アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

クサギ、ボタンクサギ - 雄性先熟

2023-08-21 17:10:00 | みんなの花図鑑
クサギ

豊田市の家下川のクサギ。
8月6日、もうすぐ正午の撮影です。
真っ黒な雲が出ています。




家下川の堤防に数か所、群れて咲いています。



ここから本題。
クサギのシベですが、雄しべと雌しべで活動時期が異なります。
上の画像の3つの花でいうと、一番上が雌しべが1っ本だけまっすぐ前へ出ています。
下の2つの花では雄しべがまっすぐ前へ伸びていて、雌しべは垂れ下がっています。




この画像では 皆おしべが元気です。
一本だけ先に葯のついていないシベが下を向いていますが、それがめしべです。
順番ですが、まず雄しべたちがまっすぐ伸びて活動します。




ある時期が過ぎると、上のように、雄しべはくるっと丸くなり、こんどは雌しべがまっすぐ伸びます。



(電線が邪魔ですが)
上の花はおしべがまだ伸びていますが、雌しべも伸びだしているので、ちょうど交代時期のようです。






ボタンクサギ

ボタンクサギもボタンのような花を咲かせるクサギ属なので、雌雄シベの挙動は同じはずです。
ちょっと調べてみましょう。




端っこの方にシベが一本だけ出ている花が多いです。一本だけ伸びているシベは めしべです。



めしべが伸びている花は やはり雄しべがくるっと巻いています。



手前の花は雄しべと雌しべの両方が伸びています。交代期のようです。
奥の花は雌しべだけが伸びています。




蜜はラッパ状の花の奥にあるため、長い口吻(こうふん)を持っている昆虫しかありつけない仕組みになっています。
蜜は開花とともに分泌しだし、めしべ活動期になっても出し続けます。そして雌しべが受粉すると分泌を停止するようです。(住吉 啓三・川窪 伸光「クサギClerodendrum trichotomum Thunb.の雄性先熟と花蜜分泌」.pdf)








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サッコウフジ - 秋の気配

2023-08-20 13:00:00 | みんなの花図鑑
見出し画像は21-9-06 安城デンパークのサッコウフジのはめ込み画像。

以下は、毎年 楽しみにしているさるお屋敷の石垣のサッコウフジ。望遠マクロで撮影。


分類は「マメ科 ナツフジ属」ですが、ナツフジそのものは フジ属に分類されてるようです。
「みんなの花図鑑」サイトでも「ナツフジ」でサイト内検索すると、「サッコウフジへのリンク」があるだけです。



それにナツフジはつる性植物で花は白です。



一方、このサッコウフジのほうはつる性ではありますが、自立しています。



ところで「サッコウフジ(醋甲藤)」って難しい名前ですよね?
GKZ植物事典などによると「和名は、漢名「醋甲藤」の音読みから。」とありますが、「醋甲」って何なのでしょう?

中国語の「醋甲」(ソージァーと聞こえます)をgoogle翻訳させると「お酢」と出て来ます。
中国語の記事の見出しから「哌醋甲酯」というテクニカルタームを取り出すとメチルフェニデート(精神活動を高める興奮剤の一種)と訳されます。



醋甲藤が中国由来の名であれば
「醋甲」の、その意味合いを
鶏頭の花などと同じ考え方で見れば
字面と花姿を照らして「甲」つまり上部、頭頂部に
酉(とり)の鶏冠の様に錯綜して咲く様子を
醋甲と当てたのではないだろうか。
(以上、fc2ブログ・杜の舟 「醋甲藤」より引用させていただきました)



学名 Millettia reticulata
属名は18世紀フランスのJ・A・Millettの名に因んでいる。 種小名は「網状の」の意。(GKZ植物事典)



ハナシュクシャにアゲハ

2023-08-19 14:00:00 | みんなの花図鑑
ハナシュクシャにキアゲハが来ています…


フォトチャンネルスライドショーを作りました
PCのばあいは 全画面表示にしてお楽しみください(´∀`)
また、スマホのばあいでも gooブログアプリ でなく、
Chromeで下記URL
https://blog.goo.ne.jp/avril_kanabun/e/b0d78fd7a3e51606e3ee0c5a74543ae2
を開いて下されば、縦置きフルスクリーンの拡大画像をお楽しみいただけます\(^o^)/
ハナシュクシャにキアゲハ




ハナシュクシャは ショウガ科のジンジャーリリーの一品種という位置づけでいいのでしょうか?




