Webの情報誌に登録したら、IDと一緒にご丁寧にパスワードまでメールで知らせてきた。
登録用に先方で決めた臨時パスワードではなく、こちらで決めたパスワードなのだ。
ずいぶん鷹揚にやってくれるなと書いて送ってやったら、しばらくしてメールで返事がきた。
「弊社よりお客様へお送りするメールにつきましては、現在のところ暗号化は実施しておりません。その理由と致しましては、メールの暗号化や解析に適当なアプリケーション・ソフトウエアが一般に普及していないことが挙げられます。
このため、×××では、ご利用のサービスの内容(有料サービスなど)により、ユーザーID・パスワードの通知方法を郵送等に変えさせていただいております。」
とはじめに書いてある。
メールを暗号化しないのかなどとは聞いてもいなのに、まずこうして回答を読む側の意識を拡散させる。
永田町の小父さんたちのお得意の手によく似ている。
次にはこう書いてある。
「また、無料会員サイトのみのご登録者様に関しては、ユーザーの皆様からのご要望の多いメールでの通知とさせていただいております。」
書類でよこせと言ってないのにメール通知の言い訳を書いて、無料読者への面当てのように読ませる。
そのあとは、
「ユーザーID・パスワードは、基本的にご本人様がお控えいただき、保存いただくものですが、弊社からメールで通知させていただく場合には、都度、念のための変更をお勧めしている次第です。」
わかりきったことを言っておいて、メールで通知が行ったら違うパスワードを使えと言う。
言葉遣いだけは丁寧を装っているが、ずいぶん馬鹿にした言い草ではないか。
わが社は何があっても大丈夫という立派な意思が表れており見上げたものだと、年始からほとほと感じ入った。