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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

デンパークのヒマワリ - キク科のシベ 9

2023-08-26 15:00:00 | みんなの花図鑑
<キク科のシベ>シリーズ、ヒマワリはすでに一回取り上げていますが、その時は室内のヒマワリで虫が来ていませんでした。
 ヒマワリ ’サンタスティック

今日は安城デンパークの屋外のヒマワリです。

中心の筒状花を見るとつぼみがないのでこれは開花の進んだヒマワリです。
そのためか? ハエが舌状花(周囲の花弁部分)にとまっています。




こちらは筒状花のほうにハチが来ています。

真っ黒なハチです。
私、ハチの種類には疎くて名前が判らないのでが、Google Lensで検索すると 以下を候補に挙げてきます。
タイワンタケクマバチ?
だとしたら
「台湾から中国南部、インドに生息し、愛知県や岐阜県で分布を拡大しつつある」とのこと。



さて、ここからは本題の筒状花のシベの観察です
3つの時期を観察します

1. 花粉放出期

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ヒマワリは一つ一つの小花が大きいので、観察しやすいです。
このヒマワリの筒状花の中心はまだつぼみです。
つぼみがひらくと5角形の花弁を持った花冠の中から雄しべ筒が伸びてきているのが分かります。
雄しべ筒の先がまた開いてこんどは雌しべの花柱が伸びている小花もあります。
これまで他のキク科の花で見てきたように、雄しべ筒の中をシャープの芯みたいに雌しべの花柱が伸びて外に出て来るのです。
そのとき雌しべの棒は雄しべ筒の中に放出された花粉を自らに擦りつけて伸びてきます。
この時期を雄性期という人がいます。たしかに花粉を生産するのは雄しべですが、実際に虫たちが花粉を受け取るのは雌しべからなのです。
めしべだったら自家受粉してしまうではないか、と心配しないでください。このときの花粉を身にまとった雌しべは単に棒(花柱)で、受粉器官(柱頭)はまだ持ってないのです。




2. 花粉受粉期

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このヒマワリは別品種で、筒状花の中心はまだつぼみ状態ですが、前のヒマワリのような 開花直後の雄しべ筒がよく見えません。
その代わり、つぼみの中から めしべが伸びています。
めしべの先が2つに割れるとその内側に柱頭(受粉器官)が成長します。





3. 子房成長期

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さっきとは別品種のヒマワリです。
受粉後の筒状花です。
雄しべ筒の中から伸びていた雌しべの柱頭が受粉すると、役目を終えた柱頭は萎み小さくなります。やがては雄しべ筒もろとも消失します。
雌しべの柱頭が小さくなると、その下の雄しべ筒と花冠が目立つようになります。
花冠の下では子房が果実へと成長しヒマワリのタネが生育しだします。
アクシデントがあって、子房の中の胚珠が受精できないこともあります。そんなときには子房だけが生長して、タネの無い果実になります。



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