グラフでデータを見せる場合、表示形式の違うグラフを組み合わせると、一つのグラフで伝えるデータの範囲を広げることができます。
複合グラフと呼ばれるその作り方も、Excel のバージョンが新しくなると、方法が変わってきます。
たとえば営業成績を見せるグラフの場合、店ごとの個別データは棒グラフ、全店合計のデータを折れ線グラフで表すものとします。
古いバージョンでは、はじめに全店合計のデータも含めた棒グラフを作っておき、全店合計部分だけをあとから折れ線に変更する手法がとられていました。
新しいバージョンでは、はじめから個別データは棒グラフ、合計は折れ線グラフで、それを組み合わせて一度に作れるようになっています。
回り道がいらなくなったわけです。
こういう複合グラフの作り方などは、通常それを必要とする機会はごくわずかなものでしょう。
データ処理を専門にしている人たちを除けば、一生に一度巡り合うかどうかというぐらいです。
ただ、国家資格ではなくても、有名ソフトメーカーが、検定という名をつけ技能測定を行っていて、その合否が世間一般の技能水準判定材料にされているとなれば、合格を目指す人は、実用価値とは別の知識水準としての価値を尊重することを強いられます。
複合グラフ作成という技法だけをとらえれば、両方知っていればよいではないかということも言えますが、こういうたぐいの用法の変容が無数にあるとなれば、方法をガラッと変えられてしまうことは大いに迷惑ということになります。
ちょっと手順を変えて見かけだけは便利になったような、新しいバージョンを次々に出して見せられると、ユーザーが魔法にかけられたように新バージョンに手を差し伸べてさまよい歩く、そんな材料を世に出していくことが、ソフト開発と言えるのだろうかと、おかしな気分にさせられているところです。