者の財布に余裕ができ、その分他のものを買えるのでデフレにはならないという意見。真っ向から『TPP亡国論』と対立するが、ちょっとこの意見は無理があるように思う。『TPP亡国論』の言うように、安い製品や農産物が大量に出回る → 国内の企業や農家もそれに対抗するために安くせざるを得ない → その分人件費が削られる → 所得が減る → 消費者はより安いものを志向する → さらなるデフレ&景気悪化。



(TPP亡国論)TPPへの参加で、例え一部の輸出企業の収益が上がっても、グローバル企業の利益は国民の利益に結びつかないため、日本の景気回復の手助けにならない。

(TPP参加という決断)輸出が伸びれば景気がよくなるという意見。グローバル企業の仕組みや、どう国の利益につながるかの言及はない。



(TPP亡国論)日本のGDPに占める輸出の割合は30%程度と低く、世界的に見ても内需立国である。日本の景気を回復させるには、とにかく内需を拡大させる政策が必要で、TPP参加はその逆を行く政策である。

(TPP参加という決断)日本が世界的に見ても内需立国であることへの言及はなし。とにかくTPPにより輸入が増えるはずなので、それが景気を押し上げるとの意見。内需の拡大が景気回復につながることへの議論も殆どない。



<まとめ>

『TPP参加という決断』は、概して楽観的であるという印象が強い。

構成としては、TPPの(かなり詳細な)各項目について説明をしたのち、もし日本がTPPに参加しなければこれら交渉に参加することもできず、日本にとって不利な枠組みができてしまう可能性がある、との結論で終わる。この繰り返し。

ただ、気を付けたいのは、その項目自身がTPPの交渉のテーブルに載せられるかどうかはまだわからず、載せられたとしてもアメリカや他の国との交渉で日本に有利な結論へ持っていけるかはわからないのである。

そもそも『TPP亡国論』でも指摘されているように、TPPはあくまでも経済の自由化について議論する場であり、『TPP参加という決断』が期待しているような経済自由化を超えた内容や政治的な事柄を議論すべき場ではない。
それを後から交渉に参加した日本が提案したとしても、どれだけの主導権をもって進められるか疑問だ。

さらに、『TPP参加という決断』では日本が交渉に成功した場合の日本の利益ばかりを説いているが、交渉に失敗した場合の日本の不利益については殆ど触れていない。逆に『TPP亡国論』では、日本に不利な交渉結果になった場合を強調しているので、この点はそれぞれ賛成、反対の立場上仕方のないことかもしれないが。しかし、単純に成功した場合を語られるより、失敗した場合にどうなるかをきちんと想定しておくのは大切なことだと思う。「想定外」はできる限り防がなくては。

どうも、最初に読んだ『TPP亡国論』への支持が多くなってしまうのだが、その一因は別の記事でも書いたように、まっさらな状態からTPPというものを反対派の視点から学んだために、TPPの基礎それ自体が反対をベースに作られ、賛成派の意見の一つ一つに反論できてしまうことにある。

しかし、それにしても、『TPP参加という決断』の意見はあまりに楽観的に思える。
例えば、「安い農産物が輸入されても、日本の高品質な作物は世界的に評価が高く輸出できる。だから日本の農業は生き残れる。」という『TPP参加という決断』の意見。
それに対して、『TPP亡国論』の意見はこうだ。
確かに、一部の高品質な農作物は輸出できるだろう。でも、それは日本の農産物のほんのごく一部で、そんな贅沢品をアメリカや中国が今の日本人が消費しているぐらいの量を輸入してくれるとは思えない。どう考えても、安価な農産物の流入で日本の農業は危機に立たされるのは避けられない。その結果食料自給率は低下し、これから必ず訪れるだろう食糧危機に対して日本の立場は非常に弱いものになる。
なんだか、こちらの意見の方が至極まっとうな意見に思える。