よく分からないのですが、ジンジャーリリーの品種として
 ハナシュクシャ (Hedychium coronarium)
 ベニバナハナシュクシャ(Hedychium coccineum)
 キバナシュクシャ(H. gardnerianum)
などと記してあります。



これによると、単に「ハナシュクシャ」と言った場合は 白い花ですから、
上のジンジャーリリーのばあいは 「赤からオレンジ、黄色などの花を咲かせる」ベニバナハナシュクシャと呼んだほうがいいのかも分かりません。



「属名の Hedychium はギリシャ語の「hedys(美味)+chion(雪)」からきている。花が雪のように白く甘い香りがすることから名づけられた。」(みんなの花図鑑)





「花の仕組みも独特である。 花被片は6枚あるが、外花被3枚は合着して花のつけ根にある。 内花被3枚はつけ根は合着し、先が3つに分かれる。 もう1枚、唇形の花びらがあるが、これは雄しべが花びらの形になっている。 また、飛び出している蘂は、雄しべと雌しべが1つになったものである。」(同上)

っと、一回読んだだけでは分からないほど独特ですね (´v_v`)




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夏の木の実クイズ - 10題!

2023-08-18 17:08:56 | みんなの花図鑑
Q1. 桐は桐でも?
画像は5枚あります
5個の心皮がこうもり傘の柄のように開き、果実は心皮のふちに付いています。


4


3


2


1


0
 アオギリ(アオギリ科またはアオイ科)




Q2. 袋の中に黒い実が!
画像は4枚あります
4


3


2

1 実は 黒くて硬いです



0 モクゲンジ (ムクロジ科)





Q3. ヘーゼルナッツの仲間です
画像は3枚だけです
3 小さな柿の実みたいなナッツ


2 葉がしわしわなのが名前の由来とか (^_-)-☆


1 西洋〇〇〇〇 実が「ヘーゼルナッツ」となります



0
ハシバミでした




Q4. 実の垂れ下がる様子が神事で用いる稲妻形の和紙 〇〇 に。。。
画像は3枚だけです
3 日本に自生する〇〇 の仲間には、イヌ〇〇 、アカ〇〇 、クマ〇〇 などがありますが...


2 こちらは南ヨーロッパから西アジア、シベリアにかけて分布する〇〇 です。


1 ということで 名前は セイヨウ〇〇 (西洋〇〇 )




0

(画像クリックで拡大します)
シデという名前は、実の垂れ下がる様子を神事で用いる四手に例えたものです




Q5. ビブルヌム(ビバーナム)何とか "(-""-)"
画像は3枚
難問です
3 ビブルヌムとは Viburnum で 英語読みして よく「ビバーナム」といってる【ガマズミ属】のことです


2 ガマズミそのものは Viburnum dilatatum です。これはその仲間ということですが・・・


1 葉も実もあまりガマズミとは似ていないですね


0 答えです(画像クリックで拡大します)






Q6. 小さなイチジクが落ちてます
画像は5枚あります
5 上のほうに果実らしきものがあるので、見上げて撮っています


4 樹高5mくらいあります(私がよく見るこの木はこんなに背が高くないのですが)


3 葉は細長いです


2 ずっと前からこの木なんだろと思っていたのですが、この日行ったら、地面に果実がいっぱい落ちていました
 (安城デンパークの鉄砲山)


