師匠「この前、片づけをしていたら、昔もらった手紙が出て来てな。
再婚をして子供も生まれ、だんなさんのおかあさんと一緒に住む
ための家を建てたので、引っ越しました、の挨拶だったけど、
そういえば、このひとも出会ってからアドバイスをしていくうちに、
どんどん、よくなっていったよなあ~って、思いだしたよ。
アドバイスをして、よくなっていって、再婚が決まった時に、
『なんで、こんなによくしてくれるん?』って言われたけれど、
あの頃は、聞かれることがふしぎだったな。
逆に、なんで、そんなことを思うんだ?ってね。
再婚相手の方を紹介されて、県外へ嫁ぐ彼女のお別れの
食事会をしたときにも、相手の方からも聞かれたよ。
『なぜ、そんなにできるのか。』ーとね。
いま、思うとね。彼女は以前の結婚で、県外にいた時、恋愛結婚
だったようだけれど、だんなさんのために尽くしていた結果、
無理がたたって、流産して、それが原因でもう子供が
産めないと診断されたらしい。それで、子供が産めないならと、
離婚届が入院中に来て、ほとんど、身ひとつで、大分へ帰って
来てたんだ。そして、知り合った頃は、お金を持ち逃げされたり、
警察のお世話になるようなことに巻き込まれたりーと、
トラブルだらけだった。
それが私と話すうちに、トラブルが解消され、その頃つきあっていた、
これも、問題だらけの彼に私を紹介したら、今まで紹介したひとたち(友達)
とは違って、いいひとだね、と初めて言われたそうだよ。
その彼も、私を紹介してから、よりつかなくなって、
何故か、以前つきあったことのあったひとが訪ねて来てくれて、
まだひとりなら結婚して下さい、ってことになって、ばたばた仕事も辞めて、
彼の住む北関東へ嫁いでいったんだけど、知り合った頃の彼女は、自分のことを
大事にしていなかった。
最初の結婚のとき、持病持ちのひとと結婚するから、大変なのは当たり前だと
がんばってきたのが、実は負担になっていっていたらしい。
それで、『こんな状態で、子供が産まれたら、生活ができない。』と、
彼女自身が困っていたから、流産した時、ほっとしたんだって。
そんな過去のことを話していくうちに、自分を大事にすることに
気がついていった。そうしていたら、周囲の人間関係が変わり、
新しい世界が広がっていった。
思えば、彼女との出会いでアドバイスすることや、いろいろなことを
こっちも学んでいったんだな~って、思える。
大変だったけれど、これは、これでいい経験だったな。
20年も前のことだけれど、ずっと、神さまの助けをいただいていたことを
ありがたいと思うよ。」
師匠が言う、『今のあなたが、誰かを助ける。』とは、
こんな経験があったからなのだ。
自分が助かり、自分が助かることで、また同じようなことが起きている
ひとを助ける智慧がある。
そんな智慧の橋渡しを私たちはしているのかもしれない。
感謝 臣