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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

パンジー - よく咲くスミレ

2022-03-14 06:00:04 | みんなの花図鑑
パンジー 'よく咲くスミレ ソーダ'
@安城デンパーク

学名は Viola x wittrokiana cv. です。

Viola(ヴィオラ)は属名で、これを日本語では「スミレ属」と呼んでます。
つまり「Viola(スミレ属)」のなかに、スミレ、パンジー、ビオラ(ヴィオラ)など多くの種が含まれるわけです。




狭義のスミレ Viola mandshurica
パンジー Viola × wittrockiana、英名: pansy
ヴィオラは 園芸上の呼び名で、パンジーの小輪多花性種をヴィオラ(ビオラ)と呼んでいます。


「パンジー ’よく咲くスミレ’」はサカタのタネが開発した中輪系パンジーの園芸品種です。
なので、学名は Viola x wittrokiana cv. (パンジーの園芸品種cv.)となります。





で、園芸上では
 スミレ・ビオラ・パンジー
この3つをどう区別してるのでしょう?




LOVEGREEN「「スミレ・ビオラ・パンジー」の育て方と見分け方」によると
「園芸上でパンジーの小輪多花性種をビオラと呼んでおり、パンジーとはスミレ科スミレ属の小型の園芸植物の一種と定義されています。」

「・スミレはラッパ型の花の形で見分ける。葉と花が根から別々に伸びている。
 ・ビオラは花の直径が4cm以下の小型で花数の多いもので判断する。
 ・パンジーは花の直径が5cm以上の大型のもので判断する。」

などと描かれていますが、分かったようなわからないような… (´∀`)



パンジー 'よく咲くスミレ マロン'

Viola x wittrokiana cv.
学名は上と同じです。



園芸種であるパンジーの原種の一つに「三色スミレ」があります。
英語で Wild Pansy
フランス語で La Pensée sauvage
かの人類学者クロード・レヴィ=ストロースの著作『野生の思考』の原題がPensée sauvage(パンセ・ソバージュ)なのです。

表紙は「思考(pensée)」と「パンジー(pensée)」を掛けて野生種のパンジーである三色スミレが描かれています。
以下、いくつかのレヴューからの抜粋
「野生の思考La Pensee sauvageは、1960年代に始まったいわゆる構造主義ブームの発火点となり、フランスにおける戦後思想史最大の転換をひきおこした著作である。」
「本書の主題は、「文明人の思考と未開人の思考は異なる」という幻想の解体である。」
「Sauvage(野蛮人)は、西欧文化の偏見の凝集ともいえる用語である。しかし植物に使えば「野生の」という意味になり、悪条件に屈せぬたくましさを暗示する。」
「「未開人」の特徴として考えられた呪術的・神話的思考は、実のところ「文明人」も日常的に行なっていることを、レヴィ=ストロースは指摘した。文化によって思考が異なるのではなく、単に人間には2つの思考モードがあるだけ――すなわち、限られた目的に即して効率を上げるための「栽培思考」と、ありあわせの道具で多種多様の仕事をこなす「野生の思考」があるというわけである。」




パンジー 'ナチュレ マーマレード'

学名:Viola x wittrokiana cv.



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