これまでのところから、現段階では僕はTPPへの日本の参加は反対、もしくは慎重にすべき、と思う。

ただ、この意見に至ったのは単に『TPP参加という決断』が悪かったせいだけなのかもしれない。
もしくは、僕の理解力が不足していて、『TPP参加という決断』を読み解ききれなかったのかもしれない。
いずれにせよ、一冊や二冊で意見を固めてしまうのは危険なので、これからもTPPに関する本や記事にはアンテナを張っていこうと思う。



2011年の振り返り - スポーツ -

2011年12月30日 | Weblog
2011年の振り返り。
スポーツについて。

まずは、ランニング系で。


山中湖ロードレース(ハーフマラソン、1時間39秒41秒)

これまでで最も激しい雨の中、簡易レインコートを着てのレース。
水たまりをバシャバシャかき分けていくのは、ある種快感。
目標にしていた1時間40分を最後は無我夢中のスパートで達成。



日米親善トライアスロン厚木大会(トライアスロン、Swim:200m, Bike:10km, Run:2km)

プチトライアスロン。
このために、週1~2回プールでSwimを練習。
最初は70mしか泳げなかったのが、最後は何とか400mまで泳げるようになった。
これは、水泳が苦手だった僕にとって大きなこと。
トライアスロン自体は、Swimでやはりものすごく抜かれた。



マウイマラソン(フルマラソン、3時間43分)

初の海外マラソンにして、これほどきついマラソンもなかった。
暑い、直射日光、向かい風、アップダウン、応援の少なさ。
歩きたいという誘惑に打ち勝つのに精いっぱいだった。



富士・鳴沢紅葉ロードレース(ハーフマラソン、1時間35分50秒)

前半はずっと登り、後半はずっと下りという凄まじいレース。
このおかげで、上りを楽に上るという感覚ができた。
後半の下りは足が壊れるんじゃないかというくらい飛ばす。
これも快感。



湘南マラソン(フルマラソン、3時間24分)

アップダウンが少なく、ひたすら直線コースで、タイムを狙うには最適なレースだと思った。
レース中、一旦切れてしまっていた気持ちがある事をきっかけに復活、ペースが戻った。
気持ちの大切さを知ったレースとなった。



EKIDENカーニバル(10km、42分)

会社の有志で。



河口湖マラソン(フルマラソン、3時間16分43秒)

今年の目標にしていた大会。
とにかく、最後まで気持ちを切らさないことを意識し、初めて最後までだれなかった。
今ある力を出し切った気持ち。



神宮外苑駅伝(5km、20分19秒)

会社の各代で。
19分台が続出する中、20分台しか出せず悔しい思い。
でも、チームは社内で一位。



そのほかのスポーツ。


ボルダリング

達成したときの喜びは大きいが、3回ほど通ったのち長続きせず。



自転車

GIOSのミニベロPANTOで、何度かツーリング。
途中で力尽きてしまうこともあったり、坂道で気持ちが切れてしまったりで、まだまだ練習が必要。




これまで、フルマラソンはワンシーズン一回だけだったが、今シーズンは既に3回走っている。
河口湖でのベストも、それが大きかったのではと思う。
その後、目標を見失ってだらだらしていたが、神宮外苑で多くの人に負けたことや、周りで頑張って走っている方々がいるので、この人たちに負けたくないというのが、今のモチベーション。
来シーズンは、今年ほど走れるか自信がないので、できればハーフのベストを出しておきたいところ。

2011年の振り返り - 本、映画 -

2011年12月29日 | Weblog
2011年を振り返っている。
まずは、読んだ本から列挙してみる。


Born To Run (クリストファー・マクドゥーガル、この本のおかげで、今年前半は前足部接地に夢中だった)

裸足ランニング(吉野剛)

大英帝国衰亡史(中西輝政、国が衰退していくのはどういった様子なのかに興味があり)

イチローの成功習慣に学ぶ(児玉光雄)

蟹工船・党生活者(小林多喜二、これほど凄まじい信じられないような描写は初めて)

パン屋再襲撃(村上春樹)

リーダーの条件(P.F.ドラッガー)

マネジメント(P.F.ドラッガー)

非営利組織の経営(P.F.ドラッガー)