1 イチジクの仲間ですが、名前にイチジクは入りません



0 (樹名板は無かったのですが)ホソバイヌビワ ではないかと思います





Q7. ミツバウツギ科です
画像は3枚
3 超難問です


2 ヨーロッパから小アジアにかけて分布する、高さ5mになる潅木です。


1 風船かずらみたいな袋果なのです



0

あるいは スタフィレア・ピンナタ




Q8. モチノキやマツと並ぶ「庭木の王」のひとつ
画像は3枚 うち2枚はもっと熟した秋のもの
3 現在の姿です


2 秋の熟した姿です


1 実は熟すと、皮がパクリと割れます




0 モッコク




Q9. 天智天皇「〇〇なるかな」
画像は3枚だけです
3 名前の由来は、天智天皇が、蒲生野(現在の滋賀県東近江地域)へ狩猟に訪れた際に…


2 8人の男子をもつ長命な老夫婦に出会い、長寿の秘訣を尋ねたところ、その老夫婦が「これを食べているからです。」 と手渡したこの果物を食べ…


1 「〇〇なるかな」=「もっともだ」とおっしゃったことが由来とされています。


よく似た味のつる性植物にアケビがあります。アケビは熟すとぱっくり割れますが、こちらは熟しても割れません。


0 ムベ



Q10. ムベによく似てるけど。。。
画像は3枚です
3 バンレイシ科に属しますが、この科にはほかにアテモヤ、チェリモヤなどがあります。


2 この果物以外のバンレイシ科はすべて熱帯か亜熱帯性の果樹ですが、〇〇〇はマイナス30℃くらいまでは耐寒性があるので、国内のほとんどの地域で栽培可能です。


1 名前はカタカナ3文字 「ポ」ではじまります




0 ポポー
ポポーは英名をカスタードアップルといい、バナナとマンゴーをミックスさせたような、濃厚な香りと甘みをもっています。
5月下旬~6月上旬に咲く、チョコレート色のシックな花も魅力です。








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ダイズの花は夏に咲く

2023-08-17 14:00:00 | みんなの花図鑑
大豆の花って見たことあります?
私も6年前まで知りませんでした。


画像は今から6年前の旧「みん花」(みんなの花図鑑)に(驚きをもって!(^^)! )私が投稿したものです。




いかにもマメ科といった風情の蝶形花ですが、この子、とってもちっちゃいんです(^^ゞ
しかも葉の陰に隠れているので、知らないとつい見過ごされてしまいがちです。






ダイズは縄文時代に中国から渡ってきたと考えられています。当然のことながら『古事記』にも記載があるそうです。



ところが・・・

ダイズ(大豆)は英語で soybeans ですが、意外にも英語圏にダイズが持ち込まれたのは なんと18世紀になってからでした。そのためダイズを指す単語もそれまでなかったのです。(加藤昇の 大豆の話)



「ヨーロッパにダイズの存在を伝えたのはエンゲルベルト・ケンペルだといわれており、彼が長崎から帰国した後、(中略)ダイズ種子を醬油の原料として紹介した。」
「ヨーロッパでそれ以前にダイズの存在を知られていなかった理由として、既に他の豆類が栽培されていたことや、土壌が合わなかったこと、根粒菌が土壌にない場合があったことなどが挙げられている。 このようにダイズの伝搬が遅れたため、英語名の「Soy」は醤油が語源と言われる。」(Wikipedia「ダイズ」)







「大豆は20世紀初頭までは、東アジアに限られた主に食用の作物であった。20世紀に入り満鉄が満州において「満州大豆」など大豆の品種改良や新種開発に乗り出してから、油糧作物および飼料作物として世界に生産が広まり、世紀後半には生産量が急拡大した。」(Wikipedia「ダイズ」)






花は、1株に 100 以上咲くよ。
でも残念ながら、実になるのは
20 から 30 くらいだ。
(平成 20 年度農林水産省にっぽん食育推進事業「ダイズの花を観察しよう!」.pdf)



〔参考〕ツルマメ

野辺に生えるツルマメを品種改良したものが,栽培種の大豆となったとされています。
ご覧の通り、そっくりの花です。
ただし、名前の通り、つる性植物です。



「ごくまれに大豆と交雑することが知られ,その雑種はツル化したり,熟すとサヤがはじけるなどツルマメ由来の不良形質が発現することが多く,大豆畑の周辺では大豆の品質低下を防ぐため除草することがのぞましい。」(農村の草花-ツルマメ-.pdf )







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クロホオズキか?オオセンナリか?‐ ナス科

2023-08-16 17:33:03 | みんなの花図鑑

Kさんの畑に植わっていて、紫色のきれいな花をつけたこのナス科の植物。
これは クロホオズキでしょうか?
それとも オオセンナリでしょうか?





