アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ホソバヒメミソハギほか - 秋の水田雑草 6

2022-10-05 06:00:07 | みんなの花図鑑
<秋の水田雑草>特集も最終回です。
最終回は3つの水田雑草を取り上げます。
といっても 新しいのは「ホソバヒメミソハギ」だけで、あとの2つは おさらいです。


ホソバヒメミソハギ

以前この草を取り上げたとき、こんなことを書きました:
このホソバヒメミソハギ、なんて長い名前なんでしょう。
ハギ(萩)があり、お盆のころの ミソハギ(禊萩) があり、それより小さいから ヒメミソハギがあり、それに似て葉が細いので ホソバヒメミソハギ。自分の名前の中に3代も前の名前が入ってる (^^ゞ
ホソバヒメミソハギ、チョウジタデ - 水田雑草




ミソハギ科ヒメミソハギ属。
横から見ると 「連立やじろべえ」。




「水田が耕作されている間は、ホソバヒメミソハギは畦脇に点々と生育している程度であるが、場所によっては一面を覆ってしまうほど繁茂している休耕田がある。」(植物雑学事典「ホソバヒメミソハギ Ammannia coccinea」)




それで思い出しましたが、いま「耕さない農業」という考え方があるそうです。
農業というと 英語で agriculture(アグリカルチャー)。agriculture の語源は ager(土地)とcultura(耕す)に由来しています。
つまり、農業や作物を育てるという概念の中心には「土地を耕す」という発想があるのです。
だから「耕さない農業」は言葉から言うと自家撞着。
耕すから土がほぐれ、雑草が絶やされ、育てようとする作物の種が撒きやすくなる。
・・・そう、思ってきました。




ところが、土地を耕すことによって、土の中に貯蔵されていたCO₂ が大気中に解放され、その量は「世界の温室効果ガス排出量約520億トン(CO₂換算)のうち、農林業などの土地利用によるものは4分の1を占める」(朝日新聞GLOBE+ 「耕さない農業」)というのです。





「自然の土は塊の構造を持っていて、降った雨はその塊の間を流れるので簡単には土が溶け出さない。」
「人は1万年の間、さんざん土を掘り返し、それが農業だと思ってきた。」
「植物は勝手に生えているように見えるが、実は地下でつながっていて、生態系としての網の目が地下で成立している。人はそれを耕すことで、一生懸命、壊してきた。生態系の網の目が壊れると雨が降った時に土が流れてしまう。」
(同上)







オモダカ

前回取り上げたときは、仲間の「アギナシ」との区別が難しく、オモダカっぽいが決定打がないという感じでしたが・・・




今回はフィールドで葉を確認してみました。
頂裂片(上の1枚)と側裂片(下の2枚)とを比べたとき、
オモダカでは 側裂片2枚のほうが長い
アギナシでは 上の一枚のほうが長い
という違いがありました。
それで今回は 観察した結果「側裂片2枚のほうが長い」ので、これは「オモダカ」のほうだと判ります。




オモダカの雄花です。




オモダカの雌花です。




オモダカの果実です。






イボクサ

今の時期、ほんとにたくさんの群生が見られます。



とっくりと観察させていただきました !(^^)!



















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