ブラッカムの爆撃機(ロバート・A・ウェストール)

クライマーズハイ(横山秀夫、今年読んだ小説No.1。日航機墜落事故について何も知らなかったことに驚き)

沈まぬ太陽 3 - 御巣鷹山篇 - (山崎豊子)

かかし(ロバート・A・ウェストール)

グレート・ギャツビー(スコット・フィッツジェラルド、村上春樹訳)

キリスト教は邪教です(ニーチェのアンチキリストの現代版超訳、適菜収訳)

原発報道とメディア(武田徹)

不思議なキリスト教(橋爪大三郎、大澤真幸、今年読んだ新書No.1)

半落ち(横山秀夫)

ユニコーンの日(上・下巻)(福井晴敏)

赤い彗星(福井晴敏)

パラオ攻略戦(福井晴敏)

ラプラスの亡霊(福井晴敏)

重力の井戸の中で(福井晴敏)

黒いユニコーン(福井晴敏)

ジョブズ・ウェイ(ジェイ・エリオット、ウィリアム・L・サイモン)

緒方貞子 - 難民支援の現場から(東野真)

頭にくる一言へのとっさの対応術(バルバラ・ベルクハン)

TPP亡国論(中野剛志、TPP反対派)

TPP参加という決断(渡邊頼純、TPP賛成派)



以下、漫画。

ソラニン(浅田いにお)

ワンピース(尾田栄一郎、最新刊まで)

ツレがうつになりまして(細川貂々)

シブすぎ技術に男泣き!(見ノ野栄司)

ブッダ(手塚治虫)



以下、映画(DVD含む)。

月あかりの下で(太田直子監督、大倉山ドキュメンタリー映画祭にて。人生で最も泣いた映画。今年観た映画No.1)

ひめゆり(柴田昌平監督、大倉山ドキュメンタリー映画祭にて)

告白(中島哲也監督、松たか子、今年観た映画No.3)

英国王のスピーチ(トム・フーパー監督)

ホノカアボーイ(真田敦監督)

ソラニン(三木孝浩監督、宮崎あおい)

アウトレイジ(北野武監督)

ペルシャ猫を誰も知らない(バフマン・ゴバディ監督)

コクリコ坂から(宮崎吾朗監督)

僕たちは世界を変えることができない But, we wanna build a school in Cambodia(深作健太監督、向井理、今年観た映画No.2)

ツレがうつになりまして(佐々部清監督、宮崎あおい、堺雅人)

悪人(李相日監督、妻夫木聡、深津絵里)

ソーシャルネットワーク(デヴィッド・フィンチャー監督)



今年は、小説から自己啓発本、新書、漫画までけっこうまんべんなく読んだ。
来年は、経済系、国際貢献、子供についての本を読みたい。


映画はあまり観なかった。
来年はもっと観て、心を刺激したい。

TPP(反対論)

2011年12月29日 | Weblog
まずはTPPの反対論である『TPP亡国論』を読んだので、その要点をメモとしてのこす。

1. TPPは、原則関税をゼロにすることだが、それ以前に日本の関税は世界的に見てもずっと低い。アメリカや韓国より低い。このため、TPP参加を平成の開国とするのはおかしい。

2. TPPの参加国は、シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランド、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシア、そしてアメリカ。
このうち、日本とアメリカを除く国々のGDPは、TPP参加国全体のGDPの10%にも満たない。また、日本とアメリカ以外の国々は皆、外需依存度が日本より高く、これらへの国への日本からの輸出増は見込めない。このため、TPPによって日本の輸出が増えるとすれば、それはほとんど対アメリカである。

3. アメリカは、失業率の悪化と深刻な不況から、輸出を二倍にする計画を発表し、また輸入を抑える事を公言している。この計画の一環として、円高ドル安への流れや、TPPへの日本誘致がある。

4. アメリカからの輸入品は、小麦や牛肉、とうもろこし(飼料)などで、アメリカ国内での生産余剰分が日本へ輸入される。このため、過去に何度かあった食料危機の場合では、アメリカ国内の需要を優先させ、日本への禁輸や高額な輸出となり、日本の戦略的立場は弱い。