私は冬にクロホオズキの花を見たことがあります。▼

その時は 掲示板に質問して「クロホオズキ」の名をいただいたので、それでよかったのですが、のちによく似たオオセンナリというナス科があることを知りました。




区別点を忘れてしまったので、再度検索してみました。
すると、
クロホオズキ(黒鬼灯・黒酸漿) は、 オオセンナリ(大千成、学名:Nicandra physaloides)  の園芸品種で、ナス科オオセンナ属の一年草です。 ホオズキとつきますが、ホオズキ属ではなく、オオセンナリ属の花です。」(かぎけん花図鑑「クロホオズキ(黒鬼灯・黒酸漿)」)




それにつづいて「葉に黒い棘があるか、花の基部の色が何色かなどが、同定の決め手になります。」(同上)とあります。
オオセンナリの葉には「黒い棘がある」とあります。
葉にピントが合った画像がないのですが、はっきりとした「黒い棘」は見当たりません。




つづいて 花の基部は、オオセンナリが「白」、クロホオズキが「濃紫色」とあります。
これも緑の萼に覆われてよく見えないのですが、先ほどの掲示板で教えてもらったオオセンナリの花と比べて、色が薄いように思われます。
ということで、こちらは オオセンナリのほうでしょうか?




「オオセンナリ(大千成)は、夏~秋にかけて薄青色の花を咲かせるナス科オオセンナリ属の一年草で、実(み)はホウズキのような形をしています。 有毒植物なので食べられませんが、切り花やドライフラワーなどに用いられます。」(かぎけん花図鑑「オオセンナリ(大千成)」)




「ハエ(蝿)が嫌いな匂いを出すということで、  ユーカリ(Eucaly) や、  ヤツデ(八手) のように、ゴミ箱やトイレの近くに植えられます。」(同上)



「 ホオズキ と同じように、実を包む殻が乾燥してはげ落ちると、中の丸い実が、 網のような脈を通して外から透けて見えるが、残念ながら赤色ではない」(四季の山野草「オオセンナリ」)





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ヤノネボンテンカ - アオイ科

2023-08-15 16:30:00 | みんなの花図鑑
台風7号 朝の予想よりだいぶ西に逸れています。記録的短時間大雨情報が、深夜には京都に、未明には奈良に、そして朝には鳥取に出ました。


ローカルニュースですが、愛知県の名鉄西尾線沿線のあちこちに今この花がいっぱい咲いています。



花の名はアオイ科の「ヤノネボンテンカ」。白い花なのですが、つぼみのときはこんなふうに紅色です。




さて、ヤノネボンテンカ(矢の根梵天花)とは?
矢の根」とは「矢柄(やがら)の先端にあり射当てたとき敵を突き刺すように作った部分。 鏃(やじり)。」(コトバンク)とあり、矢の先なのに「矢の根」とはこれ如何に??なんですが、上の画像にあるように特徴的な葉の形に由来するものです。
では、「ボンテンカ(梵天花)」とは?
ボンテンカ(梵天花) という名前の、やはりアオイ科の木があります。

ボンテンカの葉(7月、安城デンパークにて)
元祖ボンテンカのほうも今では九州~沖縄に自生しているそうですが「梵天というのはインドのこと」で、インドから渡来した花という意味でつけられたという説がありますが、原産地もはっきりしません。
というわけで、ヤノネボンテンカの「ボンテンカ」がどういう由来で付けられたのか、はっきりしません。ヤノネボンテンカのほうは原産地は南アフリカです。




さっきから花弁の外側ばかり撮ってますが、この花、花弁の裏側のほうが派手なんです!(^^)!


この模様、むかしは 蛇の目傘を連想していましたが・・・


「矢の根」で検索すると、「やじり」以外に必ず 歌舞伎十八番「矢の根」のことが出て来ます。

歌舞伎「矢の根」の一場面の錦絵/画・香蝶楼豊国 国立国会図書館蔵
そして説明に出て来る歌舞伎役者のこの顔が 「ヤノネボンテンカのバックシャン」な姿を思わせるのです \(^o^)/



では、内側は? というと…

よく見るアオイ科のシベです。


そして花弁の中心があかくなってるところなぞ 畑のオクラの花にも似ています。


その中心の模様「梵天」ってイメージ ?!



検索すると「雌しべは赤色で先端が10分岐します」って書いてあるけど? ほんとかな??



