2024/11/29 中央社臺灣
台湾のプレミア12初Vを喜ぶCPBLの蔡其昌会長(左から2人目)、右は代表監督の曽豪駒氏=2024年11月24日
台湾が初優勝を飾った野球の国際大会「プレミア12」。優勝をもたらした“影のヒーロー”の一人と呼ばれる台湾プロ野球リーグ、中華職業棒球大聯盟(CPBL)の蔡其昌(さいきしょう)会長が29日までに中央社の単独インタビューに応じた。蔡氏は勝利の確率を高めるため、代表チームの常設化を推し進めたい考えを示した。
台湾は昨年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で1次ラウンド敗退を喫し、大きな批判を浴びた。今回のプレミア12も、台湾に対する下馬評は低かった。予想を裏切る形での初優勝に台湾中が大きく沸いた。
今回の優勝の鍵は「情報収集」にあると言われている。情報収集は、蔡氏が昨年のWBCの敗退直後に打ち出した代表チームの編成・訓練プロジェクトの柱の一つ。同年10月、元プロ野球選手の陳瑞昌氏が情報収集チームの座長に起用され、3人のメンバーと共に中南米、米国、オーストラリア、日本などで敵情視察を行った他、海外でプレーする台湾人選手の状況を観察した。これが選手招集の参考にもなった。
試合後、今大会で台湾が放った10発の本塁打が9人の打者によるものだったことから、代表選考が適切だったとの分析が一部でなされた。蔡氏はこれに異を唱える。成績の良しあしは総合的なものであり、それぞれの計らいは「合理性」を考えるだけで、合理的でも負ける可能性があると指摘。野球とは結果論のスポーツであり、勝てば全て正解なのだと話した。また、信じることが重要で、この信念はチーム結成から大会期間まで代表チーム全体が共有するものだったと明かした。
今後、蔡氏が目指すのは代表チームの常設化、ひいては代表監督の常設化だ。2011年に日本が代表チームの常設化を決め、14年に日本野球機構とプロ野球全球団の共同出資で野球日本代表に関する興行の企画、実施などを担う「NPBエンタープライズ」を立ち上げたことを例に挙げ、会社化は常設化の形式の一つであり、台湾がどんな形を採用するかについては各方面で話し合うことができると説明。台湾が今後も国際大会で勝ち続けていく上で、常設化は良い方向性だとの考えを示した。
常設化について昨年のWBC終了後、中華民国野球協会の辜仲諒(こちゅうりょう)理事長や台湾プロ野球6球団のゼネラルマネジャー(GM)と話し合い、前向きな反応をもらったと紹介。第1段階の情報収集はある程度の功を奏し、次の段階に進む下地が整ったとの見方を示す一方、推進していく上ではまだまだ調整が必要な部分が多くあると話した。