赤いのは花弁ではなく、花に一番近い葉の一部です。
花が咲くころになるとこのように苞葉の基部が赤く色付きます。
ショウジョウソウ (猩々草)の名は古典に出て来る架空の動物のことで、能の演目である五番目物の曲名『猩猩』で真っ赤な能装束で飾った猩々が、酒に浮かれながら舞い謡うさまにちなんだものと思われます。
花序はトウダイグサ科の植物に特有の杯状花序で、ユニークな形をしています。
杯状花序とは、合着してカップ状になった総苞(蕾のようなかたまり)の中に、雄花数個と雌花1個が包まれる形になった花序のことです。
唇のような器官は蜜腺でここに蜜が分泌されます。
アリは蜜腺の中に頭を突っ込んで蜜を飲もうとしています。
アリが蜜を飲もうとするとき身体に雄しべの花粉が付きます。
カップの中からめしべが生まれてきています。
めしべの下方に玉のようになって並んでいるのが おしべです。
めしべとおしべの両方が生まれている花序もあれば、めしべだけの花序もあります。(おしべだけの花序もあります)
めしべは産まれるときは杯(カップ)の中から上を向いて生まれますが、子房はすぐ大きくなって杯(カップ)を覆ってしまうので、自重から花柄を曲げて大きな子房を花序の横にぶら下げます。
右手が産まれたばかりのめしべ。
中央が大きくなった子房をぶら下げた状態。
子房はぶら下がるころにはくびれて 3つの部屋をもっているようです。
右の子房が大きく成長した花序は、その奥の花序同様に、杯(カップ)の上に雄しべを成長させ、蜜腺の中に蜜を分泌しています。
ただ、受粉に失敗した雌しべの子房は上を向いたまま その後の成長が止まり・・・
段々朽ちて・・・
子房本体が脱落し、このように軸だけが残っています。
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