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アメリカノウゼンカズラ - 5番目の雄しべ

2023-08-14 16:00:00 | みんなの花図鑑
6日目のつる性植物は アメリカノウゼンカズラです。
見出し画像は花冠の中を覗いたところです。


アメリカノウゼンカズラはノウゼンカズラによく似ていますが、花筒が長いのが特徴です。



ただし、今日のテーマ「5番目の雄しべ」はノウゼンカズラ属全般に言えることです。
花冠を覗いてみると雌しべと雄しべがあります。めしべは一番上の2つに開いた部分です。
その下に上下2組のおしべがあるのですが・・・
花筒の奥が深くておしべがどうなっているのか?よく分かりません。




花は受粉すると不要になった部分を切り離します。不要な部分とは 花弁とおしべです。
上の画像の上半分の花はみな 花弁と雄しべを脱落させて、萼片の中から雌しべの花柱だけが伸びているところです。




雄しべを観察するためには 下に落ちた花弁と雄しべの一体化したものを開いてみると分かりやすいです。
先述した「上下2組のおしべ」とはこのような状態のことをいっています。



花弁の基部から
別のアメリカノウゼンカズラで観察します。花弁を後ろにそらせてみると、花弁の基部から4つの雄しべが伸びているのが分かります。
もとい、 4つの葯をつけたおしべと もう一本 葯をつけていないおしべが伸びているではありませんか?!




葯をもたないけれど、これが第5番目のおしべであることは間違いありません。このように脱落して落ちている部分は花弁と雄しべなのですから。




アメリカノウゼンカズラや ノウゼンカズラは5数性で おしべも元々5本あったのですが、めしべを保護するように左右一組となってアーチを作るようになってから、奇数番目のおしべは用を足さなくなり退化してしまいました。
まったく種類は違いますが、トレニアの雄しべもこのような形態を示しています。



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中国大葉ヅタ - パルテノキッスス Parthenocissus

2023-08-13 16:00:00 | みんなの花図鑑
つる性植物も5日目になりました。
本日もブドウ科ですが、ブドウ属とかノブドウ属ではなく…
本日は ツタ属 Parthenocissus です。


ツタ属 Parthenocissus は 一見するとアイビー(ヘデラ)と似ていますが、アイビーはいわゆるフユヅタと呼ばれるツタでウコギ科の常緑つる性植物です。
Parthenocissus(パルテノキッスス)の仲間は いわゆるナツヅタと呼ばれるツタの仲間で、いくつか種類がありますが、みな落葉性のつる性植物です。
甲子園の壁のツタも ナツヅタです。
属名の Parthenocissus(パルテノキッスス) は、ギリシャ語のπαρθένος(パルテノス; 英語の「バージン」に相当) とκισσός(キッソス; 「つる」) に由来し、日本語にすると「バージンのツタ」というような意味です。




ナツヅタの仲間は 似たようなのがいくつかあって紛らわしいのですが、このナツヅタだけは 上のような一見して分かる特徴的な葉をしていますので、すぐ見分けがつきます。

名前ですが、ひとつは「中国大葉ヅタ」という名前があります。この名前が一番検索でヒットしやすいです。
ただし、安城デンパークの樹名板は学名 Parthenocissus laetevirens をカナ表記しています。

中国大葉ヅタは安城デンパークのこのあたりにあります。ほかにアイビーらしきフユヅタと別のナツヅタと一緒になっていますので、葉で識別しましょう。





ある人曰く「日本人が「ツタ」といって思い浮かべるイメージに一番近いだろう雰囲気を持つのがナツヅタです。」




中国大葉ヅタの花の特徴ですが、子房の下半分がピンクに染まっていてとてもかわいいのが最大の特徴です。




つるは網の目状に伸びます。










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ノブドウ - 雌雄同株

2023-08-12 16:00:00 | みんなの花図鑑
昨日に続き、つる性植物で 4日目は ブドウ科のノブドウです。


ノブドウの花は 昨日のヤブガラシの花よりさらに小さいのですが、房になって咲くので目につきます。


訪花昆虫はアリとハチが多いです。













アゲハチョウ(ナミアゲハ)









ヒメジュウジナガカメムシ/ジュウジナガカメムシ ?






ブドウ科の花は ヤマブドウ、エビヅル、サンカクヅルのように 雌雄異株のものと、
このノブドウのように雌雄同株のものとあるようです。
ただ、上の画像のように、雄しべばかりが目立つ株もあるようです。



以下、よく見る雌花です。



雌花といってもしっかり雄しべが伸びています。
雌雄異花ではなくて、ほんとは両性花と雄花の株があるのでは? などと混乱しています。







なお、昨日のヤブガラシの雌雄についてこんな記事がありました。
「ヤブカラシは雌雄同株だが、同じ一つの花が時間の経過とともに雄から雌に変わる「雌雄異熟」という性質を持つ。」(庭木図鑑 植木ペディア「ヤブガラシ」)





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