5. 日本からアメリカへの輸出品は、車などの贅沢品が多く、またアメリカ国内でも生産できるものが多い。このため、日本とアメリカとの間に戦略的互恵関係が成り立っていない。

6. 日本は長期のデフレ状態にあり、不況を脱するためにはこれを緩やかなインフレにする事が最優先である。そのためには、公共事業などで内需を増やすことが必要だが、関税を撤廃する自由貿易はデフレをさらに加速させる力を持つため、さらに不況となる。

7. TPPへの参加で、例え一部の輸出企業の収益が上がっても、グローバル企業の利益は国民の利益に結びつかないため、日本の景気回復の手助けにならない。

8. 日本のGDPに占める輸出の割合は30%程度と低く、世界的に見ても内需立国である。日本の景気を回復させるには、とにかく内需を拡大させる政策が必要で、TPP参加はその逆を行く政策である。


長くなったが、こんなところ。僕は、経済について全然勉強不足で、この本に書かれていることが何処まで正しいか判断できない。時々論理の飛躍があったり、疑問に思う点について議論されたいたなかったりもする。
でも、やはり上記の理由は筋が通っているように思う。

これからTPP賛成派の本を読むが、上記の点についての論理的な反論ないしは、それ以上のTPP参加のメリットを示してくれることを期待する。

陣取り合戦

2011年12月28日 | Weblog
TPP反対派の本を読んだ後に、今は賛成派の本を今読んでいる。
こうして、ある事柄について異なる意見の本を読み比べるとき、最初に読む方の影響力が大きいなと思う。

その事柄について、それまで殆ど何も知らないとき、最初に読んだ本の意見がその事柄のベースになってしまう。
その事柄自身やその周辺知識、単語にいたるまで、全てがその本のフィルターを通した理解として定着してしまう。

その本の誘導したい考え方を、特に疑問も抱かずに、まっさらな状態でどんどんと吸収してしまう。

一方で、二つ目に読む本については、一冊目で変に知識がついているものだから、何についても疑問や反論を考える事ができる。
考えの飛躍や、議論の前提、データの解釈など、何についても意見を持ち、斜に構えて読んでしまう。
新しく学ぶ事柄は一冊目よりも少なく、二冊目は穴ばかりが目立ち、自然と一冊目の方が優れた本、考え方に思えてしまう。

これは、本に限った事ではないと思う。
学校教育だって同じだ。
それこそ何も知らない、まっさらな子どもたちならば、何を言ってもそれが正しいと思うだろう。
そして、大人になった時に、それとは異なった意見に出会っても容易には考えは変わらない。
まるで脳の陣取り合戦だ。

自分にはそんな知識、考えがなかっただろうか、と思い返してみる。
日本や各国の歴史に対する評価、世界での紛争、宗教、環境問題、仕事に対する価値観、家族に対する価値観、何が幸せで、何が不幸か。
何が正しくて、何が間違っているのか。

そう考えると、何かが正しくて、何かが間違っている、と事さらに主張されているものというのは、なんだかとても胡散臭く思えてくる。
まっさらな状態にその考えを刷り込んでおいて、他の考えに染まらないように、そんなに主張する必要があるのではないか。
では、刷り込まれる順番が逆ならば、価値観は逆になるのか。

まっさらな状態で生きていく事は、年を重ねるに従って難しくなる。
どうしたって、どちらかに偏った考えが身にどんどんと貼り付いていく。
今僕に貼り付いているたくさんの考えを一枚一枚はがしていって、中に残った身体だけで旅をしてみたいなと思う。

TPP

2011年12月21日 | Weblog
皆さんは日本がTPPに参加することに賛成だろうか。

僕はこれまで、この問題について尋ねられれば、「何となくだけど賛」、と曖昧に答えていた。

何となく、自由貿易の方がいいような気がするし、日本の農業がTPPによって衰退するなら、それは競争についてこられなかったからで、仕方ないことじゃないかと思っていた。

