アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ミヤギノハギ - こまい花14

2020-08-22 17:31:21 | みんなの花図鑑
再び<こまい花>特集をしばらく続けます。こんどは ハギ の花です。先だってこの特集で「ダイズの花」を取り上げましたが、そのとき、ダイズのおしべ・めしべは 花弁に包まれて外に露出することなく自家受粉していることを観察しました。で、今度は ミヤギノハギ(夏に咲くので「ナツハギ」と呼ばれます)でそのあたりのことを観察してみようと思います。



ナツハギも小さい花です(アレチヌスビトハギよりは大きいかな、という程度)。
上の画像では、おしべ・めしべが見えません。ナツハギも大豆の花と同じように花弁の中に隠れたまま受粉するのでしょうか?
でも、見出し画像では おしべの先の花粉が見えてましたよね




その前に、マメ科の蝶形花のおさらいです。マメ科の蝶形花はほぼ同じような花弁構成をしていて、一番上に 虫に花のありかを知らせる(フラッグの役目をするから)旗弁 (写真では 上から見ているので 右下の大きい花弁)があり、その下に左右に翼弁という虫が止るための弁があり、それに挟まれて 舟弁という舟の形をした(二枚貝のように合わさった)弁があります。舟弁は 竜骨弁とも呼ばれます。上の画像で見るように 舟弁(竜骨弁)はその両側の翼弁よりも長いのがハギ属の蝶形花の特徴です。




この画像でも (クモはいますが)シベは見えません。
いえ、よーくみると 花粉が一粒だけ見えてますよ~~~ \(^o^)/




この画像ではたくさんのおしべとめしべの先(先に葯のタマがついてないのがめしべ)が写っています。ということは?




花が成長すると おしべとめしべが伸長して舟弁(竜骨弁)から突き出てくるようです。




これは 上から見た図ですが、舟弁が開きかかっていて おしべの全体像が見えています。面白いのは、直前のマメ科のサンゴシトウ(ヒシバデイゴ)で見たように おしべが合着して筒を作っていることです。(細かいことですが、おしべは10本あり、そのうちの9本が合着して「雄しべ筒」をつくるそうです。なぜ 1本は合着を許されなかったのか? 不思議ですね ミヤギノハギの考えることは深くて理解できません (´・ω・))




めしべも おしべとほぼ同じ長さのようです。そして 一様に 先のほうでカーブして上を向いてます。雄しべ筒に止った虫のお尻に花粉をつけようという魂胆なのでしょうか?




最後に 花後に近い状態の花の様子です。
めしべがどこにあるのか この画像でははっきりしませんが、アオイ科やミゾカクシの雌しべのように 雄しべ筒のなかを雌しべの花柱は貫通しているのでしょうか?


コメントを投稿