シオン(紫苑)は日本にも自生していましたが、今見る栽培種は朝鮮半島や中国から渡来したもの(またそれの逸出したもの)です。
英名を「Tatarian aster(タタリアン・アスター)」といい、「タタールの星」を意味します。シオンの原産地であるモンゴルで暮らしていた遊牧民族タタールと、星のように見える花の形を指しています。
シオンもキク科キク亜科の花です。外周の花弁は一枚一枚が独立した花で舌状花と言います。
中心の黄色の盛り上がった部分が筒状花という雄しべ筒の中から雌しべが伸びている小花の集団です。
筒状花に注目します。
筒状花は小さい花冠を持っていてその中から雄しべ筒(その中に雌しべの柱頭)が伸びています。
筒状花の集団は外周から開花していきます。中心部はまだ蕾の状態です。
色の濃い部分が雄しべ筒で、筒の中からめしべが伸びて柱頭を展開するころには雄しべ筒は崩れ落ちるようです。
雌しべの花柱が雄しべ筒の上に花粉を押し出して放出した後、柱頭を成熟させます。
シオンの柱頭部分は 菱形のアンテナのような形をしているものが多いようです。
以下、もう少し近づいて撮ったものです。
「柱頭は2分岐して線形」(三河の植物観察「シオン」)
柱頭は受粉すると白くなってくるようです。
「筒状花の下部に萼が変化した冠毛がありその下に子房がついている(子房下位)。」(里山コスモスブログ「シオン」)
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