あくまで、何となく。
確たる理由や根拠、知識があるわけではなく。

そう言えば、僕はTPPについてこれまで何も学んでこなかった。学校でも教えてくれなかった。いわば、この問題については賛成反対をいう以前に無知に近いのだ。こんなに大きな問題なのに。

ということで、少しTPPについての本を読んでみようと思った。
ところが、本屋にいってみると、TPPを中立の立場から論じている本が見つからない。

そりゃそうだ。筆者は何らかの意見を主張したくて本を書く。TPPに限らず多くのことがらについて、本当に中立であること、またそういう文献であることは難しいものだ。

そこで、賛成の立場と反対の立場の本を両方買ってみた。
『TPP参加という決断』と『TPP亡国論』。


この両方を読んだ後、僕が依然としてTPPに賛成か、はたまた反対派となるか。いずれにせよ、これまでよりは少しは根拠があって、「何となく」ではないと期待したい。

さて、どちらを先に読もうか...

3年日記

2011年12月09日 | Weblog
今年の夏、3年日記をつけ終わった。

3年前にカタールで夕夏にもらったもので、毎日毎日コツコツと書き続けてきた(あれから3年が経ったのか…)。
ただ、後半は毎日日記をつけるのが面倒臭く思えることもあり、早くこの日記が終わらないかなぁ、なんて考えながら、とりあえずは3年間と思いながら続けてきた。

夏にこの3年日記が終わって以降、これまでの3年間の反動からか、全く日記をつけなくなった。
試合前に食事などを節制をすると、試合後に思い切り不健康な食事をしたくなるのと同じ心理。
日記をつけずにすっと寝られることが、ある種の快感ですらあった。

でも、それが続くと次第に落ち着かない気持ちになる。
日記をつけないと、その日に何をしていたか全くわからなくなってしまう。
自分でもわからなくなるのだから、世界中どこにもその記録が残らないことになる。

人間は文字を発明したために知識の積み上げができるようになったと言われるけれど、日記をつけないでいると日々の積み上げができず、その結果成長すらできないような気になってしまう。
大袈裟な話だけど。

ちなみに、僕はブログを日記代わりにしようとは思えない。
一般に周知できないことまで分け隔てなく記録して初めて日記だ。
あくまで気持ちのアウトプットとしてのブログと、日々の出来事の記録である日記は分けて考えている。

とにかく、日々の出来事を全く残していないこの状況での、このそわそわした感じがずっと続いたため、それならばと再び日記をつけようという気持ちになった。
そこで、また3年日記を買った。
きりがいいので、2012年から始めようと思う。

前回は、かなりのディテールまで書いていたため、途中でおっくうになってしまっていた。
今回は、その経験も踏まえて薄い日記を買った。
軽いので旅行や外出先にも気軽に持ち運べる。

さて、次の3年間、どんなことが起こるのだろう。

マラソン後 - 趣味と成長

2011年12月04日 | Weblog
マラソンが終わってから1週間が経ち、初めて走った。
今日は快晴で、鶴見川沿いはとても気持ちがいい。

もう、体のダメージはないだろうと思っていたが、膝やらハムやらがまだ痛い。
試合が終わって、体のケアをサボっていたせいもあるのだろう。

正直、河口湖マラソンが終わって、目標を見失っている状態。
今はまだそれでいいと思うけど、そろそろ次の目標を見つけたいなと思っている。

思い返してみると、走ること以外に、これほど長く続けられた趣味はない。

仕事や学校、部活の活動はいい。
ある程度甘い気持ちが入り込んでも、ある種の義務化された活動だから、続けられる。
でも趣味は、それを続けるかどうかを純粋に自分の気持ちに頼っているところがあるので、その意味では自分の心の強さが如実に表れる。

趣味の一つの目的は、自分を成長させることだと思う。

例えば今、走ることをやめたら。
今の自分に、成長している部分がなくなってしまうような気がする。
それはそれで、怖い。

常に、どこかで成長し続けていたい。
近頃、漠然とそう思う。